★0 君と見る星に願いを込めて


タイトル:君と見る星に願いを込めて

キャッチコピー:君と見る星に願えば、きっと、ずっと。

作者:こよい はるか=^_^=猫部

URL:https://kakuyomu.jp/works/16816927863269941692


評価:★0


【あらすじ】

堀川紗弥、中学一年生。紗弥は、小学二年生から知り合っている前澤真夜に恋心を抱き始めている。

真夜は、無愛想とまではいかないが、人懐っこいとも言わない。無愛想のちょっと手前だ。

意外に星が大好き。夜になるといつも自分の部屋のベランダに出て、望遠鏡を使い、一時間ほど星を眺めている。

朝、学校に行く為、紗弥が当たり前に家を出ると……。



【拝読したストーリーの流れ】

 本作は各エピソードに数字のみがナンバリングされていましたが、本批評内では1話目を「第1話」という風に呼称させて頂きます。

 また本作の作者である「こよい はるか=^_^=猫部」様は、前回批評させて頂いた「この音が君に届く頃に。」の作者さまと同じ方です。



 主人公「堀川紗弥」は今日から中学一年生。そして、隣に住む「前澤真夜」に対する恋心を少し前から自覚していた。

 「真夜」の趣味の天体観測に付き合いながらもドキドキした日々を過ごす。

 だけどある日、「真夜」が交通事故に遭う現場に居合わせて……、といったお話でしょうか。



【タイトル・キャッチコピーの批評】

 タイトルですが、前回批評した作品「この音が君に届く頃に。」と良い所も悪い所も同じですね。


 第5話までの時点では天体観測がどのような意味合いを持つのかは分かりませんでしたが、恐らく重要なテーマなのだと思います。

 それが良く現れているタイトルと言えるでしょう。

 ただ、やはり前作と同様に「具体的な内容が分かりづらい」タイトルでもあります。



 キャッチコピーですが、こちらは明確に良くないと思います。

 その理由は「タイトルとほぼ内容が被っている」からです。

 これではタイトルとコピーを分けている意味がありません。


 コピーは、タイトルでは説明できないものを説明するか、強力なパワーワードで読者を惹きつけるかが出来なければ、存在する理由すら無いと思います。

 それを完璧にするというのは難しいですが、タイトルと変わらない事を書いても無意味だと思いますね。



【キャラクターの批評】

 キャラクターですが、こちらは深堀が足りないと感じました。


 まず主人公ですが、「なぜ幼馴染が気になりだしたのか」が描かれておりません。ただ「小学校の卒業式のちょっと前くらい」に気になりだしたのだと、「時期」しか書かれておりません。

 本作のジャンルは「恋愛」ですが、短編でも無いのに主人公が「恋に落ちる瞬間」を描いていないのは残念と言わざるを得ません。


 その幼馴染が、主人公を天体観測に誘うのも強引に感じましたね。

 誘う理由があまりにも矛盾だらけなので、実は幼馴染も主人公の事が好きで、天体観測はその口実だと予測できるのですが、もう少し幼馴染の心情や情緒を描いた方が良かったと思いますね。

 現状のままだと、幼馴染は言っている事が支離滅裂なワガママな子のように見えてしまうかも知れません。


 最後に登場人物が多すぎますね。

 主人公と幼馴染の母親2人に、クラスメイトの女の子4名の名前が出てきていますが、彼女たちに見せ場は無く、クラスメイトの4人に至ってはセリフすらありません。

 更に会話の中でしか登場しない人物名や、第5話までの時点では登場すらしていない人物の名前が「主な登場人物」というエピソードに書かれていたりします。


 「その他大勢」であったり「ストーリーに深く関わらない」のであれば固有名称は必要ないでしょう。むしろ名前を出す事で、読者に余計な情報を与えてしまい、読みづらくさせている可能性が高いと思います。



【文章・構成の批評】

 文章は読み難くはないのですが、拙く感じますね。

 全体的に情景や心理を描写する文章が無く、情緒に欠けます。「恋愛」というジャンルで情緒が無いというのは欠点に映りました。


 そして会話の間に地の文が無いという事ですね。

 第5話までの間で、最大8つのセリフによる会話が続き、その間に地の文がまったく無いものがありました。

 会話の間に地の文を挟む事でセリフの補足説明にもなりますし、緩急をつける事もできます。「なくてはいけない」とは思いませんが、もう少しあった方が良いと思いますね。



 構成についてですが、第5話までの時点では「盛り上がりに欠ける」と言わざるを得ません。

 ただこれは1話ごとの文字数が極端に少ない為、しょうがない事なのかも知れません。(370文字~746文字)


 ただ先ほども書きましたが、「主人公が恋に落ちる」などの重要なイベントを全てすっ飛ばしたのは良くないと思いますね。

 他にも、せっかく中学登校初日から物語がスタートするというのに入学式や、クラスでの自己紹介など、新たな友人との出会いのシーンも全くありません。

 「話のテンポを良くする為」に、「面白くなりそうなシーン」までをも省いているように見えました。



【ストーリー・設定の批評】

 ここは何も評価できませんね。なにせ第5話までの時点で起きた事と言えば、主人公と幼馴染が初登校して、その日の晩に一緒に天体観測をして、2週間後に幼馴染が交通事故に遭った事だけですからね。

 殆ど何も起きていません。第5話のラストで、ようやく何かが起こりそうになっただけです。



【総評まとめ】

 作者さまには申し訳ない評価を下しますが、本作には「良い所が見当たらない」ですね。

 前回批評しました作品「この音が君に届く頃に。」より問題点は少なく感じましたが、それは本作が殆ど何も書いていないからです。(あくまで第5話までの話です)

 無いものを評価する事は、私には出来ません。

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