第3話

「飯は食わして貰えないの」

{なかなか起きてこられなかったので、先に出てしまった積荷を追って、

高速船でコンテナタンカーを追っかけます。ギリギリですが、海上で

積荷を確認して貰えるはずです。}

「飯は高速船でって事か」

心の操作するモニターに向かって、鉄は問い掛けたが、心からの返信は

無く、心は肩越しに軽く頷いた。

その頷いた横顔が緊張していた

「どうした?」

鉄の手元にあるモニターには、ワンボックスカーの周囲2キロの地図が、

浮かんでいる。

そのモニターの中央のワンボックスカーを現す緑色のドットが点滅して

いる。

そのワンボックスを現すドットが、赤くなっていた。

「渋滞?」

{はい。工事みたいなのですが、今、手元で調べただけですが、工事の

届けが出ていないんです。}

{一応迂回します。}

車は、一旦路肩に停車した。

そして、後続車両を追い抜かせて、尾行が無いかを確認してから、

路肩をバックした。

一つの細い路地を通り過ぎると車をその細い路地へと突っ込んだ。

路地には、ビルやらマンションやらが密集している地帯で、この路地は

幹線道路に繋がる抜け道だった。

車は、路地を猛スピードで進み幹線道路へと突っ込んだ。

そのまま、ワンボックスカーは強引に幹線道路の車の列に突っ込んだ。

4車線ある幹線道にクラクションが鳴り響いた。

細い路地からいきなり飛び出てきたワンボックスカーに驚き急ブレーキを

踏んだ車とその後続車両とが接触事故を起こしていた。

「どうした?」

「今のは危なかっただろ。?」

{昨日の夜に、組織の者がやられました。}

{私たちが、今日狙われない事も無いので}

「どこにやられた?」

{おそらく MTT }

「毛沢東!」

{もしくは、ロシアマフィアのポク。}

「もしくは、ポク?。 もしくは、他勢力ってとこか。」

{はい。}

車は時折、路肩に停まり、尾行が無いかを確認して進んだが、目的地の

埠頭まではスムーズに到着した。

モニターから赤い警告が無くなってすぐに、鉄は自分の手にある小さな

モニターを操作して電話をし始めた。

「キムか?」

「お前の所に預けてあるアストロを、防弾使用にして欲しい。」

「え!」

「いいねぇ~。」

「じゃぁ~。そのパンクもしない様にもしてよ。」

「うん。アストロを、防弾仕用でパンクもしない仕様にして、ワンボックスと

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