第2話 幼女、出会う
翌日
野宿はしたくなかったので別の宿の部屋を借りて1泊した。
今日にはもう勇者パーティーは街から去って行った。
なのでこれでもう私は勇者パーティーから追放されて独り身の魔法少女になってしまった。
で、これから先どうしようか?
問題なのはこれからの私の生活になる。
勇者パーティーに入ってる訳ではないので自分1人で行動していかなければなくなる。
今手持ちの金は銀貨が数枚としかないので宿に3泊泊まったぐらいで無一文になってしまう。
「パーティーに入れてもらわないと...」
このままではまずいので別のパーティーに入れてもらおうとし、パーティーを見かけ次第、声をかけてみた。
だけれど。
「魔法少女?魔法使いいるから足りてるよ」
「魔法少女ですか…あいにく私たちには魔法使いがいますので…」
全パーティーに話を持ちかけてみたが、全て断られた。
「やっぱ魔法使いじゃなきゃな…」
私も本当は魔法使いになりたかった。
誰かの役に立ちたかった。
けれどこればかりはしょうがないとしか言いようがない。
「あれは」
何かないかと探していたら街の掲示板を見つけた。
この掲示板には依頼が書かれてる紙が貼られていてその依頼をこなして依頼主に報告をすれば金が貰える仕組みになっている。
「これに頼ろっと」
私はとにかく生きる為の金が欲しいのと少しでも誰かの役に立ちたいのでこの掲示板の依頼をこなすことにした。
「薬草を5本…これにしよう」
何にしようか迷ったが薬草5本なら今の私でも取ってこれそうなので紙を剥がして鞄の中に入れた。
「どれどれ…」
私は草原に足を運んで紙に書いてある通りに薬草を取り、鞄の中に入れていった。
以前、勇者パーティーにいて薬草を見る機会は沢山あったのでどれが薬草なのかは見てすぐ分かる。
「これで全部」
ちゃんと薬草が5本集まった。
後はこれを依頼主の元に持っていけば依頼達成だ。
「早く帰らないとな…」
夜になると強いモンスターが草原にうろついたりする。
今の1人だけの私じゃ勝てる気がしないので早く街に戻ろう。
するとそこで。
「ギャアアアア!」
「あれ?」
何かがこちらに向かって来た。
「え!?」
後ろからモンスター、ストレングススネイクが襲ってきた。
ストレングススネイクはモンスターの中でも名を知られている。
「戦うしかないのかな…」
この流れでは魔法少女の私が戦うしかないだろう。
ストレングススネイクは戦ったことがあるので弱点などは知っている。
「召喚、マジックステッキ」
マジックステッキを召喚し、私は手に持つ。
そして言い放つ。
「マジックアンドチェンジ!」
変身する際に必要な台詞を放ち変身開始する。
謎の光を放ちながらヒラヒラでキラキラで派手な服に身を包み、髪が変わる。
着地すれば変身完了だ。
声が高くなっている。
もはや変身前の私を知らない者からすれば別人に見えるだろう。
変身は完了したので後は倒すだけだ。
「はっ!」
その場からジャンプしてストレングススネイクの額に向かって火魔法を放つ。
前回、ストレングススネイクを倒せた際は額が弱点だったので恐らく合っているはずだ。
「ギャアアアア!」
当たっていた。
「この流れを使って!」
敵が怯んでいる内にビームの準備をしてマジックステッキに力を込める。
「ギャアアアア!」
ストレングススネイクが私に襲いかかってきた瞬間に。
「くらえ!」
私はマジックステッキからビームを放つ。
「ギャアアアア!」
ストレングススネイクを撃破する。
「倒せた…ね」
しっかり倒せたかどうかを確認する。
ここまでが戦いだ。
「あれ?ストレングススネイクじゃね?」
「本当だ。倒されてる」
ストレングススネイクを倒したからか周りに人が集まってきた。
「勇者かな?魔法使いかな?」
どんな者が倒したのか皆気になっているのだろう。
で、全員私の方を向いてくる。
「なんだ魔法少女か…偶に強いのいるけど…ね」
私の今の格好を見て全員魔法少女なのに気付いたが、反応はあまり良くなかった。
私が魔法使いだったらもっと違う反応だったのだろうか。
「…さっさとこれ持っていこっと」
私は変身を解除し、薬草を届けに行こうと足を運ぶ。
そして無事に目的地に到着した。
山の方面にある家だったので割と歩いた。
「ありがとうございました。これどうぞ」
「どうも」
私は依頼主から銀貨を数枚貰った。
これでまた宿に泊まったりできるだろう。
「では、また何かあればよろしくお願いします」
「こちらこそ。ありがとうございました」
さて、暗くなる前に街に戻るとしよう。
「んん?」
街に向かってる最中、森の奥が光ってることに気付く。
先程もストレングススネイクが出たりしたのでもしかしがら何かあったのかもしれない。
「行ってみよう…」
急いで私は森の奥へ向かって走った。
「もうすぐだ…」
光ってるところまでもうすぐで到着する。
一体何があるのだろうか?
「…っと!え?」
光の正体は箱だった。
森の中に置いてあった箱から光を壮大に放っていたので遠くから見えていたのだ。
「この箱なんだろう…?」
この光る箱の正体が気になった私は恐る恐る光る箱を開けてしまった。
するとそこに入っていたのは。
「女の子…?」
光る箱の中には幼女が入っていた。
「マジックステッキも…?」
幼女と共にマジックステッキも入っていた。
これは一体どういうことだろうか?
この子は私と同じ魔法少女なのだろうか?
そこで。
「助けて…助け…て…」
幼女はうっすらと口を開けて私に話しかけてきた。
「え!?助けてって言われても…」
私にはこの子をどう助けていいかが分からなかった。
「行こうっ!」
方法は分からないが、自分にできることがしたかったので光る箱に入っていたこの子とマジックステッキを抱えて街まで走った。
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