★0 空の色は何色


タイトル:空の色は何色

キャッチコピー:あなたの思う空の色って何色ですか

作者:せをは

URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330660205857150


評価:★0


【あらすじ】



【拝読したストーリーの流れ】

 【あらすじ】が空白ですがミスではありません。

 本作には【あらすじ】が1文字もありませんでした。



 高校生になれば、青春ができると思っていた。小説やアニメのように、心の踊る冒険に出かけたり、かわいい彼女ができたり。それか、すごい超能力が急に発現したり。

 そんな夢見がちな主人公「田中 翠」の前に現れたのは、転入生のヒロイン「茜 朱碧」。

 長身で、大阪育ちの彼女は、前の学校で入っていた剣道部と美術部に入部を希望している。だけど剣道部は部員が主人公1人だけの廃部寸前で……、といったお話でしょうか。



【タイトル・キャッチコピーの批評】

 何ていうのか、文学的(?)なタイトルですね。(すみませんが、私は本当に文学には疎いものでして……)

 雰囲気は良いと思います。が、「それだけ」ですね。

 読者の興味を惹くような言葉は何も無いと思います。文学に対しては無知な私ですが、文学的に見ても目を惹くようなタイトルでは無いように感じます。

 一言で言わせて頂くなら「パンチ不足」ですね。



 次にキャッチコピーですが、こちらは読者に問いかけている様な言葉ですね。

 「空の色」とは、時間や天候などによって変わります。また、同じ空でも見る人によって印象が変わる事もあるでしょう。

 「答えの無い質問」をして、「作中に答えがあるかも知れない」と思わせるのは良い誘導だと思います。


 ただ、質問内容が「空の色」ですので、大きな興味を読者に抱かせる事は難しいのではないかと思います。

 できれば、多くの人が興味を抱くような題材の方が良いと思いましたね。



 タイトル・コピーともに、作品内容が想像出来ないものですね。

 これも他作品の批評でよく言っていますが、本文を読む前からある程度は作品内容が想像できるものが良いと思います。

 本作は【あらすじ】が無いので、なおさらこれが重要だと感じますね。



【キャラクターの批評】

 本作の主な登場人物は、主人公とヒロインの2名です。

 ですが、第5話までの時点でキャラクターが良く表現できているとは言い難いですね。原因は尺不足です。

 本作は第5話までの合計で2598文字しかありませんでした。少々、少なすぎますね。


 ただ、それでも一人称で書かれていますので主人公は見える部分も多かったですね。そして、そこから見えた主人公像は良いと思います。

 物語のような出来事を期待する夢見がちな性格と、物語冒頭で「空の色」について考えている内にテスト時間が過ぎて答案を白紙で提出するという行動などが、良い意味で「落ちこぼれ感」が出ていて良かったと思います。


 対してヒロインの方は出番が少なく、そのキャラクター像はよく掴めませんでした。

 ただ彼女の関西弁なんですが、「創作のキャラとしては」良いと言い切れないと感じました。


 関西弁と一言で言ってもいくつか種類があるんですよね。京都弁なんかが個性的で有名でしょうか?

 ヒロインの台詞は「非常にリアルな関西弁」だと感じましたが、ここが曖昧に感じてしまいました。創作のキャラなのですから、もっと「わざとらしいくらいに」大阪弁を喋らせた方がキャラが立って、読者の理解を得やすいように感じます。



【文章・構成の批評】

 文章は非常に拙いですね。

 まず問題点の多くは、前回批評しました『知りたがりの狼と血塗れ頭巾』とほぼ同じです。

 「改行が少なく、空行が一切ない」「文頭の1字下げが無い」「句読点がなぜか、コンマ・ピリオドになっている」の3点ですね。「誤字脱字」に関しては、本作では特に見当たりませんでした。


 それ以外では「表現に違和感を感じる」部分が多いと感じましたね。

 いくつか引用させて頂きます。


 「担任の先生が珍しく教卓の前に立って言った」とありましたが、「珍しく」という事は、先生は普段はどこに立っているのでしょう?


 ヒロインの身長は180cm近くあるようですが、「女子にしては身長が高め」と書かれていました。「高め」どころか、明らかに女性にしては長身ですよね?(軽く調べてみたところ、女子高校生の平均身長は160cmを下回っています)


 主人公とヒロインの席の場所について書かれた文章もありましたが、「彼女は1番廊下に近い列の1番後ろ.僕はその列の二つ隣の列だ」とありますが、「その列の二つ隣の列だ」と「2つの列」が混同しています。縦列と横列の事だとは思うのですが、「僕の席は彼女の二つ隣だ」の方が理解しやすいと思われます。


 こういった違和感に関しては読み手によって感想が異なるものですし、上記の例は私の個人的な主観です。

 ただ個人的な主観ではあるのですが、多くの読者も感じる違和感ではないかと思い、指摘させて頂きました。



 続いて構成ですが、先ほど【キャラクターの批評】でも申し上げた通り、1話が短すぎますね。(297文字~674文字)

 これでは5話を読んでも、殆ど話が進んでいません。


 また、文章量が最も少ない第2話は「必要の無いエピソード」に感じてしまいました。

 内容は「現実逃避する主人公が、ヒロインとの出会いを予感する」だけです。

 これは第1話に組み込んでも良かったと思いますね。



【ストーリー・設定の批評】

 ここは評価する事ができません。話が何も進んでいないからです。

 「主人公とヒロインの2人が、少し話をした」ところで第5話が終了しています。それまでに特筆するような設定もドラマもありませんでした。



【総評まとめ】

 こちらの作品も、前回の『知りたがりの狼と血塗れ頭巾』と同じく評価をするのは不可能です。本作の物語は、これから始まるのですから。


 少し気になったのですが、本作は第1話~第4話は2023年7月に公開され、第5話は2024年5月に公開されています。

 間が空いたのには何かの事情があったのだとは思いますが、例え読者が作品を気に入ってくれても、あまりに間が空くと読み続けてはくれないと思います。


 最低でも1週間に1度の定期更新。理想は毎日更新だと、どこかの記事で拝見した事があります。

 難しいかも知れませんが、上記が可能な環境作りが出来れば良いですね。

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