素人の書く、超☆激辛批評

★０ 女Vtuberの中の人は男?!

タイトル：女Vtuberの中の人は男?!

キャッチコピー：あの日、幼馴染達と誓った約束を俺は…。

作者：@petapetan

URL：https://kakuyomu.jp/works/16818093081906853313

評価：★０

【あらすじ】

大手会社ラテ所属のVtuber“桜川　カスナ”の中の人は男子高校生？！ある日、弟のいたずらで配信がスタートしてしまう。

果たしてどうなるのか…。

【拝読したストーリーの流れ】

　幼い弟妹の面倒を見ながら高校生活を送る主人公「姫口　優斗」。

　だが、彼は人気の女性Vtuber「桜川　カスナ」として活躍するという裏の顔を持っていたのだった。

　だがある日、幼い弟のイタズラがきっかけで……、といったお話でしょうか。

【タイトル・キャッチコピーの批評】

　タイトルは、初期設定を表していますね。

　「Vtuberもの」は最近流行っているようですし、「主人公がネカマ」というのもヒキとしては良いと思います。

　ただ「?!」は、逆の「⁉」とした方が一般的だと思いますね。

　続いてキャッチコピーですが、こちらは第１話の冒頭で幼馴染たちと「大人になったら４人で世界中を旅しよう！」という約束が語られていますね。

　作中でどのような物語が描かれるのかは第５話の時点では全く分かりませんでしたが、少し意味深で「キャッチ」としては悪くないかと思います。

　「幼馴染たち」がキーキャラクターである事がわかりますね。

　ただこちらも「…」は「……」と２つセットで運用するのが一般的です。

　タイトル・コピーの共に、いわゆる「文章マナー」が出来ておりません。

　ここだけを見て「読まない」と判断する読者もいますので、修正なされた方が良いかと思います。

【キャラクターの批評】

　キャラクターに限らずですが、第５話の時点では正確な評価はできませんね。

　理由は「文章量が少なすぎる」からです。（ここは【構成の批評】で述べます）

　辛うじて判明している点としては「両親はいなくて、高校１年生の主人公が家事や弟妹の世話をしている」「主人公は、人気の女性Vtuber」という事くらいです。

　人間性としては「弟妹想いで、少しシスコン気味」「ネカマは会社の命令で、自分からしている訳ではない」という事ですかね。「良い兄」「押しに弱い」という特徴が見える主人公です。

　問題点としては、第１話・第２話で「主人公の１日」がスケジュール説明のように書かれているのですが、「少し過密すぎて現実離れしている」という事が挙げられますかね。（学校・家事・育児・Vtuber活動ですね）

　創作なので、必ずしもリアルに書かなければならないという事はありませんが、「無意味に現実離れしても良い」という訳ではありません。

　主人公に感情移入をした読者は、あまりの過密スケジュールに主人公が心配になるかも知れません。

　逆に感情移入しない読者は、「テキトーな設定だな」なんて思ってしまうかも知れません。

　私個人としては後者です。

　理由としては、「過密スケジュールを苦もなくこなす高校生」に共感できないからです。

　もし私が主人公の立場なら、激しく落ち込むか、イライラして周りに当たり散らしますね。

【文章・構成の批評】

　文章は非常に拙いですね。

　決してストレスを感じるタイプの文体ではありませんが、様々な問題を感じる文章です。

　まず、「web小説の書き方」が出来ておりません。

　「文頭の一字下げ」「感嘆符や疑問符の後の空白」、【タイトル・コピーの批評】でも述べた「三点リーダーは２つセット」などですね。

　他に「句点の付け忘れ」「『―』ではなく『ー』を使っている（こちらも２つセットが基本です）」「感嘆符や疑問符が半角」なども挙げられます。

　特に『ー』は、非常に拙く見えるので修正された方が良いと思います。スマホなどではどちらも同じ「真っ直ぐの横線」に見えますが、パソコンなどでは「止め」が表現されるので全く違う表示になります。（ちなみに『―』は、「ダッシュ」と入力して変換すれば出ると思います）

　また、エピソードによって一人称と三人称が使い分けられているのも、本作では避けた方が無難ではないかと思います。

　これは普通に使われている技法ではあるのですが、１話の文字数が極端に少ない本作では「読者が主人公の視点ではないと気付いた時には１話が終わっている」ので、違和感だけが残るように感じました。

　ですが一番の問題は「文章に面白みがない」という事です。

　本作の地の文は、そのほとんど全てが「説明文」です。主人公の一人称であってもそれは変わりません。

　セリフ以外は延々と説明だけの文章……面白いはずがありません。

　それでは構成ですが、こちらも問題が山積みです。

　まずは「文字数」の件からです。

　本作の１話の文字数は２９９文字～８６３文字です。少ないですね。

　手軽さは凄いですが、その恩恵と反比例して内容はほとんどありません。スカスカです。

　特に第３話・第５話は、（私の環境で）ディスプレイにそのまま全文が表示できるほど短いです。

　それなら、隣接するエピソードと統合しても良かったのではないでしょうか。

　次に「第１話と第２話の内容が重複している」というのも問題です。

　「主人公の１日」を２度も見せる必要はありません。三人称と一人称の違いなど、多少の変化はありますがハッキリ申し上げて「ムダ」であると思います。

　「ムダ」があるのに「必要な説明が無い」というのも大問題です。

　「なぜ両親がいないのか？」「コピーにもある親友たちはどうしているのか？　いつ出てくるのか？」「主人公はなぜVtuberとなったのか？」「主人公たちの生活費は誰が出しているのか？　主人公の収入だけで生活しているのか？」「過密スケジュールにも関わらず高校に通っている理由は？」などなどです。

　伏線は明かせないにしても、あまりにも不明な点が多過ぎます。

　ちなみに上記の疑問は「物語上で必要だと思われる疑問だけ」であり、それ以外ならまだまだ疑問は出てきます。

【ストーリー・設定の批評】

　ストーリーですが、お察しの通り何も分かりません。

　第５話までで書かれていたのは「主人公の現状」と「現状が変わるキッカケ（の予兆）」だけです。

　これは普通の作品なら第１話か、第２話で終えるような話です。

　そして設定ですが、こちらもほとんど分かりませんね。大枠しか説明されていませんから。

　設定で書くべきかは分かりませんが、１つだけ疑問を書かせて頂きます。

　第４話で「主人公の生配信」が書かれますが、そこでは「ゲーム実況」をします。ですが主人公は視聴者にオススメのゲームを尋ねて、その場でダウンロードを始めます。

　私はVtuberは詳しくありませんし、生配信は見ないので見当違いの疑問かも知れませんが……「配信中にプレイするゲームが決まっていない」なんてあるんですかね？

　あったとして、そんな配信者が人気になるとは思えないんですが……。

【総評まとめ】

　それでは総評に参りますが「スカスカの作品」ですね。

　内容が無さ過ぎて語れる事がありません。

　ただそれは「最初の５話を批評する」という本批評のレギュレーションの為であり、読み進めれば面白い可能性も否定はできません。

　しかし「文章」だけは明確に問題があります。

　他の問題点は読み進める事で解決する可能性もありますが、「文章」は別です。

　ここは勉強をして、工夫を凝らし、推敲を重ねるしかありませんね。