初めまして。
大田康湖さんのリンクより伺いました。
私もたまに批評企画をするので、興味深く読ませていただきましたが、一点だけ。
>極めつけは「真人は眺めるでもなく眺めていた。」これですね。眺めてるんですか? 眺めてないんですか?
こちらの「〜でもなく〜」という構文は、少なくとも文法的には間違っていません。
「見るともなく見る」などの例文も探せば見つかりますし、「ともなく」ではなく「でもなく」では成立しないのか調べてみました(私も自信がなかったので)が、同義語として書かれているので、まあ問題ないかと。
ともなく:
>・気がつけば、カフェで隣に座っているサラリーマン同士の会話を聞くともなく聞いていた。
https://nihongokyoshi-net.com/2020/06/11/jlptn1-grammar-tomonaku/
でもなく:
>② (動詞を受けて「でもなく」の形で) はっきり…しているともいえないようすで。…ともなく。
https://kotobank.jp/word/%E3%81%A7%E3%82%82%E3%81%AA%E3%81%84-576932
なお、私は本作品を読んでおりませんので、批評の内容について物申すつもりはありません。あくまでご指摘の部分が気になったので調べた次第です。
作者からの返信
梶野カメムシ様、ご指摘頂き誠にありがとうございます。
確かに……、言われてみれば問題なさそうな気はしますね……。
これは私の早とちりでした。
ご指摘頂いた件は本文に追記させて頂きました。
もしよろしければ、他にも私の至らぬ所を見つけられましたら、指摘して頂けると嬉しく思います。(もちろん、お暇なときで結構ですのでっ)
個人的な印象になりますが、「真人は眺めるでもなく眺めていた。」に違和感を感じたのは間違ってはいないと思います。
用例としては、「ともなく」と「でもなく」は類似の用法ではありますが、この場合、「見る」ではなく「眺める」になっているのが違和感の原因かなと。
「眺める」自体が「見るともなく見る」と同じ意味になりますので、意味が通らなくなるのかなと。
もちろん、「眺める」は「じっと見つめる」のような意味を持つ場合もありますが、その場合は「でもなく」とするのが不自然になります。(はっきり見ていることになりますので)
作者からの返信
ケロ王さま、コメントありがとうございます。
今回の件と似た有名な事例で、80年代のアニメで「汚名挽回」というセリフを言ったキャラが、視聴者から「汚名を挽回してどうするんだよ」「汚名は挽回するものじゃなく、返上するもの」と言われて長年ネタにされてきました。
ですが数年前から「汚名挽回」は誤用ではない、という事がネットに出回りました。
「挽回」とは「元の状態に戻す」という意味もあるので「汚名を自分のところから、元の場所へと戻す」という解釈を聞いて「なるほどなぁ」と思ったものです。
ですが私も長らくの間、上記のように汚名挽回と言ったキャラをバカにしてきました。
結局、「文法として正しいか」よりも「多くの読者にどう受け取られるか」の方が重要なのかも知れません。
私が感じた違和感を、ケロ王さまも同様に感じて下さったのは嬉しく思います。
文法としての正誤はともかく、「私の感じ方は間違っていない」と言って頂けているようで本当に嬉しかったです。