★0 スキル『竜殺し』を持っていたら竜の女の子と世界を救う事になった話


タイトル:スキル『竜殺し』を持っていたら竜の女の子と世界を救う事になった話

キャッチコピー:今まで虐げておいて……それは都合が良すぎないか?

作者:古朗伍

URL:https://kakuyomu.jp/works/16816927859261862671


評価:★0


【あらすじ】

誰もが一つはスキルを持つ異世界ファンタジア。

ジークも十五歳の頃に神託によりあるスキルを授かった。

スキルの名は『竜殺し』。それは聖剣バルムンクの主となり、ドラゴンと対峙した際にあらゆる恩恵を得るというもの。

しかし、現代においてドラゴンなど空想にしか出てこない存在であり、バルムンクも錆びた古剣だった。

スキルが活用出来る場はなく、適した職が見つからないまま家族からも見離され、底辺の生活を送る。

だがジークが20になった頃、一人の少女が夜空から降ってきた。


「もうじき、世界中でドラゴンが目を覚ます」


 空から現れた少女――ファブニールは世界が再びドラゴンに支配されると告げる。



【拝読したストーリーの流れ】

 本作にはプロローグがありましたので、第4話までを読んだ批評となります。

また、本作の作者である「古朗伍」様は、以前に批評させて頂いた『魔物から助けた弟子が美女剣士になって帰って来た話』の作者でもあります。



 だいたいは【あらすじ】で書かれている通りの内容です。

 使えない「はずれスキル」を授かった主人公「ジーク」は底辺生活を送り、そこに「ドラゴン」を名乗る少女「ファブニール」が落ちてくる。

 突然、圧倒的な強さで攻撃を仕掛けてくる「ファブニール」に、「ジーク」のスキルが発動し……、という典型的な「はずれスキル覚醒からのオレTueee」だと思います。違いがあるとすれば、第4話の時点では無双はしていないように見える事でしょうか。



【タイトル・キャッチコピーの批評】

 典型的な説明文タイトルですね。分かり易いのは良いと思います。

 ただやはり、同系作品との差別化が全く出来ていないと思います。タイトルからは「この作品独自の魅力」のようなものは感じられませんでした。

 文末の勢いが無いのも、この手のタイトルとしては欠点に映りました。



 キャッチコピーですが、恐らく作中キャラのセリフだと思います。

 ですが、誰のセリフなのかが分かりません。第4話まで読んでも分からなかったので(主人公かヒロインのどちらかだとは思いますが)、未読の読者には見当もつかないでしょう。

 また「キメ台詞」としても弱く感じ、この一文だけを見て作品に興味の惹かれる読者は少ないのではないでしょうか。



【キャラクターの批評】

 キャラクターですが、主人公を除くキャラたちは、読者への説明が不足した状態で会話を進めるので評価が難しいです。ですので、主人公のみに絞って批評をさせて頂きます。


 その主人公ですが、「薄っぺらく」「人間的魅力に欠ける」と思います。

 主人公は底辺生活となっていますが、その原因は全て「はずれスキル」にあると思っている節があります。「この世界において」はそうなのでしょうが、「私たち読者の常識」ではそうは捉えられません。

 作中で「こんな世界……全部滅んでしまえ!」とまで思っていますが、共感するのはムリですね。



【文章・構成の批評】

 文章は比較的読み易いとは思いますが、優れているとは感じませんでした。


 一番問題に感じたのは「一人称と三人称の区別がつかない」事ですね。

 地の文は基本的に三人称で書かれているものと思われます。しかし時折、主人公の一人称のような文章が入ります。

 これでは視点がブレて、読みづらさを感じてしまいます。



 構成に関してなのですが、先程【キャラクターの批評】で書きましたが「読者への説明が不足した状態で話を進める」のが良くないと思います。

 おかげで、「主人公がなぜ戦っているのか」すら疑問に感じ、悪い意味で「先の展開が読めません」。


 序盤は「主人公の立ち位置」や「物語の目的」などを読者に分かり易く見せるのが先決だと思います。

 「世界の謎」や「各組織の思惑」などを見せるのは、もっと話が進んだ後の方が良いでしょう。



【ストーリー・設定の批評】

 最初に書きましたが、「はずれスキル覚醒からのオレTueee作品」のテンプレの域を出ていませんね。

 ただ一応、独自設定などを考えた形跡は窺えます。ただそれも「オリジナリティ」と呼べる程では無いと思いました。



【総評まとめ】

 残念ながら「よくある量産作品の1作」としか思えませんでした。

 「テンプレ」を基礎として作品を創るのなら、突出した個性が無いと目には留まらないと思います。本作には「それ」がありませんでしたね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る