第4話
同じ機能で、よろしく頼むよ。」
鉄はキムが言う事を反復して確認して電話を切った。
車は、埠頭に入って行った。
埠頭の奥まった所まで行ったところで、大きな船が接岸している横に
車は停まった。
心は鉄が持っていた様なモニターを手に持って車を降りた。
鉄も、モニターを持ち車を降りようとしたが心が、右手で耳たぶを
引っ張る仕草をしたので、ソファーベットの横のサイドボードから
イヤリングの様な物を見つけて取り外して、車を降りた。
ワンボックスの運転席にいる、3Dの心は鉄が降りると、車を発進させた。
「あれ?」
「車、置いてかないの」
と、言いながらイヤリングを耳に付けた。
イヤリングを付けて、すぐに耳に人工的な声が聞こえてきた。
{この装置は、周波数的に盗聴されやすいので陸上では使えませんが
雑音の多い海上では、盗聴される心配も少ない事と雑音を取り除いて
くれるので外さないで下さい。}
「これって、少し前に流行ったイヤリング型の携帯電話だよね。」
{はい。少し改良して私の声帯の動きを感知して、電子音が出るように
したのと周囲の雑音と同じ周波数をイヤリングから出す事でノイズを
消せるようにしてあります。
それで、電子音での聞き取りにくさは、なくなると思います。}
鉄のイヤリングは、耳たぶの所が円形の金属で見た目にもイヤリング
なのに対して心のそれは、耳の裏から肌色のテーピングの様になった
物を声帯の所まで、貼り付けてあった。
鉄は、この短い会話を終え、船に乗り込んで、さっきの自分の質問が
心に届いていなっかた事が分かり、もう一度同じ質問をしようとしたが、
鉄が、なんとなく埠頭を見たときにワンボックスカーが、埠頭から出て
行くのを見て、質問をするのをやめた。
代わりに、いつの間にか心が用意した、この駆逐艦のような船に興味が
沸いてきた。
船のエンジンがかかると船からは、甲高い(キィーン)という音をたてて、
船後部からは、水を吐き出しながら進むタイプのエンジンから吐き出さ
れた水が、(ボコボコ)と音を立てている。
「いつの間に、こんな船用意したの?」
{こっちの軍関係者と仲良くしておくと、偶にはこんな事も聞いてくれた
りもするんですよ。}
「フュー♪」
「幾ら、軍関係者の袖の下の金を包んでることやら」
{そういう事は私に任せておいて下さい。}
そう言って、徐行をしないといけない湾内から出ると駆逐艦の様な船は
一気にスピードを上げた。
湾内を航行していた時には、縦に横に揺れていた船もスピードを上げて
からは、波と波との間を飛ぶように進み一気に船は安定した。
鉄が、この船が港内から出て行くまでの、船内の安定するまでに
感動していると、程無くして、心がサンドイッチとカフェオレをトレイに
載せて鉄の前に持ってきた。
鉄は何も言わずにサンドイッチとカフェオレを食べた。
心も目的の鉄を会場に連れて行ってまで、確認させようとしてる物まで
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