……満足してくれたかなぁ?
◇
ふふっ…… お礼も出来たし、ヨウも喜んでくれたし…… 幸せね。
シャワーを浴びながらさっきのお礼のマッサージ中の事を思い出している。
……千和、これがいいんだもんね? よく分からないけど、ヨウが凄く喜んでいたのは分かった。
ついついサービスして多めにマッサージしちゃったけど…… 大丈夫なのかな?
ふぅ…… でも、それより一番嬉しかったのは、ヨウがあたしの料理を美味しそうに食べてくれたこと。
いつもお肉の入ったお弁当ばかり買っていたから和食を作ってあげたかったんだぁ。
ふふふっ、特に味噌汁はシンプルだけど味や具材の好みもあるだろうから心配したけど、ヨウの反応を見る限り問題はなさそう。
いっぱい食べてもらえるように全体的に塩分控えめにしたけど、美味しそうに食べてくれた。
……満足してくれたかなぁ?
でもあれだけ元気なら大丈夫そうね…… 本当に元気だったから。
……これくらいしかまだしてあげられないけど、この先はプレミアム会員限定っていうことで許してね?
一名限定のプレミアム会員になるには色々手順や手続きがあるから…… その日が来るまでは体験版として…… んふっ!
あぁ…… ヨウ、大好き……
早く直接言いたいなぁ……
でも、この期間も楽しい。
千和を見習い、絶対逃がさないように頑張るわ!
……そういえば美々と麗菜は彼氏とどうなったのかな? 『二十歳になるまでに』って言ってたのに。
よし! あたしも負けないぞー!
そして、隅々まで綺麗に…… 洗ったあたしは、少し長風呂になってしまったが、サッパリスッキリして風呂から上がった。
◇
「あのさ……」
「んふっ、なぁに?」
「……暑くないの?」
「大丈夫よ、気にしないで!」
ホットドッグの衝撃でどっと疲れたが、ユアの後にすぐ風呂に入り、身体を綺麗に洗い流した。
……凄かったなぁ、ホットドッグ。
なんて思い出しながらソファーに座っているとユアも座ってきた…… 俺の膝の上に。
「んーっ! 風呂上がりの炭酸ジュースは美味しいわね! ……飲む?」
「えっ!?」
ユアは振り向き、今飲んだ、口を付けたペットボトルを俺に向けて差し出した。
これって間接キスってやつじゃないか?
いや、ニヤニヤしているから、俺の反応を楽しんでいるだけだな…… よし。
「じゃあ一口もらおうかな」
「えっ!?」
珍しい…… ユアが驚いた顔をしている。
間接キスくらい気にならないだろ? もっと凄いことをしてるんだし。
「んぐっ…… はぁっ! これ、甘くないから風呂上がりにいいよね、はい、ありがとうユア」
「はっ、う、うん! そうよね……」
おっ? 俺が返したペットボトルをじーっと見つめている、飲まないのかな?
「んぐっ…… 美味しい……」
そして脱力して身体を俺に預けるように背中を密着させてきたユアは……
「いてっ! 何で太ももをつねるんだよ」
「なんとなく! ……ドキドキさせるヨウが悪いんだから!」
こっちはいつもドキドキさせられてるんだけどな。
そんなことを思いながらも、何も抵抗せずにユアの好きなようにさせていると……
「……ユア?」
「んん…… すぅ…… すぅ……」
もしかして寝ちゃった?
「おーい、ユア……」
「すぅ……」
寝ちゃってるな…… 俺の膝の上で寝ないでよ。
本当に寝てるのか顔を覗き込んでみようと身体を少し横に倒しながら目を閉じているか横顔を確認してみると…… やっぱり寝てる。
どうしよう、このままじゃ俺も動けないよ。
抱き抱えてベッドへ運ぶしかないか…… よいしょっ…… っ!?
ムニュリ? ……あっ!
ユアをベッドに運ぶために、膝の上で横向き…… 分かりやすく言うと、お姫さま抱っこをしようと寝ているユアの向きを変えようとした、だがその拍子に手がムニュリさんに触れてしまった。
ヤバッ、寝ている間に触ったと思われたらどうしよう!
「すぅ…… すぅ……」
ふぅー…… 起きなかったみたいだな。
今度は間違えないように…… くっ! ユアの支えのない大きなムニュリがどうしても腕に当たってしまう! ああ、もうこのままベッドに運ぶしかないか。
「ふぅ…… 意外と軽かったな」
ムッチリ肉厚だから少し重いと思っていたがそんなことはなかった。
……ユアに言ったら怒られそうだから絶対言わないけど。
そして布団をかけて、俺はリビングへ戻り後片付け。
テーブルにはもう一口分くらいしか残ってない炭酸ジュースがあるけど…… 捨てるかな?
もったいないから飲んじゃえ……
◇
ヨウったら真面目なんだから! ……そこがヨウの良い所なんだけどね。
せっかく無防備で、少しならイタズラしたって構わないよう寝たふりしてたのに。
でも…… ふふふっ! お姫さま抱っこされちゃった!
ふわふわして、でも力が入れると奥にガッチリとした筋肉が…… あぁん、もっと抱っこされたかった!
結局イタズラされずにベッドに寝かされたけど…… ちょっと指が怪しかった。
ムニュリの横を触られた時はドキドキしたなぁ…… んふっ、寝ている時はたまに鷲掴みにするくせに、ヨウったら遠慮しちゃって!
すんすん…… ふわぁぁ…… ヨウの香りいっぱいのベッド、落ち着くぅ……
あぁ、本当に眠たく…… ヨウ、早く…… 一緒に…… 寝ましょうよぉ……
◇
「んん…… ヨウ……」
んっ? ユアに呼ばれたような……
「おねがぁい……」
夢の中でもお願いしてるのかな? はははっ……
さて、片付けも終わったし電気を消して俺も寝るか。
そしてベッドに横になるとすぐ……
「んふふ…… ヨウ……」
無意識なのか、ユアは寝ているのに少し嬉しそうに微笑みながら俺にしがみついてきた。
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