★0 ファンファーレ!!


タイトル:ファンファーレ!!

キャッチコピー:紙まで燃えてしまいそうな熱すぎる新聞部員の物語―いや、武勇伝である。

作者:琥珀

URL:https://kakuyomu.jp/works/1177354054887945011


評価:★0


【あらすじ】

高校では文芸部に入り学校生活を楽しもうと決心していた神江鈴。晴れて高校へ入学するも、何と文芸部は既に廃部していた?!

部活は強制、文武両道のレッテルが貼られた虹葉高校で部活選びに戸惑う鈴。

そんな帰り道、校門で懸命に新聞を配る美しい先輩に出会い、鈴は叫んだ。


「私、新聞部に入る!決めた!!」


勢いで飛び込んだ虹葉高校新聞部の部員はこれまた個性的な人達だった。新聞部は体力勝負?!限界突破?!

ちょっと変わった部員達に振り回される、鈴の高校生活の幕が今上がる。


一瞬で過ぎ去っていく青春を生きる高校生達の物語。



【拝読したストーリーの流れ】

 だいたいは、あらすじで説明されている通りのお話ですね。

 物書きが趣味の主人公が文芸部に入部しようとしたら既に廃部してて、校内新聞を配っている先輩の容姿に憧れ、個性的な部員が集う新聞部に入部する、という流れです。



【タイトル・キャッチコピーの批評】

 タイトルの「ファンファーレ!!」ですが、こちらは作中の校内新聞の名称となっております。

 個人的には嫌いではないのですが、あまり良いタイトルとは言えませんね。

 このタイトルを見ても、読者はどんなお話か想像もできないでしょう。


 キャッチコピーは、そこまで悪くは無いですかね。

 タイトルで不明な作品内容を上手く説明できていると思います。


 反面、「キャッチ」という意味では弱いですね。

 作者の意気込みは感じるのですが、このコピーを見て期待感が持てるかというと、難しいと思います。

 また、5話までの時点でコピーで言われるほど作品内容が熱く感じないのも、どうかと思います。



【キャラクターの批評】

 まず、登場人物が多すぎるのが問題ですね。

 主人公、友人、新聞部の先輩4名、入部希望の新入生2名が登場します。(出番は少ないですが一応、母親も)

 5話までの時点でこんなにも登場キャラが多いと読者は理解が追い付きません。


 あらすじで「個性的な人達」と書かれていましたが、確かに実在すれば個性的だと思います。しかし、創作物の世界ではむしろ無個性に感じました。ここも読者がキャラを理解出来ない原因となります。

 もっと、分かり易すぎるくらいの個性が必要だと思います。


 特に先輩4名については差別化が弱く、誰が誰だかサッパリ分かりません。

 せいぜい、主人公が憧れる「美人の先輩」くらいでしょうか。



【文章・構成の批評】

 文章は比較的キレイなのですが……、web小説の書き方の基本が出来ていないと感じました。

 文頭に空白を当てているのですが「」の前にも空白があったり、読点の位置が微妙だったり、キャッチコピーにもありますが「―」が1文字だけだったり。

 文章がキレイなのに読みにくい、という感想でしたね。


 構成については悪くないと感じました。

 もともと「学園青春もの」というジャンルですから、バトルものの様なハデな展開はありません。その事を踏まえて読めば、1話1話、しっかりと話に動きをつけているように思います。

 ただ、キャッチコピーでは「熱い」と言っているのに、熱い展開が無いように感じたのは問題だと思いました。



【ストーリー・設定の批評】

 ストーリーについてですが、5話までに山場と呼べる話が無いように感じました。

 一応「入部試験」があるのですが、主人公は少し悩むだけで、すぐに自信満々で挑み、「あ、これは一度試験に落ちるヤツだな」と予想したらアッサリと合格してしまい、拍子抜けしてしまいました。ここが「熱くない」と感じた最大の原因ですね。

 これは悪い意味での「読者の予想を裏切る」展開だと思います。


 設定に関しては中途半端な印象を受けました。

 実際には存在しない程度には新聞部は変わってる。だが、創作の世界では無個性。これは先程の【キャラクターの批評】と同じですね。

 作風も明るい感じですし、もっとブッ飛んだ設定の方が良かったのでは、と思います。



【総評まとめ】

 総評しますと、「作者の地力は感じるが、読みにくくて面白くない」ですね。

 文章力そのものはあると思います。話作りも出来る方だと思います。ただ、「読み易い文章」と「面白さの提示」が出来ていません。


 「読み易い文章」は、少し調べればすぐに身につくと思います。

 ネットで調べればweb小説の書き方など、いくらでも出てきますし、もともと文章力はある方だと思いますから。

 あと、序盤から登場キャラを増やし過ぎると読みにくくなりますね。


 「面白さの提示」については、作品作りをする際によく考える必要がありますね。

 これは私自身にとっても課題なのですが、一番は「魅力的なキャラ」だと思います。無個性なキャラばかりでは面白くありませんよね?

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