第13話
姿を現したのが、竜が到着してから2日後の事だったことで、
竜は、なぜ石原1人なのか、どんな問題が起こったのかを石原に
聞きいた。
石原は小林が列車にぶつかる偽装をする際にケガを負いそのケガの
手当を行っていた為、遅れたとの事だった。
小林自体は、少し安静にする必要があった為、第1地区の北に組織が
運営する、全天候型の野菜製造施設で傷を癒してから、ウラジオ
ストック港で、もう一人と、合流してからインドに行く様に計画を
変更する事になったとの事だった。
竜は石原がここに持ち込んだ荷物に違和感を覚えた、
石原も何かしらのケガを負ってその治療をする為の薬などを
持ち込んできたのかと思っていたが、石原は施設に到着して直ぐに、
参考書の様な物を開き、眼鏡を掛け、そのメガネの耳の部分には
音声が流れている様だったが、竜は石原が、読書をする事で
落ち着けるタイプなのかと思っていたが、日付が変わっても、
石原は参考書を読みふけっているので、竜は石原に声を
掛けてみた。
「その本っておもしろいのか」
石原は、竜が話しかけてきたのに少し驚いた様に参考書から視線を
竜に向けたが、直ぐに参考書に目線をもどしたままで
「面白くはないですが今後必要になる事だと思うので、」
と言っただけで後は何も言わなかった。
そんなやり取りをしていると、竜と石原のいる部屋へ小林が、
頭に白い包帯を巻き、左腕も三角巾でつられている状態で
部屋に入ってきた。
竜は小林のケガが軽いと聞いていた為、そんなにひどいのかと
無言で小林を見つめていたが、参考書を読んでいた石原は
参考書から目だけを動かして、上目遣いで「もう、良いの」
と小林に向かって言うと、小林が「ああ・・いまから、
北上した後に、この格好で別ルートの潜伏者と合流する
という事が、潜伏者にとってリスクが高すぎると判断した。
このまま、現地に着くまで船内で安静にした方が、
目立たずいれるからな。」
そう言うと、自分に割り振られているであろう、自室の方向に
向って歩き出した。
竜は小林とは会った事や話したことは無かったが、小林に向かって
「自分の部屋が分かっているのか?」
っと声を掛けると、竜の方へ振り替える事はせず、
「大丈夫です」
とだけ言って、自室へ姿を消した。
竜が小林の方を不安げに見つけていたからなのか、
石原が、参考書から顔を上げずにぼそりと、
「大丈夫、あの人、資料とかそういうの好きみたいだから
あらかじめ、この施設の図面とかこの地域の地図とか
近くに何があるとか、そうい事調べて覚えるのが得意な人みたい。」
そんなことがあったが、予定していた日付や出向の時間などは
大幅にずれてしまい、乗船人数も予定より少なくなったがどうにか
事が運び、新しい拠点先には少し遅れるが、予定より1人少ない
3人で到着出来そうだと、報告しておいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます