★- Dr.ダゴンのアナザー険究所


タイトル:Dr.ダゴンのアナザー険究所

キャッチコピー:私はダゴン=アシミノーク。『険究者』Dr.ダゴンと呼んでくれ

作者:章魚

URL:https://kakuyomu.jp/works/16816927862565306168


評価:★-


【あらすじ】

記録士が訪れたのは、怪しい「研究所」…いや『険究所』?

待っていたのは、自らをダゴン=アシミノークと名乗るこれまた怪しい所長。

Dr.ダゴンの口から語られる「アナザー」の物語をレポートした記録譚!



【拝読したストーリーの流れ】

 本作のジャンルは「SF」です。


 この作品は導入が少し特殊でして、主人公でもある「Dr.ダゴン」が語り部となって読者に話しかけてくる……、というシーンから始まります。

 内容は、「Dr.ダゴン」が体験した不思議な出来事をレポートして欲しいというもので、次話からはその「不思議な体験」が描かれてゆきます。



【タイトル・キャッチコピーの批評】

 タイトルは特徴的で良いと思います。

 キャッチコピーも、ただ主人公が自己紹介をしただけですが、特徴的な名前が目を引きます。


 ただし、両方ともに「作品内容が一切分からない」という欠点があります。

 今までにも似たような事は他作品の批評で書いてきましたが、本作は本当に内容が想像つきません。

 たとえ「目を引いて」も、それが得体のしれないものだったら読者は手に取る事は少ないでしょう。



【キャラクターの批評】

 本作のメインキャラクターは主人公1人だけなのですが、基本的なキャラ造形は良いと思います。


 しかし、前述したように本作は主人公が語り部となるパートと、主人公の追体験をするパートの2つに別れるのですが、それぞれの主人公の性格に違いを感じたのが気になりました。

 語り部の時はマッドサイエンティストじみた性格に感じるのですが、追体験の時はそれより比較的落ち着いた性格に感じます。(あくまで私の感想です。誤差の範囲とも言えますし、人によっては気にならないでしょう)


 主人公以外のキャラクターに関しては、完全に「サブキャラ」ですね。私はここに大きな問題を感じました。

 本作のような作品においては、エピソードごとの登場人物こそが「メインキャラクター」であり、主人公は「サブキャラクター」である方が良いと思います。

 主人公を「メイン」に置くのが悪いとは言いませんが、結果としてエピソード自体が「薄い」と私は感じてしまいました。



【文章・構成の批評】

 文章自体は基本的には読み易いのですが、所々に気になる部分があります。

 文頭の空白があったり無かったり、変な場所で半角の空白を入れていたり、キャラの名前に「さん」をつけたりつけなかったり……。

 読み易いのですが、及第点とはいきませんね。


 そして構成ですが、こちらは良いと思いますね。

 序章で主人公の自己紹介と読者への語りかけ。次からは3話をかけて少し長めのエピソード。そして1話のショートエピソードと、流れも悪くないと感じます。

 エピソードへの「入り」と「終わり」も良いですね。題材となるレポートで締めくくるのも完璧です。



【ストーリー・設定の批評】

 ストーリーは特に問題は無いと思いますが、設定には色々と思う所があります。


 まずはタイトルにもある「アナザー険究所」というものが分かり難いという事です。

 最初に主人公から説明されますが、ハッキリした事は全く分かりません。その上、その後に語られるエピソードの内容からは若干の齟齬を感じます。


 エピソードに入ってからは、余計な設定の描写が目立つように感じます。

 「〈know〉と書かれた扉」とは、何か意味があったのでしょうか? ただ「扉」と書くだけでは駄目だったのでしょうか?

 「STAGE」と「FLOOR」の2つを作ったのは何故でしょうか? 「STAGE」は必要だったのでしょうか?


 お話を考えていると色々な設定が思い浮かぶと思います。ですが、お話と関係ない設定や、面白さに繋がらない話は削ぎ落とすべきだと私は考えます。

 それらを記述する事で、ほぼ確実に読者は読み難くなり、作品への理解を阻害されるからです。



【総評まとめ】

 本作は「SF」で登録されていましたが、「ミステリー」や「ホラー」、または「現代ファンタジー」でもおかしくはない内容だと感じました。

 残念ですが、評価対象外です。

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