★0 その未来の先に何があるのか


タイトル:その未来の先に何があるのか

キャッチコピー:過去の清算を。その先に未来がある。

作者:春夏秋冬

URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330665841551156


評価:★0


【あらすじ】

7年前に起きた交通事故により両親を亡くした透は心に隙間を感じていた。そして命日の日に、同じく7年前に姿を消した友人である少女と再会する。その少女は血まみれで、少女が「研究員」と呼称するやつらに命を狙われていた。狙いは少女が持つ超能力の力である。透は彼らから少女を守るために奮闘することとなる。



【拝読したストーリーの流れ】

 本作には第0話がありましたので、第4話までを読んだ批評となります。



 私もストーリーの紹介を書こうと思ったのですが、作者さまの作られた【あらすじ】が作品の内容そのまま過ぎて、書ける事が無いですね。

 第0話~第4話までをかけて、【あらすじ】の内容が描写されていました。



【タイトル・キャッチコピーの批評】

 タイトルは良くないと感じました。

 理由は、他の参加作でもさんざん言ってきた事ですが「ジャンルが分からない」ということです。

 ジャンルが不明でも読者を惹き付けるようなワードがあれば良いのですが、それも感じられませんでした。


 キャッチコピーも同様です。


 このタイトルとコピーでは、読者はこの作品が「どんな作品なのか」を想像出来ません。

 内容が分からない商品を、皆さんは手に取りませんよね?



【キャラクターの批評】

 キャラは全体的に個性が薄く感じ、またセリフもいわゆる「説明台詞」のようなものが多く感じられます。

 その為、キャラ同士の掛け合いにも違和感を感じました。


 また、ヒロインの少女「イオル」が主人公「透」の事を「トオル」と呼ぶのですが、紛らわしかったですね。

 ここはもう少し、字面を変えた方が良かったでしょう。



【文章・構成の批評】

 文章は読み易いのですが、問題も多く感じました。


 まずは他の方々とは逆で、少し読点が多すぎて文章がうるさく感じました。


 そして説明や演出も、やや過剰に感じました。

 その為テンポが悪く、なかなか話が先に進みません。この辺りは好みもあるとは思いますが、私は多すぎると思いました。


 最後に、文章に違和感を感じる場面が多々ある事です。

 例えば「幼稚園の頃を思い出し、懐かしい気分に襲われた」とありましたが、ここは「気分に襲われた」よりも「気分が甦った」の方が良いと思います。

 意味は殆ど同じですが、文面から感じる感情が全然違うと思います。


 そして構成ですが、あまりよろしくないですね。

 まず一番問題だと感じたのが、序盤に開示されない情報が多すぎます。

 もちろん伏線として隠したい情報もあるのでしょうが、3、4話で回収される伏線とも言えないような話まで隠されています。

 読者からすれば「良く分からないままストーリーが進行する話」にしかなっていません。


 そして、第4話で一気に情報開示をしすぎです。

 その為キャラのセリフが全て「説明台詞」にしか聞こえませんでした。

 話の流れも無理矢理感を感じましたし、開示する情報が多すぎて説明もおざなりだと感じました。


 最後は細かいですが、要らない話が挟んである事ですね。

 これを感じたのは第2話の墓参りの帰りですが、「本屋に立ち寄る」~「叔父の電話」までの話は、第4話まで拝読した限りでは不要なエピソードです。

 もちろん、間に出てきた友人や叔父の、顔見せや伏線などがあるのかも知れませんが、必要な時に登場させる方が良かったのではと思います。

 少なくとも「本屋に立ち寄る」は要らないですよね? 全く次の話に繋がってませんし、伏線になるとも思えません。(もし伏線だったらゴメンナサイ)


 私も少し前まで勘違いをしていた事ですが、同じ内容の話なら「文字数が少ない方が良い」のです。

 理由はもちろん、少ない方が読者が読み易いからです。

 雰囲気を損なってまで文字を削る必要は無いと思いますが、ストーリー進行に関係の無い話は少なくした方が良いでしょう。

(日常回などの、1話まるまる使った話は別だと思います。賛否あるとは思いますが、私はこれは必要だと思います)



【ストーリー・設定の批評】

 こちらは良い雰囲気に感じました。

 少しベタで、ありきたりな感もしましたが、頑張って考えた感は伝わってきました。ただ、もう少しオリジナリティがあった方が良かったとは思いますね。


 それと細かいツッコミなのですが、両親が死んだ交通事故の事を「あの事故による死傷者は合わせて三十人を超えている。普通に考えてありえない現象だった」と書かれていましたが、wikiによると「186台による玉突き事故」が1992年に実際に起きていたそうです。

 こちらは「死者は2名」ですが、「重軽傷者は100名」を越えており、「ありえない現象」とまでは言えないのでは? と、思ってしまいました。


 何をもって「ありえない」のか、そこの説明をするべきだったのではと思います。

(説明が無い為、死傷者の数でしか判断が出来ませんでした)



【総評まとめ】

 恐らく作者さまは、お話や設定を考え、文章を書くのがお好きなのだと思います。文面から、そのような事が感じ取れました。

 しかし、「話の組み立て」と「開示すべき情報と秘匿すべき情報の選別」などが特に出来ていないように感じました。


 「プロット」はお作りになられているでしょうか? もし作らずに書いておられたのなら、作ってみる事をオススメします。

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