★0 魔王城の内見
タイトル:魔王城の内見
キャッチコピー:【祝2835位】この城も部下が多くなってきたな……よし、引っ越すか!!
作者:零二89号
URL:https://kakuyomu.jp/works/16818093073233324221
評価:★0
【あらすじ】
ここは魔界、そこでは魔王と呼ばれる男がいた。男は手下を従え魔王城に住んでいた、だが手下が増えすぎた結果魔王城が部下で溢れかえる事になり、魔王は引っ越す事を決意した。
【拝読したストーリーの流れ】
本作は1話完結の短編です。
手狭になった魔王城から引っ越す為、不動産屋へ行き、3つの物件の案内を受ける魔王。
1件目はなんと祖父の城。2件目も父の城。そして3件目で事件が……、といったお話です。
【タイトル・キャッチコピーの批評】
タイトルは良いですね。短く簡潔ながらも、強烈な違和感が興味をそそります。
ここは文句なく良い出来だと思います。
対してキャッチコピーは、あまり良いとは思いません。
セリフと作中の描写に若干の齟齬がありますし、その内容にも目新しいものも感じられず興味を惹きません。
そして順位を紹介しているのですが、これは効果があるのでしょうか?
仮に順位を乗せる事自体には意味があったとしても、2800位では効果は無いと思います。
【キャラクターの批評】
主な登場人物は3人。主人公である「魔王」、側近の「セバス」、不動産屋の案内人「ハルミ」です。
まず「セバス」のキャラは良いと思います。
「魔王」との会話でストーリーの進行を助ける、良いサブキャラです。あまり個性はありませんが……。
そして「魔王」ですが、若干のキャラのブレを感じました。
最初は魔王らしい尊大な喋り方をしていたのですが、だんだんと口調が砕けていき、魔王らしい威厳は無くなります。
「ハルミ」は完全に舞台装置ですね。
作者の都合により行動させられた「操り人形」です。このキャラに人格は感じませんでした。
【文章・構成の批評】
ジャンルが基本的にコメディである事もあってか、文章は読み易いです。
改行、空行なども適度に行われ、難解な表現もありません。ただ、セリフの前後に空行が無い箇所が多く、そこは若干の読みづらさを感じるでしょうか。
そして、何ヵ所か誤字脱字があり、特に酷かったのは「見るkとにするよ」というセリフですね。
よくあるタイプミスですが、投稿する前に読み返せばすぐに気付けたでしょう。
このレベルのミスをすると「この作者は投稿前の読み返しをしていない」と思われても仕方ありませんよ?
構成ですが……、ここでは言及しません。
なぜならば、この作品の問題点は構成以前のストーリーにあるからです。
【ストーリー・設定の批評】
序盤はコメディな雰囲気で進行していきます。「魔王の内見」というタイトルからも、その空気に違和感はなく、面白おかしく物件の内見を進めていきます。
正直、ここまでは良かったと思います。
ところが終盤で唐突にシリアスな展開になってしまいます。伏線も何も無く、本当に唐突です。その理由付けも、陳腐としか言いようがありませんでした。
その展開には説得力も、面白さもありません。結末も残念な出来でしたね。
作者的には「どんでん返し」を狙ったつもりなのでしょうが、ただ急展開にするだけでは面白くはなりません。
「どんでん返し」を狙うのなら、内見の1件目が祖父の城、2件目が父の城ときたのですから、3件目ではこんな城が――、といった形で狙った方が良かったでしょう。
設定に関しては、ツッコミどころは多いですが、コメディなら気にするのは野暮だろうと思います。
そもそも、「魔王が引っ越しの内見をする」という所からツッコミどころがありますからね。
【総評まとめ】
総評としては「思いついたままに書いて、それを作品と呼ぶのはやめましょう」ですね。
ストーリーと構成の甘さ、キャラのブレ方、誤字脱字などから、作者さまが勢いで書かれた事が予想されます。(違ってたらゴメンナサイっ)
とにかく、作品への煮詰め方が甘いです。これではアイディアが良くても面白くは仕上がりません。
美味しく(面白く)食べる(読む)事が出来て、始めて料理(作品)と呼べるのですよ?
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