★2 妖奇譚
タイトル:妖奇譚
キャッチコピー:【妖】妖が跋扈していた最後の時代、若き式術使いは何を望むか【魔学】
作者:ばうお
URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330655211898143
評価:★2
【あらすじ】
時は現代。
息苦しさに真綿で首を絞められるような時代。
おかしいと思わないだろうか?
ほんの百数十年前には神や悪魔が跋扈していたと、爺さんの爺さん達は伝えているのに。
答えは簡単だ。ある時から、星の祝福である氣が薄くなったからである。
ほんの100年前の時代には今では薄くなってしまった氣が、この星には満ち溢れていた。
では何故、氣は薄くなり神や悪魔はいなくなったのか……
これは今より少し前、大正と言われるまだ氣が満ちていた頃のお話。
科学と対になる学問、魔学が同じように発展していた最後の時代のお話。
そして、何故 氣が薄くなったのかを知るお話。
【拝読したストーリーの流れ】
本作は第3話までしか投稿されていませんので、批評内容も第3話までのものとなります。
時は大正時代。現代とは違い、科学と同様に魔学も1つの学問として存在していた時代の物語。
生まれつき気を使う能力に長ける主人公「平田清」。式術を扱う家に生まれた主人公は、1年前に神隠しの調査の依頼を受けた。その原因であった「鬼」は強力で、その場を凌ぐ為に「邪法」を使ってしまう。
その邪法とは、鬼を式とするものだった……、といったお話です。
【タイトル・キャッチコピーの批評】
タイトルは非常にシンプルです。
シンプル過ぎて情報量が少ないですね。これでは「妖怪」が出る事くらいしか分かりません。
いわゆる「説明文タイトル」が嫌いなのかも知れませんが、もう少し読者に情報を与えた方が良いと思います。
そしてキャッチコピーですが、まず文の前後にある【妖】【魔学】の文字の意味が私には分かりませんでした。
何かしらの意図があるのだろうとは思いますが、多くの読者にもその意味は分からないのでは、と思います。
そしてそれを抜きにしてコピーを見た場合、インパクトに欠けますね。
まず前半の「妖が跋扈していた最後の時代」ですが、タグには「大正時代」とあるものの、読者がそこまで見てくれるとは限りません。
この文章自体はカッコいいと思うのですが、そこから伝わる情報が弱く感じました。
そして後半の「若き式術使いは何を望むか」ですが、こちらはあまり良いとは感じませんでした。
コピーを読む時点で、読者の作品への知識はゼロだと考えるべきです。ここで読者に伝えるべきは「何かを望んでいる主人公」ではなく、「主人公が何をするのか」ではないでしょうか。
【キャラクターの批評】
非常に良く出来ていると思います。
回想で主人公の過去のエピソードを伝え、十分に深堀されています。
サブキャラクターの深堀は少ないですが、3話という点を考えれば仕方ないでしょう。むしろ、よく個性が表現できていました。
そして主人公の相棒(?)となる式の「夜叉」も良いですね。
少ない登場ながらも、主人公との掛け合いが楽しくなりそうなキャラクターをしています。
【文章・構成の批評】
文章は非常にキレイで読み易いです。
特に漢字が連続する文章の場合、漢字の間に半角スペースを入れていたのには感心しました。これは読者に読み易くする為の素晴らしい気遣いですね。
ただ、「大正時代」という時代設定と「妖怪もの」という題材から、あまり見慣れない単語が出てくるのにルビが振られていないのは残念でしたね。「荒魂」や「和魂」をスラスラ読めるのはメ〇テンプレイヤーくらいではないでしょうか。
とはいえ、それほど難しい言葉が使われている訳ではなかったので読むのには苦労しませんでした。が、だからこそ逆に上記の様な単語くらいはルビが欲しかったですね。
構成に関しては、序盤から回想ばかりというのは多くの読者には受けないだろうな、と感じました。
本作は第3話まで、ほぼ全てが回想です。特に第1話で長々と主人公の回想と設定の説明を続けられるのは、多くの読者が離れてしまう原因になると思われます。
【ストーリー・設定の批評】
ストーリーと設定は良いですね。
大正時代という設定も上手く表現され、妖怪や異能者の設定も不自然なく創られていると思います。
主人公と「夜叉」の設定も素晴らしく、今後の活躍や関係の深まり、そして結末など、期待感の持てる設定です。
【総評まとめ】
実は、本作の公開日は2023年4月と約1年前となっております。一応「連載中」となっており、放置はされていないようですが第4話が投稿されるのかは分かりません。
個人的には「せっかく面白そうな、作り込まれた作品なのに勿体ない」とは思いますが、恐らくはweb小説では人気が出なかったのだと思います。(3月28日時点で、97PVです)
作者さまの他作品には大人気の作品があるようですので、そちらに注力されているのでしょうね。
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