★0 ひとりで映画を撮っていたら、謎の美女が嫁に来た


タイトル:ひとりで映画を撮っていたら、謎の美女が嫁に来た

キャッチコピー:君の嫁になりに来た

作者:藍条森也

URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330668514163680


評価:★0


【あらすじ】

 河合真人は高一の夏、たまたま入ったミニシアターで『ローマの休日』を見て、恋をした。『ローマの休日』という映画そのものに。

 高校卒業後『MTMここてい』で働きながらひとり、人形を使った映画を作り、店で上映してきた。

 真人の映画を見に来るくるのはたったひとり。しかし、そのひとりが謎めいた雰囲気のとびきりの美女で……。

 謎の美女に、おっとりメガネ巨乳美女の店長、やたらとウザがらみしてくる『運命の後輩』に囲まれながら、真人の映画ライフはつづいていく。



【拝読したストーリーの流れ】

 この作品は、前後編の2話で完結の短編です。

 「MTMミニシアターマーケット」という、コンビニ(?)のようなお店で働く主人公は、お店の中で自作映画を放映し、その映画の唯一の「ファン」が主人公に恋に落ちる、という話……でいいのかな?



【タイトル・キャッチコピーの批評】

 タイトルは悪くないと思います。

 ただ本文を読むと、「映画を撮っていたら」ではなく「映画を上映していたら」が正確だとは思いますが、まぁ「撮っていたら」の方が語呂が良いですし、タイトル詐欺という程でもないので、このままの方が良いと思います。

 「謎の美女が嫁に来た」というのも、ありきたりではありますがパワーがあるワードで良いと思います。


 キャッチコピーも簡潔で良い、と言いたいところですが、タイトルの内容と重複しています。

 視点が違うだけで殆ど同じ内容なので、せっかくの読者アピールの機会を1つ潰している様に感じます。

 別の魅力を見せる言葉を選んだ方が良いかと思います。



【キャラクターの批評】

 登場人物は「主人公」「女店長」「後輩女子」「謎の美女」の4人です。

 ほぼ全員に言える事ですが、行動に一貫性が無くキャラのブレが酷いです。特に「主人公」と「店長」にそれが見られます。

 これは後述しますがMTMというお店が、あまりにも現実離れしすぎているが為に起きた弊害ではないかと思います。


 あと、「後輩女子」は物語に必要無いですね。何の役割もありません。

 「後輩女子」程ではありませんが「店長」も要らなかったと思います。

 「主人公」と「謎の美女」だけで良かったのではと感じました。



【文章・構成の批評】

 文章はハッキリ言って酷いです。

 空行が殆ど無く、読点の位置も違和感を感じます。更に一部、変な所で漢字を使わず「過ぎたいまでも」など、なぜ「今」を漢字にしないのかが理解できません。


 極めつけは「真人は眺めるでもなく眺めていた。」これですね。眺めてるんですか? 眺めてないんですか?

 投稿する前に、一度でも自分の書いた文章を読んでみる事をお勧めします。

※こちらの件ですが、読者さまより指摘を頂きました。

 「見るともなく見る」の言葉があるように、「ともなく」と「でもなく」は類義語であり、文法的には間違っていないのではないのか、という事です。

 指摘して頂いた方も絶対の自信を持っておられる訳ではなさそうですが、確かに言われてみれば問題なさそうな気がしますね。

 作者さまと、本批評を読んで頂いた方々には深くお詫び申し上げます。



 構成も問題点だらけですね。

 前編は、ほぼMTMの説明で「謎の美女」は登場しません。

 先程「後輩女子」と「店長」は必要ないと言ったのも相まって、前編そのものが要らないと感じました。



【ストーリー・設定の批評】

 ここで問題になってくるのがMTMという存在ですね。これは架空のお店ですか? 軽く検索してみたのですが分からなかったのですが……。


 このお店が、あまりにも現実離れし過ぎています。

 文章に問題があるのは上記の通りですが、その為か物語の舞台となる店内の様子が想像不可能です。なのに店の説明に対する文章量が大量にあります。……この小説は何を見せたかったのでしょうか?

 主人公とヒロインのラブロマンスを描きたかったのであれば、こんな珍妙なお店を舞台にする必要は無かったと思います。


 また【キャラクターの批評】でも述べた通り、このMTMという舞台に存在させる為にキャラクター達、特に「主人公」と「店長」のキャラが歪められているように感じました。

 このMTMという謎のお店が、一番要らない存在だと思います。



【総評まとめ】

 正直、褒める所はキャッチーなタイトルだけですね。

 まずは読み易い文章を書く練習をする。そこからでしょうか。

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