「ねえ。里。私さ、中学生のころ、里のことずっと好きだったんだ」車の中で美星は言う。

「俺も美星のこと、ずっと好きやったよ」里は言う。

「ここでずっと暮らしたい」

「暮らしたらええよ」

 山間の道を走りながらそんなことを里は言った。

 里が言ったように渓流はとても綺麗なところだった。

「魚取れるの?」

「ああ。取れる。たくさんおる。いくらでも釣れるで」里は言う。

「へー。すごい」

 川原で里と一緒に魚釣りの準備をしている美星は言う。

 里の言う通り魚はたくさん釣ることができた。

「楽しいやろ?」

「うん。楽しい」

 きらきらしている魚(あゆだろうか?)を見ながらにっこりと笑って美星は言った。

「祭りがあるんよ。二人で行こうか」帰りの車の中で里が言った。

「お祭りがあるの? いきたい!」驚きながら美星は言う。

「じゃあ決まりやな。昼飯食べたら準備しよ」

 里は車を街に向かって走らせる。

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