第7話

「一週間様子を見ましたがどうです?」若い警察官は努の方に体を向けて言った。

「調子はいいですが周りの人から人格が変わったって言われます。」

「人格が変化することもあるんですかね、あの鏡にはそんな力があるんですかね?」

若い警察官は頭を傾げながら言った。

「それで前の顔と人格に戻りたいのですが、何か知りませんか?あのカガミについてもちろんお調べになっているとは思いますが良ければ教えて頂きたいです。」


「なぜ戻りたいのですか?」


「嘘をついてるみたいで嫌なんです。本来の自分ではないのに人間関係がうまくいっていることに罪悪感を覚えて…。」


「良い人なんですね努さんは。私ならそんなこと思いませんよ。」


「あのカガミに会ってから以前の自分がどんな感じだったのか覚えてないのです。」


「顔が変わり人格が変わる。それは至って普通のことではないでしょうかね、よく見た目を変えておしゃれに気を遣うことで人柄が変わって人間関係がうまくいく。そのようなことはよくある話ですよ。」


「それとは少し違うような気がします。僕の場合は良い性格に変化しましたがこれは偶然で悪い性格に変化する可能性だってあったはずです。二重人格のようなそんな感覚だと思います。」


「確か、あの鏡の発見者の今尾さんも顔と人格が変化したと聞いています。今尾さんはどんな人格になっているのか分かりませんが悪い性格に変わっている可能性がゼロではないと」


「そうです。」

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