死刑

死刑

「死刑とは……君は何だと思う？」

「あぁ、悪さをした奴への一番重たい罰だな」

「アハハ！それは、やっぱり悪さをする側の考え方だよな」

「ハァ！？なんだと！」

「怒るなよ……かわいい奴だな君は！」

「バカにするな！そう言うのなら、あんたの考えを聞かせろよ！」

「あぁ、お聞かせしましょう！アハハ！！」

「早く言えよ、気持ち悪い」

「犯罪者にとって死刑とは救いなのさ！」

「……意味不明だ」

「死刑囚なんてモノは帰る場所がない！またあるべきでもない！そんな奴に他人が真心込めてしてあげられる事は？　殺してあげる！くらいなのさ！」

「……ハァ！？、ふざけるな」と大声になる！すると、　「おい！何を喋っている」

奴を叱りつける声だけがここまで聞こえてきた。

「救い…！ハァー、オレは嫌だよ！死にたくない！」

奴は小声で言う

「うーん？？？救い、と言うのなら、大きな愛で包んで欲しいと？」

「黙れ！！」

「おい！うるさいゾ、一体何を独りで騒いでいる！！」

　拘置所にて奴を見張っている者が奴を確認しにやって来た。

　奴は目をウルウルさせながら言うのだ！

「天使と！ここに来てくれた、天使様とお話をしています」

「…あぁ、そうか！うん、ほどほどにな！」

見張る者は行ってしまった。

　奴を見張る者に私の姿は見えない！！！！

「……うぅぅ」と泣き出す奴

私は奴が泣き止むまでいつまでも待ってるゾ

「死にたくないよ！オレは」

　私は奴に寄り添ってやる！

「君に帰る場所はないのだよ！こう考えなさい！！君は怪人なのさ、ヒーローに負けた怪人は大爆発するだろう？君はこれから吊るされるのではなく大爆発するんだと考えろよ、愉快だろ？」

「オレは天国に行けない？」

「天国？うーん何処へでも勝手に行けばイイと思うよ！誰も止めたりしないと思うし」

「……ホントに？」

「もちろん！……みんなに宣言しようぜ！オレは天国に行くんだ！」

「そうだね🤣🤣🤣🤣」

　不安そうだった奴は満天の笑顔になった。

私は天使、あぁ～今日もイイ仕事したなぁー