★1 世界最強の底辺ダンジョン配信者、TS転生した後に配信した結果あまりの強さと可愛さに大バズりしてしまう


タイトル:世界最強の底辺ダンジョン配信者、TS転生した後に配信した結果あまりの強さと可愛さに大バズりしてしまう

キャッチコピー:陰キャ男子高校生だった僕がTSし、ヤンデレ少女を助けて大バズりっ!?

作者:リヒト

URL:https://kakuyomu.jp/works/16818093073352571965


評価:★1


【あらすじ】

冥層。それは現代に突然現れたダンジョンの中で人類未踏の地として定められている階層のこと。

だが、そんな階層で一人の高校生である影入秋斗が激闘を繰り広げていた。地力では敵のドラゴンよりも勝っていたもの、幾つかのアクシデントが重なった為に秋斗はドラゴンと相打ちして、その命を閉ざしてしまう。

だが、その後に秋斗はまさかの美少女としてTS転生してしまう!?

元は唯の陰キャ。今は大人気陰キャ女子。

配信でも大バズり、女子高にまで通い始めることになった彼、もとい彼女の運命は如何にっ!



【拝読したストーリーの流れ】

 本作にはエピソードタイトルにナンバリングがされておりませんでしたが、本批評内では1話目を第1話、という風に呼称させて頂きます。



 よくある「現代ダンジョン配信もの」ですね。

 ダンジョン冥層でドラゴンと相打ちになった主人公が、気付けば地上に居て、女の子になっていた……、ということ以外は全てテンプレです。



【タイトル・キャッチコピーの批評】

 清々しい説明文タイトルです。

 この作品のストーリーと方向性、そして強みを余す事なく文章にしています。そういった意味では素晴らしい名付けと言えますね。


 欠点は、説明文タイトルを嫌う一定層がいる事と、作品独自の強みが無い事でしょうか。



 キャッチコピーはストーリーの補強になっていますね。

 「TS」「大バズリ」と2つの単語がタイトルと重複していますが、恐らく本作のウリだと思いますので、この重複は良い結果になるのではと思います。



 タイトル・コピー共に、この作品の内容を伝えて、読者を「キャッチ」するという意味で素晴らしい出来だと思います。

 ただ同系作品が多く、それらとの差別化が無いのが大きな欠点ですね。



【キャラクターの批評】

 キャラはコミカルで良いですが、「薄っぺらい」ですね。

 第5話までの時点では主人公以外のキャラは殆ど登場していないので主人公に絞って批評致しますが、まるで「物語の開始と同時に世界に誕生した」ような設定で、それ以前の主人公の生活が全く想像できません。


 作品設定の全体にも言える事ですが、キャラの設定は破綻しています。

 転生前の主人公は「前人未到のダンジョンの『冥層』を単独で攻略する『ダンジョン配信者』」です。しかし「その死に際ですら視聴者が1人しかいなかった底辺配信者」となっています。

 陰キャだとかの設定はありますが、「世界最高クラスの実力を持つ底辺配信者」という設定はムリがあり過ぎますね。


 これ以外にも全体的に稚拙で短絡的な設定しかありません。

 その為、主人公の行動も同様に稚拙で短絡的なものとなります。



【文章・構成の批評】

 文章は非常に読み易いですね。ただし、それは文章力が高いという事ではありません。それどころか稚拙な文章だと感じました。

 ただ、「web小説の読まれ易い書き方」をほぼ完璧になさっています。作風がコミカルなのも相まって非常に読み易かったです。


 しかし、たまに頑張って表現なされている文章があるのですが、そちらは文章力の無さが露呈してしまってますね。

 第1話から1文を例に挙げますと「道行く人の喧騒に道路を走る車の音が鳴り響く天より雨が降り注ぐ夜において」ですね。……何かの呪文でしょうか?



 構成の方も、実に「web読者に配慮したもの」となっております。

 非常にテンポがよく、文字数も1話2000字ほど。主人公の強さと活躍を見せ、ヒロインを登場させ、モブたちに主人公をヨイショさせる。

 全てにおいて完璧です。



【ストーリー・設定の批評】

 ここについては正直、語る事は無いですね。

 ストーリー・設定共に「現代ダンジョン配信もの」によくあるヤツです。


 設定は多くの矛盾を孕み、世界やキャラのバックボーンにはならず、面白さには貢献しておりません。

 あまり深くは説明されていませんが、恐らく今後も説明される事は無いのでは、と思います。



【総評まとめ】

 「現代ダンジョン配信ものテンプレ作品」としては非常に完成度は高いです。

 ただ私個人としては、本作には全く何の魅力も感じませんでした。



 最後に作品とは直接関係が無い事なので、これを書くのは気が引けたのですが……。

 勝手ながら本作の応援コメントを拝見いたしました。それを見て失礼とは存じておりますが、作者さまに言いたい事が2つあります。


 1つは、コメントに返信をしてあげて下さい。

 大量の応援コメントがありましたが、返信をされたものは殆どありませんでした。たとえ僅かでも文章を書くというのは大変です。他人に宛てたものなら気も遣います。コメントを書いてくれた読者だって頑張って書いてくれたんです。


 応援コメントを貰えたら嬉しいですよね? なら、ちゃんとお返しをしてあげて下さい。応援コメントに返信が無いと、「自分のコメントは読んでくれていない」とか「自分のコメントが作者を不快にさせてしまったのでは」と思っちゃいますよ。

 どうしても返信が出来ないのであれば、「コメントを許可しない」設定にする事をお勧めします。


 もう1つは、応援コメントへの数少ない返信の中に「書籍化したい」との気持ちが書かれてありました。

 作者さまにお尋ねしますが、本当にこの様なデッドコピー作品が書籍化して嬉しいのですか? それとも書籍化さえ出来れば、作品内容はどうでも良いのでしょうか?


 長々と説教の様な事を書いてしまい、誠に申し訳ございません。

 「謝るくらいなら最初から書くな」と思われたかも知れませんが、書かずにはいられませんでした。それは本作が、私が最も忌み嫌うタイプの作品だからです。

 ただ作者さまには、「最も忌み嫌う」としながらも、なぜ私が★1としたかの理由を考えて頂ければと願います。


 作者さまと共に、本文を目にされた読者の方々に再度、お詫び申し上げます。

 不快になるような文章を晒してしまい、誠に申し訳ございませんでした。

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