蛮と言
春の陽光が窓越しに教室を温かく照らしている。外を眺める俺、
なぜかと言うと、昨日の放課後に
俺と彼女の出会いは、予想外の出来事だった。
俺の中で
彼女の笑顔、一緒に過ごしたい。そんな気持ちを抱いたのは、去年のクリスマス前の俺かのようだ。
どうやら、俺は惚れっぽいらしい。でも、
そんな少女だったから、この気持ちは保護欲なのかもしれない。色々な考えが、俺の中をぐるぐると回っていた。
――チャイムが鳴り響くと、生徒たちが一斉に教室を後にした。俺も慌てて立ち上がり、教科書を急いでカバンに放り込んだ。
俺の心中は、放課後に再び
外履きに履き替えて校庭に足を踏み出すと、無意識のうちに直行で花壇へと向かっていた。
――見ると、
「
俺が、そう声をかけると
彼女の仕草に合わせて、俺は手を振り返しながら小走りで近づいた。
『はい、よろしくお願いします、
今日も来るとは
全くそんな考えが無い様子の
「
その俺の心は弾んで、キモチが暖かくなった。お互いに微笑み合ってから俺たちは黙々と作業を始めた。
俺は水やりを、
たまに視線が交わると、お互いに笑顔を交わし、それだけで心が暖かくなった。
けれど、その平和な時間は長く続かなかったんだ――
「おい、
正直、見るまで無いが無視するわけにも行かない。俺はイヤイヤな気持ちで振り返ると、やはりと言うかそこには山口が立っていた。
しかも彼の隣には、取り巻きの一人、
二人は何か悪巧みをしているような顔で、俺たちを見下ろしていたんだ。
嫌な予感が俺の背筋をよぎった。それは、
隣の女子がこんな表情をしている中で、男の俺が弱気になってどうする。俺は、なけなしの勇気をもって心を落ち着かせ、山口たちに対応しようと心に決めた。
「遊んでないよ。
山口はにやりと笑うと、
その言葉の裏には、良くない意図が隠されてるのを感じたが、
隣の山口を理由にすることも出来るが、今の段階で言いがかりをつけると性格が悪いのは俺だ。とされかねない。
「どうしようか?」俺は、
そんな俺たちの様子を見ながらニヤニヤとしている。山口と
「雑草取りをしてるんだなよな」
「やめろ、
けれど
「どれが、雑草かなんて、僕分かんなーい」とふざけたことを言っていた。
山口は、「そうだぜ。さっさと
俺は、あまりの怒りで視界が真っ赤に染まって、拳を握りしめて
ガシッと俺の袖が、掴まれた。振り返ると、掴んだのは
「こんなの許せないよ。
そう、彼女に対して叫んでしまったが、それでも
その間も、
「分かった。
山口は、俺たちの様子を見て「はやくしろよー」だなんてふざけた態度を見せていた。
またもや俺の頭が沸騰しそうになるが、この状況で一番傷ついているのは
彼女の意思を尊重しよう。そうは思うが、俺は悔しさで涙が出てきた。
それは、
書き終えると彼女はそれを高く掲げ、山口たちに向けて見せた。
『私たちは、この花壇を大切にしています。お願いですから、荒らさないでください』
その言葉には、静かながらも強い意志が込められていた。
山口と
「ふん、こんなのつまらねえことで、必死になってんなねーよ。だせぇ」と山口は言い捨てた。
「ごめんねぇ。僕には花と雑草の区別なんてつかなかったよー。ほんとごめーん」
そうして二人が去った後を見ると、ぐちゃぐちゃに荒らされた花壇が残っていた。
まだ春が来る前だから、花を付けていなかったその花壇を見てただただ虚しさを感じていた。
「……」放心状態で立ち尽くしていた俺は、すぐに何かをする気持ちが湧いてこなかった。
けれど、
(なんて、強い心の持ち主なんだ。
昨年のクリスマス前、つい調子に乗って告白してから長い間、放心状態となってしまった俺と
単純な暴力で、解決しようとしてしまったのが恥ずかしくなった。
まぁ、ひ弱な俺じゃアイツらを力で押さえつけるなんてことは出来なかったんだ。出来て先生を呼ぶくらいの物だ。
でも山口の親は地元の有力者で、この学校に多額の寄付をしていた。その家の次男である彼を先生たちは強く注意出来ない。
だから、山口はトラブルメーカーと共に
すぐに対策は思い浮かばないが、山口と
でも、彼女の小さな身体には確かな意思の強さが宿っていると感じた。
そんな
つづく
―――――――――――――――――――――――――――
あとがき
連載開始です! ストックある限り毎日投稿していきます。
けどストックが少ない、ガクブルしてる作者は俺だっ。
((((;゚Д゚))))
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