第10話

しばらく、皆さんと雑談していたら、加牙羅さんが帰ってきた。


「皆さん。無理でした。」

「まじ?」

「おん、マジ」

「「「すううううううううううううう」」」

「「「このドアホ!」」」

「うぅ!」


加牙羅さんがうろたえる。


「何してんだよ!課長!」

「普通にダメってあしらわれた。公安だから強制的にやっちゃうか?」

「「え?ここ公安なの?」」

「うん、そだよー」


思わず白目になりそうだ。

なんで、先に言わないんですか?

月灯さんも同じ考えのようだ。


「まさか、課長二人に公安だってこと言ってなかった?」

「..........」

「今すぐ、課長をつぶせぇ!」


ちょ、丹さん。目が、逝ってるよ!

目の前でリンチしてるよ。

マジで、カオスすぎる。


「ちょ、ちょっといいですか?」


月灯さんだ。


「?どした~」

「そ、その、ちょっと外行きませんか?」

「だね、行こっか」


俺らは隠れるように部屋から出て休憩室に向かった。


「そ、その、お茶です」

「ありがと!」


俺はお茶をすする。


「そ、その、どうして天野さんは暴対に入ったんですか?」

「ああ、なるほどね。簡単に言うと俺の家族に手を出したからかな?」

「ど、どういうことですか?」

「ちょっと、長くなるけど」


俺は月灯さんにこれまでのことを話した。

元担任に啖呵切ったこと。

その元担任が紅龍組の息子だったこと。

そして、紅龍組の人とケンカしたこと。


「まぁ、こんな感じだな」

「す、凄過ぎます」

「いやいや、凄くねぇよ。だって、一応殺されかけてるぜ?」

「わ、私なんて。そんなこと出来ませんよ。私はただ、耐えるしかできないので」

「普通の人はやっぱそう考えるんだな」

「どういうことですか?」

「いや、独り言だ。気にするな。」

「そ、そうですか」

「「...」」


どうすればいいの?

こういう展開俺知らないって!


「あ、あの」

「?」

「わ、私に体の動かし方を教えてください。」


彼女の顔を見ると何かを決心した顔だった。


「一応理由を聞くぞ。どうして?」

「わ、私の専門は科学。どうしても自分を防衛できる手段がないので」

「なるほどね。」


彼女は普通に自信がないのだろう。

やるだけやってみるか?

ちょっと心配だし。


「はいよ。わかった。ただし空いてる時間な?」

「はい!」

((((ニヤニヤ))))


なんか、悪寒が走ったぞ~

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