第16話
1時間ほどして、体格の良い二人組みがツーリストの入口に現れた。
一人は、髪を短く刈り込んでいてシルバーフレームの眼鏡を付けて、
上等なスーツを着ている。
もう一人は、スキンヘッドでこちらも上等なスーツを着ている、
山本は二人の画像を、眼鏡の隅を触り画像として記憶した。
既に、画像としての情報は、あったが、こうすることで今ある情報を
アップデート出来た。
そして、二人がビルの中に入るのを確認してからファーストフード店を
出た。
山本がツーリストのあるビルの、入口が見える位置に身を隠して30分
ほどして松本の愛人と先程入っていった2人組みが、一緒にビルの
入口に現れた。
ビルの入口を見るために、道の向かいに身を隠していた賢二は、
尾行を開始した。
3人の視界に入らないように2車線の道路を渡った。
すると、3人は路上駐車してあった、黒の高級車に乗り込んだ。
山本が高級車に気づいた時には、車との距離は50mほどあった為、
走っても間に合わず山本は足を止め、ズボンのポケットからパチンコ玉
ほどの大きさの透明な玉を、取り出した。
それを、空へと放り投げた。
投げられた透明な球体は、下降すると同時にまるで、てんとう虫が
飛ぶように、球体の一部が割れ、羽が現れた。
山本はメガネを操作する事で、その球体が高級車を認識し高級車を
追跡するように照準を合せた。
その球体はは音も立てずに、振動し高級車を追い始め、映像を山本の
眼鏡へと送り始めた。
山本は、メガネの映像から高級車の行き先を把握して行動した。
高級車は、始め日本橋方面に向かい、そこで体格のいい上等な
スーツの2人組みを、降ろした。
それから、六本木にあるビルの前で、松本の愛人は、高級車を降りた。
山本は、高級車が2人を降ろすまでは、タクシーで後を追っていたが、
愛人が独りになってからは、行き先が推測できたので、タクシーを降り
最寄りの地下鉄を使い、追跡カメラの画像を見ながら、追跡した。
山本の推測どおり愛人は、彼女が経営する2店舗目の店に向かった。
山本は、最寄りの地下鉄の駅から地上に出ると、追跡カメラを呼び寄せ
そこで、空中に浮かぶ透明な玉を2秒間凝視することで、山本の手元に
透明な玉は戻ってきた。
松本の愛人の2店舗目は、このビルの何階にあるのかは、分って
いなかったが通りの向かいから、ビルを見上げて、七階にある事が
わかった。
ビルの外窓には、「東京タワーの見えるネイルサロン」と書いてあった
からだ。
この2店を開業していることから、松本はかなりの金額を愛人に注ぎ
込んでいる事もわかった。
しかし、山本は松本の周辺の事柄は把握し始めたが、実際に松本を
自分の目で確認しておきたかった。
日も落ち、松本の周辺情報は大体、掴んだので、この時間から松本の
立ち寄りそうな場所へ向かうことにした。
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