チェンジで
勝利だギューちゃん
第1話
最近、断捨離を始めている。
人間、死期が近づくと、身の回りの整理をするという。
なので、断捨離というよりも、終活だな。
自分の死期が近いのを、本能で悟っているのかもしれない。
しかし、その死を恐れない自分がいる。
むしろ、楽しみな気がしてきた。
趣味で集めていたコレクションも、大半を処分した。
随分と、無駄なものを買っていたなと思う。
でも、これが好きだった。
無駄を楽しまなくては人間ではない。
でも、最終的には自分を断捨離すればいいや。
幸い、自分がいなくなっても、誰も困らないしな。
少し悔しいが、自分がいなくなったらすぐに忘れてくれ。
ただ、お迎えに来るのがだれか気になる。
女房は妥協した。
少なくとも、高望みはしていない。
だが、最後の相手くらいは・・・
今は、病院のベットの上にいる。
家族はいない。
妻は先立ち、子供たちは遠くへ行った。
連絡はしてくれたが、間に合うか?
そうこうしているうちに、お迎えが来たようだ。
「あのう、〇〇さんですね」
「はいそうです」
「お迎えに来ました」
「あの世へのですね」
「そうです。私は天使です。では、まいりましょうか」
この人が案内人か。
まざまざとみる。
うーん。
一言告げた
「チェンジで」
「わかりました。代わりのをよこします」
「えっ、いいの?」
「ええ。私たちとしても、気持ちよく旅立ってほしいので」
そんなものなのかな。
チェンジで 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます