★0 コンビニだよね?
タイトル:コンビニだよね?
キャッチコピー:コンビニ転移〜ひっそり営業中・店主は何も考えてません 店長に丸投げ経営
作者:らくしゅ
URL:https://kakuyomu.jp/works/1177354055259937317
評価:★0
【あらすじ】
読み専が、コンビニ+異世界作品に刺激を貰い~勢いで書き始めました。
親から受け継いだ遺産は、借金と古いコンビニ・強制的にオーナーを引き継ぎ眠れないまま布団の中で横になる。針先にも満たない光に導かれ異世界のはざまでコンビニ店長に
なった女は呟く~コンビニだよね?時系列はバラバラで掲載します。
【拝読したストーリーの流れ】
本作はプロローグに当たる話が2話ありましたので、第3話までを読んだ批評とさせて頂きます。
主人公「鈴木花桜」は、コンビニ経営をしていた父親を過労で亡くし、経営を引き継ぐ。しかし、そのコンビニの廃棄寸前だったレジスターは付喪神となり、異世界でコンビニ経営をする……、話だと思います。
【タイトル・キャッチコピーの批評】
シンプルですが、私はあまり良いとは感じません。
このタイトルだけでは、ジャンルがハッキリとしないからです。本作は「異世界ファンタジー」になりますが、「現代ドラマ」や「恋愛」ジャンルでもおかしくないですよね?
ただ、キャッチコピーの方でそちらは補完されていますので良いとしましょう。(個人的にはタイトルだけで完結させた方が良いと思います)
しかしコピーに「店主」と「店長」の2人が登場しているのは、コンビニ経営に詳しくない読者に混乱を与える可能性が懸念されます。
確かにコンビニには「店主」と「店長」が別々に存在している店が多いとは思いますが、それは一般的な知識とは思えません。(私はコンビニバイトの経験がありました)
知らない読者には「どういう事だ?」とか「誤字かな?」と思われるのではないでしょうか。
【キャラクターの批評】
まず、主人公の名前の紹介が特殊過ぎます。
プロローグの2話目(?)のタイトルと、その文中のラスト2行目で唐突に「花桜」の名前だけを出されても、それが主人公の名前だとは認識できませんでした。
そして、正式に名前が分かったのは第3話のラストで主人公が自己紹介をする事で、初めて私は主人公の名前を認識できました。
その主人公の名前ですが、私は読み方が分かりませんでした。
調べる事で「カオ」だと知りましたが、あまり一般的な名前ではないですよね?(違ったならスミマセン) こういった名前には、せめて最初の一文くらいにはルビを振った方が良いと思います。
そして第1話から登場する、(恐らく)異世界での初めての客となるジノですが、設定と行動に無理があり過ぎますね。
物語の都合もあるのも理解は出来ますが、コンビニ(?)店員として出てくる自動人形に対して、危機感も無く言われるがまま過ぎますし、何よりスムーズにお風呂に入っているシーンは違和感しか感じませんでした。
ジノは犯罪奴隷なんですよね?
それが湯船につかる前に3回もシャンプーで身体を洗う様は、風呂に当たり前に入れる身分であったとしか思えません。
第4話以降でこの矛盾は解消されるのかも知れませんが、第3話の時点ではおかしいとしか思えませんでした。
【文章・構成の批評】
この作品、文章にとんでもない欠陥があります。
それは読点の位置があまりにおかしく、なぜか中点(「・」の事)を読点の代わりのように多用する事です。そのおかげで読み難くて仕方ありませんでした。
例として1つ挙げさせて頂きます。
「明かりが、付いていないコンビニの裏側・青いシートで、覆われた。」
……怪文書にしか見えません。
特に酷い箇所を挙げさせては貰いましたが、このレベルよりはもう少しマシ程度の文章が全編にわたって書かれています。
先日、文章について「最低クラスの出来」と酷評した作品がございましたが、本作はそれ以下です。
読点と中点を除けば、まだ読めなくもない文章なので、作者さまにはこの点を見直す事を強くお勧めします。
……それでも読むのにはストレスを感じるレベルですが。
構成にも問題があるように感じますね。
プロローグの1話目でレジの付喪神。プロローグの2話目で父を亡くした主人公。そして第1話からは異世界の最初の客。という構成なのですが、視点が変わり過ぎです。
物語の最初の段階でこうも視点がコロコロ変わると、読者は読み難くて仕方ありません。
そして主人公の話がキリが悪く、その後の存在感が全く無かったのも問題だと感じます。
更に、ジノが登場してからの話のテンポが悪いのも良くないと思いますね。
第1話でコンビニを見つけ、会員登録。第2話で所持品の売却と宿泊。第3話で風呂に入り就寝。
話の展開が遅すぎると感じました。1話が2000字前後だという事を考えても遅すぎます。
話の展開が遅くても、それに代わる「面白さ」があれば良いのですが、私にはそれは感じる事が出来ませんでした。
【ストーリー・設定の批評】
ストーリーですが、大筋は問題無いと思います。
恐らくですが、コンビニごと異世界へと渡った主人公が現地で文明チートをする作品だと思います。
何の新鮮味も無い話ですが、そもそもストーリーに個性が出る所まで読めていませんからね。
そして設定ですが……。コンビニ、ではないですよね?
上記の批評を読んで違和感を感じた方もいらっしゃると思いますが、本作のコンビニは「物の買い取り」「宿泊」が出来て、「会員登録」による「ポイント」で売買をします。
少なくとも、私の知っているコンビニではありません。
タイトルが「コンビニだよね?」と、疑問形だからといって最初からコンビニから逸脱するのは良い手法とは言えないでしょう。
タグに「進化するコンビニ」とありますが、それなら言葉の通りにストーリーの中で進化させましょうよ? 最初から「進化したコンビニ」を見せてどうするんですか?
【総評まとめ】
この作品には多数の問題を感じましたが、それでも言える事はただ1つです。
「読点と中点の、変なクセを直しましょう」
きっとこれだけで「読む事が苦痛で困難な作品」から「ただの読み難くて面白くない作品」に変わります。
読み易くするのも、作品を面白くするのも、その後です。
このクセが直らないと、きっと面白い作品なんて作れませんよ?
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