青春をエンジョイする盆暗と、それで儲ける奴らの巻

第2話 青春をエンジョイする盆暗ども

よそ見するな! オドレらのこっちゃ!


とまでは言わんけど、とにかくこの言葉を使って群れたがる、遊びたがる馬鹿多数ありというわけですな。

 青春と銘打てば何だか免罪符でも得られたような、多少の無軌道も許されるような気になってしまうのね。ただでさえもそのくらいの年齢ともなれば、幼い少年少女故にできなかったことができるように徐々になっていくわけね。要するに、社会的に動ける可動域が広がっていくわけよ。そりゃあ、勢いもつくわな。

 そういう連中をさらに群れさせて何とかテメエの都合のエエように図っていこうとする勢力もあるわけよ。

 学校の部活なんかまさにそうじゃね?

 いや、学校そのものがその装置ってわけだ。


 高等学校なんてものの進学率は今やほぼ100%。そんな数値になったのはもう半世紀ほども前の話よ。養護施設でさえ、昭和後期にもなれば高等学校への進学を進めるところが多くなっていたからな。


 高校なんてのは特に問題のない限りみんなが行くところ。

 そんなコンセンサスができたあかつきにはどうなるか。

 その結果が、昭和40~50年代の青春ドラマや。

 わし、個人的には嫌いじゃないよ。むしろ、好きだけどな。


 でもさぁ、みんながみんな同じように楽しめると思うか?

 そこは問題だぜ。

 それはまた、ぼちぼちつついていくから、首を洗って待っておられたし。

 あ、わしは、サウナに行ってみそぎしてくるわ。


 とにもかくにも、青春を「エンジョイ」するための装置は、この世にたくさんありましてな、それが、あの世代の子らや、元その世代の大人らの郷愁も含めて、この世に「壱大利権」を形成しておるというわけである。

~ 壱 にした理由、想像できますか? ちゃんと意図しているよ。

 なに、わからん? わからにゃ、気にせず読んでくれても結構。

 教えてほしい? 金、持って来いよ。


 ちょっとすごんでみたところで、さあ続き。

 青春関連のもの、いろいろあるけど、一番の装置は、これ。


兵庫県西宮市にある、主として野球をするための場所。

何でしょう?


 この装置ひとつで、日本という国は100年にわたって青春利権を創出できたと言っても過言ではなかろう。

 その場所のネーミングはなんと、この地には関係ないところまで進出しておる。あれはもはや「侵略」と言っても嘘や間違いとは思えないレベルやね。でしょ?


 漫画なんか見てごらん。

 少年漫画は必ずしもそうとは限らんが、少女漫画なんか見て見なはれや。

 少女漫画ってよ、恋愛ものが多いっしょ。それも中学か高校あたりが舞台の。

 多少年齢の高い人らの例もあるけど、中等教育あたりに照準が絞られとるわ。

 セーラームーンやプリキュアも、主人公はやっぱりそのくらいや。

 子どもには未来への夢を、大人には過去の郷愁を。

 いずれにしても、青春時代は夢なのね。

 そこに入る後だけじゃなく、前も。

 その時代の真ん中については、あえて論評しないでおこう。


 こうしてみていくと、何じゃらホイ、青春ってキーワードひとつあれば、さまざまな場所で様々な形で、もうサマザマに、金の成る木がたくさんあるじゃんか。

 こういう各種シロモノのおかげで、みんな、生活を楽しめるわけや。

 それこそ、青春時代と言われるような世代だけじゃないで。

 大人にも子どもにも、青春ってキーワードで語れるツールはたくさんあるのよ。

 それで、金を儲ける人もいれば、金にはさほどならなくても自己実現を図っていく人もいるわけね。

 

青春18きっぷ


 こんな切符が発売されてもう40年以上になるけど、ほら!

 青春って、どの世代にも効果的に商売できるツールだってことが、このひとつの例を挙げるだけで、わかるでしょ?

 これを売出した国鉄、さすがだぜ。


 かくして、青春をエンジョイする盆暗どもは今日もへらへら踊らされつつ金をはたいて、貴重なテメエの人生をむさぼり食っておるわけである。

 大体、エンジョイって言葉自体が、小賢しさを醸し出しておるやんか。


 しかし、青春って金になるなぁ。

 それこそ、ドーワとか人権とかホーリツとか、取扱注意で厄介なものなんかよりはるかに効率的に稼げるキーワードやないけ?!

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