第15話 やられ役の魔王、ヤンデレ妹キャラに一服盛る





「ディアブロくん、何かあったの?」



 おかえりエッチが終わり、エルシアが俺の腕を枕代わりにしてベッドで眠っていると、マナが不意にそう言った。


 俺は首を傾げる。



「なんでだ?」


「だって今日の二人、すごくイチャイチャエッチしてたもの」


「む、すまん。マナを蔑ろにしたつもりはなかったんだが」



 たしかに今日はエルシアの身体を長く堪能していた気がしなくもない。



「あ、ち、違うのよ? 責めてるわけじゃないの。むしろ、いつも満足させてもらっているわ」


「本当か? 無茶はしていないか?」



 やばい。急に不安になってきた。


 どれほど仲の良い夫婦でも、夜の関係に不満があるのは良くないと聞く。


 俺がそう言うと、マナは困ったように微笑みながら大きなおっぱいを押し付けてきた。



「あらあら……。ママは嘘なんか吐かないわ。本当に貴方に不満なんかないもの♪」



 マナは俺の身体をさすりながら、耳元で囁きかけてくる。


 むわっと甘ったるい大人の女の匂いがした。



「私、昔から性欲がとっても強いの。亡くなったあの人とのエッチでは発散し切れないくらい、ね。でもディアブロくんは違うわ」


「む、そうか?」


「ふふっ。ええ、ちっとも。あの人を悪く言うつもりはないけど、ディアブロくんは性欲旺盛だもの。娘共々、貴方の妻になれて幸せだわ」


「……それなら、嬉しいが」



 だったらさっきの質問の意図は何だろうか。



「今日のエルシア、すっごく乱れてたから。ディアブロくんも今日は遠慮ナシで、動物みたいな激しいエッチだったから、何かあったのかなって思って聞いてみたの。ほら、娘の恋愛とか気になるじゃない」


「ああ、そういう……。ええと、何から話せば良いやら」



 どうやらマナは俺たちの変化に気付き、純粋に気になったようだ。


 年頃の娘の恋愛事情が気になるのだと言う。


 俺はどう説明しようか悩みながら、マナに昨日あった出来事を話した。



「エルシアに改めて告白されてな。その時のエルシアがあまりにも可愛かったんだ」


「あらあら。うちの娘は元から可愛いわよ?」


「知っている。でも告白をされてから、もっと可愛く見えてめちゃくちゃ激しくしてしまった。自分本位なエッチで嫌われてなければ良いが」


「ふふ、エルシアの寝顔を見て? 安心したように眠ってるわ。要らない心配よ」



 腕の中で眠るエルシアをちらりと見ると、たしかに安心しているようだった。


 マナが朗らかに微笑む。



「ちなみにママもディアブロくんのこと、愛しているわ」


「……良いのか?」


「うふふ。亡くなったあの人のことも愛しているけれど、今は貴方を一番に愛しているわ。だから、これからも娘共々可愛がってください、ね?」



 その不意を突くような言葉に俺は我慢できず、隣で眠っているエルシアを起こさないよう、激しく愛し合った。


 しかし、途中でエルシアが目覚めて参戦。


 自分抜きでマナとイチャイチャエッチしていたことが許せないらしく、エルシアは餌を欲しがる雛鳥のようにキスと魔剣を求めてきた。


 母娘丼は何度もしているが、今日は特に激しく求め合ったと思う。


 ごちそうさまでした。


 と、しばらくイチャイチャエッチの余韻に浸ろうとしていた俺にエルシアが真剣な面持ちで言う。



「ディアブロ様、少しお願いがあります」


「なんだ? 言ってみろ」



 俺はエルシアのお願いを聞いて、一瞬意味が分からず、困惑した。



「えーと、俺は構わんが……。マナやエルシアは良いのか?」


「復讐のためですから」


「エルシアが良いなら、私も平気よ♪ というより、ディアブロくんの素敵なところを他の女の子にも知ってもられると思うと嬉しいわ」



 どうやら問題無いらしい。


 俺はエルシアの要望を叶えるため、ある人物が囚われている魔王城の地下牢へ一人で向かった。


 その人物とは、アヴァン城で俺が生け捕りにした少女。


 ミーシャ・フォン・アヴァンである。



「お、おお、たった一晩で酷いことになってるな」



 魔王城の地下は酷い臭いだった。


 何かが腐ったような悪臭がどんよりと漂い、鼻に臭いが染み着く。


 あまり長居したくないその地下牢の奥。


 明かり一つ無い暗闇の中に、全身に大怪我を負っているミーシャがいた。


 ミーシャは昨日の夜からずっと、エルシアの命令で想像を絶するような苛烈な拷問を加えられていたらしい。


 その目に光は無く、微かな呼吸があるのみで、今にも死にそうだった。



「大丈夫か?」


「……」



 試しに呼びかけてみるが、反応は無い。


 俺は地下牢の扉を開けて中に入り、ミーシャの具合を診た。


 ミーシャの拷問を担当した奴は容赦ないなあ。


 全身の骨が折れてるし、ところどころに見られる打撲痕が痛々しい。


 これを命令してやらせたのが、エッチの時は俺の魔剣で可愛らしく鳴くエルシアという事実が何よりも怖い。



「っと、それよりも治療しないとな」



 俺はダンジョン巡りをしていた際に宝箱からゲットしたアイテムを使う。


 エリクサーという万能回復薬だ。


 『聖女と五人の勇者たち』の冒険者パート終盤でアホみたいな量が手に入る魔法のアイテムで、服用したら怪我が全快する。


 ダンジョン巡りの際は回復系の魔法を使えない俺にとってありがたいものだった。


 ミーシャに数滴のエリクサーを飲ませてやると、怪我はみるみるうちに治り、すっかり元通りになってしまう。


 そして、ミーシャは意識を取り戻した。



「ぅ、あ……ここ、は……?」


「目が覚めたか。ここは魔王城だ」



 魔王城と聞いたミーシャが目をカッと見開き、震え始める。



「ひっ、こ、来ないで、い、痛くしないでっ。言うこと聞きますから!! もう痛いのはやめてください!! ひっく、ぐすっ」


「落ち着け。もう痛いことはしない」


「ぇ? ほ、本当? もう、痛いことしない?」



 何だろう、物凄く心臓がドキドキする。


 俺は女の子が酷い目に遭ってたら興奮するタイプだったのかも知れない。


 よほど怖い目に遭ったのか、俺がアヴァン城でミーシャを捕まえた張本人だとは気付いていないようだ。


 っと、いかんいかん。



「本当だ。お前の身柄は俺が預かる。これを飲むと良い。気分が良くなるぞ」


「……はい」



 液体の入った小瓶をミーシャに手渡すと、少し警戒しながらもその中身を飲み干す。



「落ち着いたか?」


「……どうも」


「なら良かった」



 ミーシャが無愛想に頷く。


 そうそう、ゲームでもエルシアが話しかけたら同じような反応だった。



「……私は、どうなるの?」


「別にどうもしない。自由は無いが、もう拷問もしない」


「ずっと、この地下牢に囚われたまま?」


「ふむ。部屋を与えてやっても良い。出ることを許さないから、軟禁だな」


「……分かった。んっ♡ んぅ?」



 ミーシャが苦しみ始めた。


 呼吸が乱れており、顔が赤く、白い太ももを閉じてもじもじしている。


 俺は白々しくミーシャに声をかけた。



「どうした? どこか具合が悪いのか?」


「んっ、何でも、ない♡ 寄るな♡」



 ミーシャの体調不良の原因は分かっている。


 さっきエリクサーの後に飲ませた液体、あれは淫魔の体液から作った媚薬だ。


 一滴飲ませるだけでも三日三晩、ノンストップで夜の勝負を続けられるようになる超強力なお薬である。


 これを飲ませたら、その気の無い相手もノリノリのエッチな子にジョブチェンジ!!


 栄養剤としての効果もあり、媚薬の効果が切れるまでは食事も水も必要としなくなるスーパードスケベお薬だ。


 魔王城の売店で安価で売ってます。



「部屋まで移動するぞ」


「あ、やだ、触らないで……♡」



 嫌がるミーシャを無理矢理立たせて、地下牢の外に出る。

 ミーシャの股ぐらから水が滴り、魔王城の廊下をびしょびしょに濡らした。


 足腰に力が入らないようで、ミーシャは俺の腕にしがみついて震えている。


 ……かわいいな。


 ゲームでは兄に近づくエルシアを様々な手で排除しようとするヤンデレ妹だったが、こうしているといじめたくなる。



「着いたぞ。ここがお前の部屋だ」


「あ、う、うぅ……♡」



 部屋に到着したが、ミーシャはもじもじして俺から離れようとしない。


 ちらりとミーシャの顔を覗き込むと、彼女は女の顔をしており、俺の股間の魔剣をまじまじと見つめて欲しがっているようだった。


 俺はミーシャをベッドに押し倒す。


 エルシアやマナからは許可を貰っているが、十三、四歳くらいのミーシャを抱くのは背徳感があるな……。


 エルシアの目論見通りに事が進むのか。


 俺は疑問を抱きながらも、ミーシャを隅々まで美味しくいただくのであった。






―――――――――――――――――――――

あとがき

どうでもいい小話


作者「その媚薬欲しい」


デ「使い道ないでしょ」


作者「貴様は作者の心を傷つけた」



※なお、この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。


「このハーレム野郎が」「女の子が酷い目に遭うと興奮する? 分かる」「わいも使い道ないけど欲しい」と思った方は、感想、ブックマーク、★評価、レビューをよろしくお願いします。

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