★0 最強の結末(選択式)~あなたの納得する終わりとは~


タイトル:最強の結末(選択式)~あなたの納得する終わりとは~

キャッチコピー:異世界好きに送る性格診断のような物語の結末選択

作者:グリムるろーニキ

URL:https://kakuyomu.jp/works/16818023213963918481


評価:★0


【あらすじ】

最強主人公の終わりをご都合抜きで真剣に考えたい。

あなたはどんな終わりを望みますか?

選択先にENDが出たらそこで終了ですが、気に入らなければ別の選択肢に進んでみましょう



【拝読したストーリーの流れ】

 この作品は、通常の作品とは違いゲームブック形式を取っています。

※ゲームブックとは、読者に物語の中で複数の選択を迫り、読み進めていく作品です。例えば、選択肢A・Bがあり、Aなら○○ページへ、Bなら△△ページへ、といった具合です。


 また本作は、本批評の執筆時点で4話までしか投稿されていませんので、批評内容も4話までのものとなります。


 ストーリーとしては、「最強無双テンプレ」により世界を救った状態から物語が始まる、いわゆる後日譚的なお話です。



【タイトル・キャッチコピーの批評】

 本作はタイトルとキャッチコピーの両方を同時に批評させて頂きます。


 ここで大問題なのは、どちらを見ても本作がゲームブックだとは分からない点です。「(選択式)」や、「性格診断のような」などと書かれてありますが、これだけで推測するのは難しいでしょう。

 「あなた」というのも、通常は「物語の主人公」の事と思います。まさか「読者」の事だなどとは思わないでしょう。


 今時の若い方にはゲームブックでは通じないだろうという配慮だとは思いますが、これではゲームブックを知っている方にも通じません。

 読者を集める効果以前の問題だと思いました。



【キャラクターの批評】

 特殊な形式の作品ですので、こちらの評価は難しいですね。

 明確に登場する人物も少なく、セリフも描写も殆どありません。

 本作におけるキャラクターとは、ただの舞台装置です。

 一番重要な主人公は「読者自身」ですし。



【文章・構成の批評】

 文章は淡白で、「あなたは~~です。どうしますか?」のように書かれています。

 空行が殆どありませんが、余計な描写の一切を省いているので読みにくいという事は無いでしょう。

 逆に、文章自体に面白みはありませんが。


 そして構成ですが、こちらはゲームブックという性質も相まって難しいですね。

 本来、ゲームブックの楽しみ方は多数の選択肢で有利になったり、不利になったり、時にはバッドエンドになったり、エンディングが分岐したりするのが醍醐味です。

 ですが本作は現状、4話までしか出来ておらず、1話で状況説明と選択、残りの3話の内、2話はバッドエンドです。

 これでは分岐ではなく、正解を当てるゲームになっています。


 そして2話以降、必ず最後に入れられている一文「あなたはこの結末をどう思いましたか? 是非教えてください。」これには不快感を感じました。

 実は先ほど書いた正解の1話。そこでも更に選択が迫られ、その話の内に不正解の方はバッドエンドとなります。

 バッドエンドの後に作者から「どう思いましたか?」って、煽ってるんですか?



【ストーリー・設定の批評】

 ストーリー・設定、共に面白みはありません。が、これは読者に理解し易いという点では良い事です。

 元々、この作品の面白さにストーリーは関係ない、と割り切ってしまえば、そこまで気にする必要も無いでしょう。



【総評まとめ】

 最大の問題は、ゲームブックというジャンルの難しさですね。

 このジャンルを面白いものにする為には、膨大な量のルート分岐とフラグ管理が必須です。個人で面白いものに仕上げる為には、並大抵の努力では到底届かないでしょう。

 作者さまの奮闘に期待します。

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