★0 春が似合わない僕らの話
タイトル:春が似合わない僕らの話
キャッチコピー:「別れと出会いの季節やなぁ」「そんなもん、僕ら高一に大して無いやろ」
作者:井坂ゆうき
URL:https://kakuyomu.jp/works/16818093072853141254
評価:★0
【あらすじ】
【拝読したストーリーの流れ】
本作は、1話完結の短編です。
また、あらすじが空白なのはミスではありません。本作には、あらすじは設定されていませんでした。
日々、勉強に追われる主人公の「平野」と、ヤンキーの「木谷」の関係を描いた友情物語です。
【タイトル・キャッチコピーの批評】
タイトルは個人的には嫌いではありません。しかし、web小説という媒体においては良くありません。
まず問題は、このタイトルを見ても作品内容が想像できない事です。これでは「恋愛もの」でもおかしくないですよね?
そして、やはり読者へのヒキが弱いです。
キャッチコピーも同様です。
セリフの一言目が女性でもおかしくないですし、やはり「恋愛もの」との区別はつきません。
タイトルと同じく、読者のキャッチも出来ていませんね。
【キャラクターの批評】
キャラの造形は良いです。
ガリ勉とヤンキーの友情ものというベタな設定ですが、これもまた王道ですし、素直に作られた良いキャラだと思います。
ただ、関西弁を使う必要は無かったのでは、と思います。
キャラ付けに、もしくは舞台設定の上で必要があってなら良いと思いますが、そうでないなら素直に標準語を喋らせた方が、多くの読者には馴染みやすいでしょう。
【文章・構成の批評】
文章は基準を超えています。
が、やはり本作も改行と空行が少ないです。地の文が続く限りは空行を設けられていないので、数十行びっしりと文字が埋まっている箇所があります。
そのせいで読みづらく、また読む気を失くさせます。
構成については、「このストーリー」なら悪くないと思います。
というのも、私はこのストーリーはあまり良いとは思っていません。しかし、「このストーリー」を使うのなら、この構成が良い塩梅なのだろうな、とは思いました。
【ストーリー・設定の批評】
そしてストーリーですね。
一言で言って、「読者に訴えかけるものが弱い」です。
主人公とヤンキーの友情物語だと思うのですが、大きなイベントは無く、何となく2人の仲が縮まった様な気がして終わってしまいます。
これではラストシーンも「あぁ、そうなんだ」とか「まぁ、そんなもんだよね」みたいな感想しか生まれず、共感も感動も、喪失感も生まれません。
何となく終わるだけの作品は、作中の「彼」と同様にすぐに忘れ去られてしまいますよ?
……作中の「彼」と同じように、作者だけが覚えていればいいと言われるのでしたら、何も言いませんけど。
【総評まとめ】
キャラが良いだけに惜しい作品ですね。
表現力も良く、2人の距離が縮まる様子も丁寧に書かれていました。なのに、それだけで終わってしまいます。
作者さまは「読者をこんな気持ちにさせてやろう」なんて事を考えてストーリーを考えられれば良いと思いますね。
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