★0 王子様になれない従者とヒーローになりたい眠り姫との3年と25年の間に流れるキセキみたいなコイガタリ。
タイトル:王子様になれない従者とヒーローになりたい眠り姫との3年と25年の間に流れるキセキみたいなコイガタリ。
キャッチコピー:誰にでもピンチの時は正義のヒーローが絶対やってくるものよ!
作者:うさぎパイセン、オーナーはもうダメだ。
URL:https://kakuyomu.jp/works/16818093083194160824
評価:★0
【あらすじ】
小学六年生、ヒーローになりたかった女の子「皇妃 姫」。
小さくて、柔らかい華奢な体とは裏腹に前を真っ直ぐ見すえる大きく強い瞳は正義に燃える光の焔。
ふわふわした長い茶髪の、まるで童話の世界にいるみたいな気高いお姫様。
小学校で彼女の立場はまさに「皇姫さま」。
そんな姫と同クラスに居る、すらっと伸びた背筋を丸め、陰があるが紛うことなき美形。
その美しい白面を漆黒の長く艶やかな黒髪で世界から阻む。
線の細い体を申し訳なさそうに縮め、弱々しさ湛えた目をした「乙丸 光」。
国語の時間、源氏物語に関連して苗字の話題で「乙丸」関連へと。
(ソイヤこの前源氏物語の大河ドラマ見たけど乙丸って平安時代は従者の名前だったんだーとセンセ悪気ZERO)
それがきっかけで「従者」とあだ名され同クラスの男子に虐められる光を見かけた姫は光を颯爽と助ける。
育まれる友情。しかし光は姫に友情以上の感情を持ってしまう。
そして、姫も知らず知らずのうちに光に対して好意を抱いていく。
そんな2人に悲劇が襲いかかる。
姫は15で交通事故に遭い、身体機能的になんの問題もないはずなのに意識だけが戻らない植物状態に。
だが姫には狭いが病室という名の世界が見える。聞こえる。感じる。香る。思考もするし身体接触時の人の温もりも触れられたら分かるのだ。
でも話せない。動けない。反応を返せない。
ヒーローになりたかった姫は眠り姫になった。
彼女を起こそうと当初大挙して見舞いに押しかけた者たちは時が流れて消えていく。
残ったのは従者と呼ばれていた光と姫の家族。
眠りの狭間で流れていく時間と積もる恋情。
どうしようもなく時だけが流れ。
光は恋を込めて姫を思い子を作った。姫が眠り姫になってから25年。その愛の象徴である子どもに命の危機が訪れる。
それを狭い世界の中で知った姫は眠り姫からようやく、長い時間蝕んでいた植物状態という名の自身の呪いを解呪。
そして眠り姫なんてひ弱なヒロインじゃなく。
ヒーローとして。
子どもを。
自分と、自分の大事な人が愛したあの子を。
これは、ずっとヒーローになりたかった姫が3年と25年かけてようやくおひめさまからヒーローになれたキセキのような恋の物語。
【拝読したストーリーの流れ】
本作の作者である、うさぎパイセン、オーナーはもうダメだ。様は、以前に批評させて頂いた『めんどくせえ嗚呼めんどくせえ』と『【午前8時15分、ボクはきっと担当さんに抹殺される(確信)】』の2作品の作者でもあります。
小学6年生の主人公「乙丸 光」は長い前髪で顔を隠す、臆病な女の子だった。
名前のせいで男子にイジメられても何も出来ない自分を呪うしかない。
だがその時、ヒーローが現れた。
「光」の同級生の「ヒメ」は格好よくイジメっ子を撃退し、そして「ヒメ」の家では彼女のお兄さんに「
「魔法」によって素顔を晒した「光」は翌日、学校で一躍人気者に。
もう、イジメは起きなかった。
互いを意識し合ったまま2人は高校生になり、そして「ヒメ」の16歳の誕生日の前日、悲劇は起こった……、といったお話でしょうか。
【タイトル・キャッチコピーの批評】
正直、タイトルはあまり良いとは思えませんね。
説明文タイトルに分類されると思うのですが、長い割には要点が掴みづらく、どんな話なのかが全く分かりません。
また本文内のいくつかの文章にも言える事ですが、せめて文章の区切りに読点を設けた方が良いと思いますね。現状では、どこで区切って読めば良いのかも分かりづらいと思います。(最後に句点を入れているので、なおさら読点を入れなかった事に疑問を感じます)
次にキャッチコピーですが、これは文中のセリフですかね?
キメ台詞としては悪くないと思うのですが、「誰にでも」の部分が少し冗長に感じます。「誰にでも」は削った方が語感は良いと思いますね。
タイトル・コピーで共通する問題は、「作品内容が全く想像がつかない」ところですね。
せめてどちらかで「百合もの」である事だけでも示した方が良いのではないでしょうか。第5話まで拝読した感じですと、「百合」が最も重要な要素だと感じましたが。
【キャラクターの批評】
キャラですが、まず主人公の名前「
物語冒頭で男女が分からないと、それが判明するまで読者的にはモヤモヤします。(あらすじやタグを見ていれば、女である事は分かりますが)
そして第1話でいきなりの「オスガキ共が」や「クソ野郎ども」は、良い意味でも悪い意味でも強烈なインパクトがありました。(セリフではなく地の文ですが)
「キャラ付け」という意味では良いと思います。本当にビックリしましたので。
ただ小学6年生の、しかも主人公の言葉としてはあまり相応しいとは思えませんでした。印象には残りましたが、好感を持つかというと……。
好感と言えば、第3話でのクラスメイトは良くないと思いますね。
主人公は前髪で隠していた顔を見せ、それでクラスの人気者に……というような流れなのですが、クラスメイトの手の平返しが酷くてあまり良い気分ではありませんでしたね。
後の展開で、このクラスメイト達に重要な役割があるのなら必要な描写かもしれませんが、そうでないのなら軽めの演出で「素顔を見せた光はクラスに打ち解けていって、次第にイジメもなくなった」のような描写で良いのでは、と思いました。
【文章・構成の批評】
文章ですが……。つかぬ事をお伺いしますが、以前に私が「うさオーナー様が書く、普通の文章も興味がありますね」と言った事がありますが、それを実践なさったのでしょうか?
何というか、「普通と呼ぶにはクセがあって読みづらい」と感じ、更に「うさオーナー様のキレが弱くなっている」とも感じてしまいました。
作品テーマの違いによるせいかも知れませんが、あまり成功しているようには見えませんでした。
「読みづらさ」には、うさオーナー様の特徴でもある「クセの強さ」以外にも理由がありますね。
例文として引用します。
――――――――――――――――――
お姫様が連れてきてくれたのは。
飲み屋の片隅にある、小さいながらもそこは「魔法をかけてくれる」ようなお店だったのだ。
――――――――――――――――――
ここは、「なぜ主人公が『魔法をかけてくれるようなお店』だと思ったのか」を書かなければ読者に意味が通じません。
例えば、「水晶や銀の飾りが店内にあった」とか、「薄暗く、天井には星のような明かりのある、神秘的なお店」とか、「ずん胴鍋には、紫色の液体が煮立っていた」とか、いくらでも「魔法をかけてくれそうなお店」の描写はあります。
「読者の想像に委ねる」のを否定する訳ではありませんが、いくらなんでも想像の余地が多すぎだと感じます。(このように感じた文章は、他にも多々あります)
もう少し、読者にイメージの誘導をしても良いのではないでしょうか?
次に構成ですが、5話までの構成は王道の展開の連続ですね。
第1話で主人公がイジメられ、それをヒーローが助ける。
第2話・第3話で2人の関係性の強化と、クラス内での主人公の変化。
第4話は……中学時代をすっ飛ばしてますね。(459文字)
第5話で、誕生日を控えたヒーローが事故に遭う。
1話が2000文字未満にも関わらず、テンポ良く進んでいると思います。
ただ、文章量が少なくイベントを駆け足で進んでいる為か、キャラの描写は少ないですね。
一人称で描かれる主人公はともかく、ヒーローの方は全然描かれていません。
他に重要そうなキャラもヒーローの兄くらいですし、もう少しキャラを掘り下げたり、登場キャラの幅を広げた方が良いと思いますね。
【ストーリー・設定の批評】
文字数が少ない為、ストーリーはまだ全然進んでいませんね。【あらすじ】の方が先に進んでいます。
現状では本文だけを見ていると「余命もの」に近い感じもしますが、タイトルやあらすじを見るとどうも違いますね。
正直、先の展開が全く読めない作品です。(タグには「NTR」なんてのもありました) これは「多くの読者を獲得したい」と、作者が考えているのなら良くないと思いますね。
基本的に読者の多くは「自分の求める作品を読みたい」と考えるのものと思われます。つまり「未知の作品」は求めていないのです。(あくまで私の個人的な考えであり、もちろん「全ての読者」ではありません)
そしてこれまでのストーリー展開で、1つだけ気になった事を。
第1話・第2話で、主人公はイジメられている最中に初潮を迎えてしまいますが、そのままヒーローの家へと行ってしまいます。
非常に楽し気に過ごしていましたが……処置しないままでは楽しめませんよね? 状況から、適切な処置が出来たとも思えませんが……。
続けて設定ですが、あまりストーリーが進んでいないのでツッコむところは少ないですね。
1点だけツッコミがあるとすれば、タイトルやあらすじである「3年と25年」ですが、もし「3年」が第1話~第5話までの事を指しているのなら3年は少しおかしいですね。
第1話が「小学校の卒業間近」で、第5話が「高校入学直後」だというのならギリギリ3年でもおかしくはないですが、第3話で卒業前に「アイススケートダンスを始めた(同第3話で仲良くなった)同級生が、卒業前にコンテストで留学権を掻っ攫ってしまい」とあり、この時点で3年は無理があります。
少なくとも4年近くか、それ以上のでないと矛盾がありますね。(重ねて言いますが、「『3年』が、第1話~第5話までの事を指しているのなら」です)
【総評まとめ】
総評ですが「物語としては未知数。文章は読みづらく、人にはお勧めできない」ですね。
作者のうさぎパイセン、オーナーはもうダメだ。様から「続きを読んでみたいかどうかをジャッジして欲しい」と言われましたので、ハッキリと申し上げます。
私はうさオーナー様と僅かながら交流があり、その人柄も作風も存じておりますので「続きを読んでも良い」と思います。まだ「物語の判断」が出来ませんので。
しかしそれは私個人の話で、他の読者はほとんど読んでくれないと思います。理由は下記の通りです。
まず本作の文章は読みづらく、その時点でリタイアする読者が多いと思われます。
更に「どんな物語か分からない」ので、先の展開に対する不安もあるでしょう。(これは自分で言ってて、自分にも刺さりますが)
追加で指摘するならキャラですかね。「オスガキ」なんて考える小学生女児、怖いです。(リアルの話ではなく、主人公としての好感の話です)
また「百合」と「NTR」は読者を選ぶジャンルであり、両方を好む読者は少ないと思われます。
元々うさオーナー様は一般ウケを狙っている作家さまではありませんが、本作は特に読者を選ぶ作品だと思いますね。
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