★0 テレレッテッテレー!!人類は異能を獲得しました!!!


タイトル:テレレッテッテレー!!人類は異能を獲得しました!!!

キャッチコピー:個々の人生、個々の正義、群像劇型・組織間抗争

作者:!"#$%&'()=~|

URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330661283833564


評価:★0


【あらすじ】

1000人中1人に異能力が宿るようになった世界。

異能力は人類に夢を実現できるだけの力を授けるのだろうか?

それとも人間を蝕む滅びの概念となるのだろうか?


裏社会四大組織。

異能力者のみの社会を築き上げようとする『New humans』

異能力というモノを受け入れ絶対悪として君臨する『アガルタ』

異能力の全てを解明しこの世からの消滅を望む『異能学研究所』

異能力による違法ネットワークを築き日本全国に根を張っている『空の器』


世界規模で構成された異能犯罪抑止組織。

Disbandment of Extraordinary ability Armed Groups

通称DEAG。



【拝読したストーリーの流れ】

 本作には、本文の前に「この作品の注意点」というタイトルのエピソードがありました。これは作品の説明を行っただけの話でしたので、第5話までを読んだ批評とさせて頂きます。

 また、本作はタグに「群像劇」とあり、1人ずつ順番に主人公と視点を入れ替えるスタイルの構成となっております。私が読んだのは最初の「柚黄・百合」が主人公の5話までです。



 主人公「柚黄 百合」には生まれつき異能の力があった。それは「人の思考を読むことの出来る力」。

 小学校までは人を避けて生きてきた。しかし中学生の今は、能力を制御できるのでむやみに人の心を覗く事も無い。だけど2年生のある時、最悪の転機が訪れて……、といったお話でしょうか。



【タイトル・キャッチコピーの批評】

 タイトルは……、何と言うか、独創的ですね。

 間違いなく読者の目は引くと思います。ただ、目を引いた後、作品に興味を持ってもらえるかは疑問ですね。

 あくまで個人的にはですが……、タイトルを見て、作品内容に強い不安感を抱きました。



 キャッチコピーですが、こちらは作品形式の説明ですかね。あまり良くは無いと思います。

 「個々の人生、個々の正義」に関しては「群像劇」の一言で説明済みとも考えられます。改めて付け加えても効果は薄いのでは、と感じました。

 「組織間抗争」については、この一文で惹かれる読者がどれだけいるのかを疑問に感じましたね。



 タイトル・コピーの両方ともが、まるで「一般読者お断り」と言っているかのような雰囲気を感じました。

 「キャッチ」という意味では逆効果の様に思いましたね。



【キャラクターの批評】

 本作は一人称で語られ、主人公以外の人物には固有名称もありません。その為、最も重要なのは主人公である「柚黄 百合」ですね。


 主人公の造形自体はしっかりしていると思います。

 ただ、読者に好まれるキャラかと言えば、全くの逆であるとしか言いようがありませんね。

 この主人公は自虐的で、他責思考が強く、破滅願望があります。

 その経緯と、中学生という年齢設定を考えれば分からないでもありません。

 ですが、この様な主人公の視点で読み続けるのは、読者からすればストレスを感じるのではないでしょうか?



【文章・構成の批評】

 文章自体は読み易かったです。

 ただ地の文が「詩のような文章」で書かれています。ここは合う人と、合わない人で評価が大きく分かれると思います。


 タイトル・コピー、そしてキャラクターに続き、どんどん読者層の幅を狭くしているように感じますね。



 構成ですが、先ほど述べたように本作は主人公を1人1人、順番に書いているようです。

 その上でですが、最初に見せるキャラの選出を間違ったように感じてしまいましたね。


 これも先ほど言いましたが、最初の主人公である「柚黄 百合」は多くの読者に好かれるキャラクター性をしていないと思います。

 他の主人公たちがどのようなキャラかは分かりませんが、最初は多くの読者に好かれる主人公を見せた方が良かったと思いますね。



【ストーリー・設定の批評】

 ここは正直、「雑」だったとしか言いようがありませんね。


 まず第5話までの話で、主人公はどんどん不幸のどん底へと墜ちていきます。

 しかし、その不幸の原因に「異能力」はあまり関係なく感じます。(全くの無関係ではありませんが)

 「異能」の設定が無くても、同じストーリーは作れたと思いますね。


 そして、「心を読む」という能力を持つ主人公に対する周囲の扱いはあり得ないと感じました。

 異能を持つ人は、国に報告義務があるという設定です。その為、どの程度の範囲かは分かりませんが、主人公の能力は周知の事実です。中学校では隠していましたが、第1話でバレています。(その後も主人公は学校に通っています)

 こんな危険な能力を持つ人物、普通に学校に通えますか? 通わせますか?



【総評まとめ】

 何度も同じような事を書きましたが、「作者自らが、読者層の幅を狭めている」と感じました。


 それが作者さまの狙い通りだというのなら問題ないかとは思いますが、カクヨムに投稿されて、本批評企画に参加されたという事は「多くの読者に読んで欲しい」という願望をお持ちなのではないでしょうか?

 もしそういった気持ちがあるのなら、「独創性」の中にも「読者に寄り添う」作品作りが必要だと思います。

 もちろん、「必要以上に読者に媚びたり」「自分の書きたいものを捻じ曲げる」までする必要は無いと思いますが。

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