温泉宿
夢の中に繰り返し出てくる温泉宿がある。
料理は川魚料理のことが多い気がするが、あまり印象に残らない。
肝心の温泉がどう見ても公園の噴水だったり、学生寮の共同手洗い場のようだったり、男女混浴で全員普段着のまま湯につかっていたりと、とにかく奇怪な浴槽ばかりなので圧倒的にそちらの印象の方が強いためだ。
寝床もなんともいえない。さっきまで浸かっていた浴槽の水を抜いて布団を敷いたり、急な階段に布団を敷いたり、旅館のロビーで寝かされることもある。
最近、家族の運転する車でこの宿まで向かう事もある。宿までの道程も無茶苦茶だ。高速道路の途中から、自動車道というよりもスケートボードのコースのような急峻でカーブした坂を車で上がっていくことになる。
正直言って、起きている時ならこんな無茶苦茶なサービスの宿には絶対に行かない。
しかし、一泊した帰りに宿の女将の、不気味な笑顔のお婆さんに「またどうぞ……」と言われた瞬間に、「次はいつ来よう?」と思ってしまうのだ。
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