6
大きな海。
白い砂浜。
波の音が聞こえる。
風が思っていたよりもずっと強かった。
「私、自分の名前嫌いなんだ」
海を見ながら美星は言った。
「美しい星で美星。いい名前やん」
砂浜の上にあった小石を海に投げながら里は言った。
「そんなことない。名前負けしてる。私はそんなに綺麗じゃないし、心だって美しくない」
風に飛ばされないように、白いスカートを押さえる。
「綺麗やよ。すごく可愛いよ。美星は」
笑いながら里は言う。
「馬鹿にしてるでしょ?」同じように笑いながら美星は言う。
「してへんよ。それに美星は可愛いだけじゃなくて心も綺麗やよ。俺は知ってる!!」
突然、会話の最後のところで大声を出して里は言った。
周りには数人の人がいる。
その人たちが里と美星を笑いながら見ていた。
「里。恥ずかしい」
「恥ずかしかってもええやん。本当のことなんやから」
そんな里に美星は海の水をかけてやろうかと思ったけど、我慢した。(中学生の私なら絶対にがまんできなかっただろうなと思った)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます