★2 妄想科学神話フォーマルハウト


タイトル:妄想科学神話フォーマルハウト

キャッチコピー:クトゥルフ神話×伝奇ジュブナイル×変身ヒーロー

作者:あつ犬

URL:https://kakuyomu.jp/works/16818093073703423936


評価:★2


【あらすじ】

17歳になる高校生、永門 銀次郎は奇妙な夢を見た。

自身が怪物に変貌し、人を虐殺するという夢。

その夢をみた夜を皮切りに、彼の日常は壊れだす。

不可解な仕方で行われる殺人事件、身体に浮かぶ奇妙な痣。


「星辰は揃ってしまった。君が戦わないなら、人類皆で心中するしかない」。



【拝読したストーリーの流れ】

 本作は批評の執筆時点(3月19日)で、第2話までしか投稿されておりません。よって、批評内容も第2話までのものとさせて頂きます。


 本作は現代日本を舞台とした、ダークファンタジーですね。

 またクトゥルフ色が強く、そちらが好みの方には楽しめると思います。(私はクトゥルフはあまり詳しくありませんが)


 3年ぶりに起きた、怪奇殺人。なぜか、自分がバケモノとなる夢を見る主人公「永門 銀次郎」。

 次第に日常はひび割れて行き、ある日、限界を迎えた――、と言ったお話でしょうか。



【タイトル・キャッチコピーの批評】

 このタイトルは良くありません。

 あまりにも作風と、タイトルから受けるイメージが掛け離れています。早急に変更しましょう。


 キャッチコピーも良くありません。

 これでは作品ジャンルを羅列しただけです。あなたは「冒険ファンタジー」とだけ書かれた小説を手に取りますか?


 web小説においては、この2つが一般書籍で言う「表紙」にあたります。

 ここで読者の興味を惹くタイトルとコピーが用意できなければ、絶対に読者はつきません。(残念な事ですが……)

 人によっては、作品内容よりも重要だと言われる部分です。もっと良いタイトルとコピーを考えてあげて下さい。



【キャラクターの批評】

 キャラの造形は素晴らしいです。

 基本的には主人公「銀次郎」とヒロイン「乃愛」の2人が中心ですが、サブキャラクターたちも短い登場ながら役割がハッキリしており、キャラのブレを全く感じません。


 主人公とヒロインの関係性も良く描かれ、まるで往年のラブコメのような雰囲気です。その姉弟のような関係性も良いですね。

 ただ、主人公が「ヒロインのお世話に甘えすぎ」に感じる部分もあり、もしかすると主人公に嫌悪感を抱く読者もいるかも知れませんね。(気にする程ではないと思いますが)



【文章・構成の批評】

 文章は非常にキレイで読み易かったですね。

 雰囲気も良く出ていて、かなりレベルは高いと感じました。


 ただ時々、言葉の意味が怪しくなる表現もあり、例えば「揺蕩う月光」とはどんな感じなのでしょうか? 私は月明りが揺らめいていると感じた事はないのですが。


 あとは、謎の改行もたまに見られます。

 文章の途中で、突然改行されているので戸惑ってしまいます。恐らくミスだとは思いますので、修正した方が良いでしょう。


 そして、結構難しい漢字が多用されるのですが、ルビが振られていないのは不親切ですね。自分が読めるからと、読者も読めるだろうとは思わない方が良いです。


 そして構成ですが、ここに大問題があります。

 先に述べたように、本作は現在2話しかないのですが、その文字数は35000文字です。第1話が13000文字、第2話が22000文字ですね。


 あまりにも長すぎます。いきなりこれでは、読者は読み進めようとは思わないでしょう。(1話の適切な長さについては諸説ありますが3000~7000文字くらいと聞いた事があります)

 拝読した所、途中で切る場面が無かったようにも感じなかったので、ここは7、8話くらいに分割した方が良いです。



【ストーリー・設定の批評】

 こちらはどちらも素晴らしいですね。

 ありきたりな設定と展開ではありますが、王道であるとも言えます。

 そしてオリジナリティと、今後への伏線や謎など、先が気になるような話作りも出来ています。

 先程も書いた通り、クトゥルフ色が強いので、好きな読者には刺さると思いますし、私のように知らない読者にも楽しめる作りになっていました。



【総評まとめ】

 この小説……、というより作者さまに一言申し上げます。

 「web小説のルールを勉強しよう」ですね。


 本作は非常にレベルの高い作品と感じました。

 しかしPV数は私を含めて9です。これは15日に投稿したばかりで4日しか経っていないにしても低すぎます。

 その原因は作品そのものにあるのではなく、作者さまがweb小説のルールを知らないからです。


 作者さまに申し上げます。

 「この作品は十分に面白いです。ですが、この作品が読まれないのは親である、あなたの責任です。どうか、我が子を助けてあげて下さい」


 ……私はこの作品のPV数を見て、悲しくなりました。

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