★0 知りたがりの狼と血塗れ頭巾


タイトル:知りたがりの狼と血塗れ頭巾

キャッチコピー:赤ずきん,お前の肌はどうしてそんなに白いんだ?

作者:せをは

URL:https://kakuyomu.jp/works/16818093074858923545


評価:★0


【あらすじ】

蒼い髪を持つ,大きな男が白い髪を持つ小さな女の子に問いかける「赤ずきん,お前の肌はどうして雪のように白いんだ?」「それはね,神様が生贄として私を見つけやすくするためよ」「赤ずきん,どうしてお前の瞳は赤いんだ?」「それはね,理不尽な運命にずっと泣いていたからよ」「赤ずきん,お前はどうしてそんなに小さいんだ?」「それはね,村の人たちが生贄の私が逃げないように食事をあまり取らせなかったのからよ」「赤ずきん,どうしてお前は赤い頭巾を被っているんだ?」女の子は男のその問いには答えず,男に逆に問いかける.「ねぇ,狼さん?あなたのお口はどうしてそんなに大きいの?」男は戸惑ったように答える.「それは…お前を…食べる…ため……?」そして



【拝読したストーリーの流れ】

 本作のエピソードタイトルのナンバリングは「1.」「2.」という表記でしたが、本批評内では「第1話」と言う風に呼称させて頂きます。


 本作は2024/6/26現在、第2話までしか公開されていません。

 「連載中」という事ですが、第1話は4月3日、第2話は5月12日の公開ですので、第3話がいつ更新されるのかは分かりません。

 批評も第2話までを対象とさせて頂きます。



 それでストーリーの流れなんですが、第2話までは「神話」か「おとぎ話」のようなプロローグですね。「創世記」でも良いかも知れません。


 まだ生命が誕生していなかった大昔……。「神様」は自分の孤独を癒す為、新たな生命である「ソレ」を創ります。

 しかし「ソレ」は感情が無く、不完全だった為に「神様」は「ソレ」を捨てて天界に帰ってしまいました。

 天界に戻った「神様」は、次は「人間」を創ります。

 「人間」は感情があり、「神様」を愛し、「神様」もまた「人間」を愛しました。


 長い月日がたったある日、「ソレ」は「人間」と出会い、よく分からないまま「人間」を壊してしまいます。ですが壊れた「人間」を見ていると、なぜかお腹が空きました。

 食べてみると「神様」が「人間」を愛している事を知りました。そして自分が捨てられた事も理解してしまいました。

 皮肉にも「人間」を食べる事で「ソレ」は感情を1つ得たのです。


 それから「ソレ」は沢山の「人間」を食べました。

 「ソレ」を恐れた「人間」は「神様」に助けを請いました。

 「神様」は「ソレ」を殺す為の「モノ」を創り、下界に堕としました。


 「モノ」を見た「人間」たちは、自分たちとは違う髪と目の色をした「モノ」を気味悪がり、迫害します。

 「ソレ」を殺す為に、死なない様に最低限の世話だけをして、知識も与えず、暗い地下へと閉じ込めて……。

 そして、18年後……、といった導入です。



【タイトル・キャッチコピーの批評】

 まるで「童話」のようなタイトルですね。作品テーマともマッチしていますし、良いと思います。

 「狼」と「頭巾」という単語から「赤ずきん」を連想できない読者は殆どいないと思われますし、良いタイトルだと思います。



 次にキャッチコピーですが、こちらは「赤ずきん」原典からのセリフを少し変更したものですね。質問をしているのが「狼」になっているのは面白いと思います。

 ただ、「それだけ」ですね。



 タイトル・コピー共に、「赤ずきん」がモチーフである事は分かるのですが、それでどのような物語が描かれるのかが一切分かりません。

 興味を惹くワードとしては「血塗れ頭巾」が挙げられますが、これも古くからネタにされてきたので少し弱いかも知れませんね。



【キャラクターの批評】

 第2話までは地の文のみで語られ、セリフも無く、明確なキャラクターというものは存在しません。


 ただ身勝手な「神様」は、実に神話らしくて良かったですね。

 実在の神話は、現代の私たちの倫理観では到底理解出来ないようなムチャクチャな話が多いですからね。本作の「神様」なんて可愛いもんです。


 ただ、第1話で「ソレ」が「人間」の事を「モノ」と呼んでいたのは、第2話で出てくる「モノ」と混同して紛らわしいですね。

 ここは表記を変えた方が良いと思います。



【文章・構成の批評】

 文章は「おとぎ話」のような書き方で、そこは良かったと思います。

 ただ、難点も非常に多いですね。


 まずは「改行が少なく、空行が一切ない」事です。

 他作品の批評でも言っていますが、文字が詰まって非常に読み難いです。


 次に、第2話では「文頭の1字下げが無い」事です。

 第1話では出来ていたのですが、なぜか第2話には一切ありません。


 続いて「句読点がなぜか、コンマ・ピリオドになっている」事です。

 第1話では全てコンマ・ピリオドとなっています。しかし、第2話ではなぜか「句読点とコンマ・ピリオドが混在」しています。


 次は「誤字脱字が多い」事です。

 言うまでも無く、こんなものは無い方が良いです。


 最後に「第2話の最後の一文を空けすぎ」という事です。

 「それから18年後…」と書かれた後、「20行以上の空行」を空けた後「ソレとモノは出会うのです.」という一文で締めくくられております。

 最後の一文に気付かない読者もいるのではないでしょうか?



 次は構成についてですが、申し上げられる事は少ないですね。

 ただ、まだ本編に入っていない、キャラクターすら登場もしていないプロローグに2話(2167文字)も使うのは尺の取りすぎに感じましたね。



【ストーリー・設定の批評】

 ストーリーは本編に入っていないので批評のしようがありません。



 設定ですが、神話に関しては「雰囲気はよく作られている」と思いました。

 ですが「よくある、誰でも思いつく神話」ですね。目を惹くほどのものではありません。



【総評まとめ】

 本作の内容を評価するのは不可能ですね。物語が何も始まっていませんから。


 ですので【文章】のみに言及しますと、一言で言って「問題だらけ」ですね。

 特に、第1話と第2話で書き方が変わると「作者なりの表現だ」という線も消えてしまいます。これでは「何も考えずに書いている」と思われても仕方ありません。


 また、「おとぎ話調の文章」は雰囲気よく書けていたとは思いますが、通常の文章でどうなるのかは未知数です。

 作者の「せをは様」からは、あと2作品の批評依頼を頂いておりますので、通常の文章に対する批評はそちらで行う事になりますかね。

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