11~20作品の批評

★0 もう一度きみと話せたら


タイトル:もう一度きみと話せたら

キャッチコピー:好きって君に伝えたい

作者:アールケイ

URL:https://kakuyomu.jp/works/1177354055569096079


評価:★0


【あらすじ】

 平凡でつまらない人生を送ると思ってた。

 けど、ある日私はラブレターをもらい、彼と付き合うことになった。

 そんな私と彼は少しづつ関係を縮めていった。

 ある日が訪れるまでは──。



【拝読したストーリーの流れ】

 この作品は1話完結の短編です。


 自分の青春には恋愛が足りないと考える主人公「架音」。

 そんな彼女の元にラブレターが届く。相手は見知らぬ男子生徒だったが、「架音」は告白を受け入れ、2人は付き合う事に。

 そんなある日、デートの最中に事故に巻き込まれ……、といったお話です。



【タイトル・キャッチコピーの批評】

 タイトルは切ない雰囲気が出ていて良いですね。

 ただやはり、web小説という媒体では地味ですね。読者の興味を惹く事は難しいでしょう。


 キャッチコピーも全く同様です。

 更に内容としてはタイトルとほぼ同じ事を言っているのですから、コピーの意味がありません。



【キャラクターの批評】

 本作の登場キャラは3名です。主人公の「雨露架音」、友人の「空乃」、彼氏の「音無幻」です。


 本作は一人称で書かれていて、主人公視点で物語が進むのも相まって、友人と彼氏のキャラは弱いです。友人は空気、彼氏は殆ど舞台装置ですね。


 そして主人公なんですが……、不快なキャラですね。

 自分の青春に不満を持つ、というのは良いでしょう。思春期にはありがちな悩みと言えますし、むしろ共感すら覚えます。


 しかし、その後ラブレターを貰って指定の場所まで行くと、彼氏の告白を遮り、付き合う事に。しかもその時のセリフが「私はあなたに関心なんてない。それでいいなら、いいよ」です。

 この上から目線、不快ですね。(お前が言うなって? ごもっともです)


 それも終盤を盛り上げる為に「一度落とす」という手法だったなら良かったのですが、主人公は最後にもう一度、読者を不快にさせます。(ネタバレになるので詳しくは書きません)


 ハッキリ申し上げて、ここまで不快な主人公は珍しいですね。

 あえて主人公を不快なキャラに設定したのなら、他のキャラを読者に好かれるように作らなければなりません。

 しかし本作は、先ほど申し上げた通り、他には空気と舞台装置しかいません。

 私の、本作のキャラに対する評価は0です。



【文章・構成の批評】

 文章は読み易くキレイです……が、表現力が全くありません。

 冒頭の、自分の青春に不満を持っている描写は良かったのですが、それ以降は殆ど心理描写はなされず、ただ起こった事実を主人公目線で語っているだけの表現が大半を占めます。


 特に「雰囲気」や「間」を表現されるのが苦手なのか、恋愛ものの見せ場となる筈の告白シーンも淡々と進みます。


 そして心理描写がされていないので、主人公の行動にも違和感が目立ちます。

 主人公は不可解な行動を取るのですが「何でそうしたのか?」が読者に伝わっていません。これは主人公を不快に思わせる一因でもあります。


 構成の大筋は問題無いと思います。

 ただ、友人のくだりはいらないと思いましたね。どうせ空気ですし、無駄に文章量が増えただけです。

 最後のシーンで主人公に話しかけるのも、別に母親とか誰でもいいでしょう?



【ストーリー・設定の批評】

 ストーリー自体は悪くないです。ですが、不快な主人公が全て台無しにしています。

 不快な主人公が悲劇のヒロインヅラしても、読者は同情しませんよ?


 設定は言及しません。

 普通の高校生が恋愛する、というだけの設定です。



【総評まとめ】

 とにもかくにも、「不快な主人公を何とかしろ」ですね。

 主人公とは、一番読者の目線に近いキャラです。(例外はありますが)

 そのキャラがこれだけ不愉快な造形をしていては、面白い作品なんて作れません。

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