★1 寝取られ幼馴染の地獄堕ち ~あんなに好きだと思っていた相手が、今では気持ち悪くて見たくもないと思うオレは歪んでいるのだろうか?~
タイトル:寝取られ幼馴染の地獄堕ち ~あんなに好きだと思っていた相手が、今では気持ち悪くて見たくもないと思うオレは歪んでいるのだろうか?~
キャッチコピー:恋人として付き合ってる幼馴染の女の子が、浮気セックスをした。
作者:相生蒼尉
URL:https://kakuyomu.jp/works/16816927860964195909
評価:★1
【あらすじ】
浮気セックスをした彼女を切り捨てる話。
【拝読したストーリーの流れ】
本作は1話完結の短編です。
中学2年生の主人公「タクミ」は、幼馴染の女の子「サクラ」に告白した。
2人は付き合う事になり、共に時間を重ね、身体の関係も持った。
それから1年以上……。
3年生になった2人は、受験勉強の為に会う頻度も減ってしまう。元々学力に差があった為、塾も別だ。それでも「タクミ」は2人の将来を考えて勉学に励んでいた。
だが、そんな年末に「サクラ」はスマホを「タクミ」の家に忘れてしまい……、といったお話でしょうか。
【タイトル・キャッチコピーの批評】
タイトルは、説明文と疑問文を合わせたタイトルですね。「~だろうか」で締めくくられる有名作も多いので、違和感はありませんね。
説明部分も「本作がどういった作品か」がよく分かって良いと思います。
若干、長すぎてクドいようにも思いますが、許容範囲ではないでしょうか。
キャッチコピーは淡白に書かれている様に見えますが、これはワザとですかね?
あえて抑揚を出さずに書く事で、主人公の「絶望感」を伝えている様に感じられます。
タイトル・コピーに関しては良く出来ていますね。
ここについては大きな問題は感じられませんでした。
【キャラクターの批評】
キャラクターですが、こちらも良く出来ていますね。
ただ、「良く出来過ぎていて読み手を選ぶ」かも知れません。
というのも主人公は中学生です。非常に中学生らしく描かれていて、思い込みが強く、感情的で、少し短絡的で、自己中心的な考えをしている様に見えました。
これが一人称で描かれるので、人によっては読むのが辛くなってしまうかも知れませんね。リアルなキャラ造形は個人的にはプラス評価ですが。
ただ、新学期で「浮気した元カノの顔を見て嘔吐する主人公」は少しやり過ぎた感はありますね。
決してそのような描かれ方はしていないのですが、「クラスメイトの同情を買う為にムリヤリ吐いた」ようにも見えてしまいました。
他のキャラも良く出来ていて、特に「担任教師」と「強気な女子」のやり取りは良かったですね。
「強気な女子」の主張は、「いかにも中学生が言いそう」なものだと感じました。
最後に、幼馴染の「元カノ」と、もう一人の幼馴染の「マユミ」ですが、こちらは残念ながら「ざまぁする為の舞台装置」と「物語をハッピーエンドで終わらせる為の舞台装置」に感じてしまいましたね。
本来は重要なポジションのキャラである筈なのですが、与えられた役割以上のキャラクター性は見えませんでした。
【文章・構成の批評】
文章は基本的には読み易いのですが、いくつか問題点もありましたので挙げさせて頂きます。
まず読点が多すぎて文章がうるさいですね。
これは非常に多かったので、修正をお勧めします。
次に空行も多かったですね。
本作は18275文字となっており、1話としては非常に長いので空行が増えると、同時にスクロールする回数も増えます。
これも修正した方が良いと思いますね。
最後にセリフが連続して、間に地の文がない場面が何ヵ所か存在する事ですね。
本作ではセリフの間には空行が設けておられませんので、上記の空行が多い問題も相まって、非常に「詰まって」見えます。
続いて構成に移りますが、基本的には良いですね。
付き合い始め、会う頻度が減り、浮気を知り、別れを告げ、クラスに拡散、新学期からエピローグまでと、時系列と段階を踏んで非常に分かり易く作られています。
ただ、グループチャットのセリフは少し多すぎると感じましたね。
「らしさ」はよく出ているのですが、「読み物として見た場合」は余分な文章にも感じてしまいました。
ストーリーには無意味な書き込みまで文章にされているので、個人的にはもう少し削った方が良かったと思いますね。
【ストーリー・設定の批評】
ストーリーは、まぁ……「浮気女をざまぁ」する話ですね。
物語の整合性も取れてますし、基本的には良いと思います。
ただ、非常に読後感の悪い作品ですね。作品テーマの時点で仕方のない事かとも思いますが……。
個人的にはですが、「主人公を全面的に被害者」としながら「必要以上に元カノを追い詰めている」描写には嫌悪感を抱いてしまいましたね。
主人公はグループチャットに「元カノの浮気」を書き込みます。そのせいでクラス中に拡散され、新学期では「元カノは全面的に悪者」です。当然、元カノはクラスメイトたちから総スカンです。
「当然の報いだ」と思われる方も多いと思いますし、私もそこは否定しません。
ですが、拡散の発端となった主人公には「拡散してやろう」「報いを受けさせてやろう」という考えは無いんですよね。
「主人公は善人で、何も悪くない」「悪いのは全て元カノと間男だ」「だから全員でフルボッコにしよう」という構図は、時には「同情と嫌悪の対象が逆転する」場合があります。
本作の場合は「元カノに同情して、主人公やクラスメイトに嫌悪感を感じる」という現象ですね。
これは物語がハッピーエンドで終わっているのにも一因がありますね。
またあまりにも単純な、上記のような構図は「物語を薄っぺらく」感じさせます。
【総評まとめ】
総評ですが「描写や造形はリアルだが、内容はただ「ざまぁ」をするだけ」そんな作品ですね。
残念だったのは、「幼馴染の2人」があまり深く描かれていなかった事ですね。
彼女たちを掘り下げれば「人間ドラマ」が生まれて、もっと良かったかも知れません。
キャラがリアルに作り込まれていたのは良かったのですが、私個人としては主人公が不快で楽しくは読めませんでしたね。終始「主人公目線」で物語が進むので、ここの「合う」「合わない」は重要です。
とはいえ「ざまぁ系」の主人公はこういった「俺は何も悪くない」というデザインがテンプレのようですし、「ざまぁ系」がお好きな方なら楽しく読めるかも知れませんね。
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