第14話 やられ役の魔王、親衛隊隊長になる
「はあ、はあ、ディアブロ様ぁ♡」
「今日は随分と甘えたがりだな」
「甘えたがりな私はダメですか? あんっ♡」
「俺がダメなんて言うと思ったのか?」
教会の女神像の前でエルシアと激しく愛し合った俺は、疲れた様子でしなだれかかってくるエルシアのおっぱいを揉みしだいた。
やっぱりエルシアのおっぱいはいくら揉んでも飽きないな。
たまにお尻を撫でるといっそう甘えた声を漏らすから可愛いが終わらない。
エッチの途中も俺の油断した隙を見計らっては熱烈なキスをしてきたし、今日は特に感度も良いようだった。
ずっとこうしていたいところだが……。
生憎とここは魔王城ではなく、俺は一般魔族で新入りの兵士である。
「そろそろ真面目な話をするか」
「んっ。真面目な話をするなら、おっぱい揉むのをやめたらどうですか?」
「これは俺のもの。何をしても俺の自由だろう?」
「……まったくもう♡ その通りですけど♡」
というわけで、俺はエルシアの身体を堪能しながらアヴァン城で生け捕りにした少女のことを話す。
「え!? ミーシャちゃんを生け捕りに!?」
「ああ、エルシアに任せようと思ってな。それとも殺した方が良かったか?」
「いえ、いいえ!! ふふ、もっと復讐が楽しくなりそうです!!」
エルシアが邪悪に嗤う。
喜んでもらえたなら良かったが、エルシアはミーシャを使って何をするつもりなのだろうか。
少し気になるな。
まあ、俺の活躍でエルシアが復讐をより楽しめるようなら何よりである。
と、その時だった。
「あ、あのー、そろそろよろしいのです?」
「え? あ、マロンちゃん!?」
恐る恐ると言った様子でエルシアの副官、ロリサキュバスのマロンが教会の入り口からこちらを覗いていた。
エルシアは慌てて俺から距離を取り、激しい行為で乱れた服装を整える。
ああっ、もっとお触りしたかったのに……。
「ど、どうしたんですか? マロンちゃん」
「いえ、その、暴れるだけ暴れ回っていたエルシア軍の皆が集まってきたので、何か指示をいただけたらな、と。……その、お邪魔してごめんなさいなのです」
「い、いえ、それは平気です。もう十分可愛がってもらったので。……じゃあ、ディアブロ様も行きましょうか」
「ああ。帰ったら続きをしような、エルシア。いや、エルシア様?」
「……もう。早く行きますよ!!」
まだ甘え足りなかったらしいエルシアをからかうように言うと、彼女は頬を膨らませた。
そういうところが可愛いんだよ。
などと考えながら、俺はエルシアの後ろを歩いて教会を出る。
教会の外には大勢の魔族たちが集まっており、俺はその中に適当に紛れて並ぶ。
すると、真っ赤な髪と瞳の長身美女が人懐っこい笑みを浮かべて話しかけてきた。
「今度は何やったんだよ、新入り?」
「む、リュクシュか。別に何も悪いことはしてないぞ?」
「魔王妃様から二度も直々に呼び出されておいて何もしてないってこたないだろ? なあなあ? オレにだけでも教えてくれよ?」
そう言ってリュクシュが耳元で囁いてくる。
リュクシュは元々リザードマンだが、進化して絶世の美女になった。
そのせいか、どこかふわっとした良い匂いが漂ってくる。
さっきまでエルシアとのイチャラブエッチで性欲は発散し切ったと思ったのだが……。
目の前でリュクシュの大きなおっぱいが『どたぷんっ』と揺れるせいで、下半身に携えた魔剣が暴走しそうになる。
「んだよケチぃ。あれか? 守秘義務的な奴か?」
「まあ、そんなところだ」
「なら仕方ねーか。あ、そうだ。今度酒でも飲みに行こうぜ、お前の驕りで!! 賭けの権利を使うから拒否権はナシな」
リュクシュが半ば強引に決めてしまう。
酒、か。酒の勢いでマナを抱いてからは人前で飲まないようにしていたが……。
たまには良いかな。
リュクシュはたしかにエロい身体をしているが、彼女は仕事仲間というか、仲の良い友達という認識が強い。
間違いを犯すことはない、はずだ。
「皆、静かにするのです!! エルシア様から大切なお話があるのです!!」
と、そこでマロンがエルシア軍の皆の前に立ち、声を張り上げた。
マロンが一歩下がり、代わりにエルシアが一歩前に出る。
「皆さん、お疲れ様でした。報告を見る限り、しっかり皆殺しにしてくださったようで何よりです。ああ、捕虜は一部を除いて好きに使って良いですよ。本当は殺してと懇願してくるまで苦しめてから殺して欲しいですが……。今回は本番ではありませんから」
今回の戦いはエルシアにとって、ただの練習に過ぎないものだった。
少し前にアルヴェラ王国の王都を襲撃した際、兵士数人を殺したらしいが、今回は一人二人を殺すのとはわけが違う。
文字通りの大量虐殺である。
自分の手で大勢の人間を死に追いやることができるのか。
今回の戦いはその確認の意味合いが大きく、彼女にとっては本番ではない。
可哀想なのはアヴァンの街の次の街だ。
エルシアは次の街をより惨たらしく滅ぼすと言っていた。
教会でエルシアとイチャイチャしていた時に聞いたことである。
「さて、皆さんの中でも特に頑張ってくださった方には魔王妃権限で褒美を与えます」
「「「「おおおっ!!!!」」」」
魔王妃から直々に褒美が貰えるというのは相当嬉しいらしい。
一体誰に褒美が与えられるのか、皆がそわそわし始めた。
「では、まず一人目。アデロ!!」
「え? お、おい、新入り!! お前じゃねーか!!」
「そ、そうだな」
エルシアが最初に呼んだのは、他ならぬ俺の偽名だった。
リュクシュにドンドンと強く背中を叩かれて、俺は前に出る。
「アデロ。貴方は今回の戦いで最も敵兵を始末し、ある捕虜を捕まえました。その褒美として、新設する私の親衛隊部隊長に任命します」
なるほど、エルシアの奴め。
常に俺と一緒にいたいから親衛隊なんて適当な部隊を作ったんだな。
本当に可愛い奴である。
と、それを聞いたエルシア軍の魔族たちがざわざわと騒ぎ始めた。
「親衛隊、ですって?」
「くっ、私だって活躍したのに!!」
「エルシアお姉様とお近づきになれるなんて、そんなの魔王様にしか許されませんわ!!」
「まあ、人畜無害そうな方ですし、大丈夫でしょう」
「そうですねー」
残念ながらエルシアはさっきまで俺の魔剣で女の顔をしてたんだぜ、とエルシア軍の魔族たちに言ってやりたい。
というかエルシアって、かなり人気なんだな。
特に女性魔族から好かれているのか、お姉様呼びまでされているとは。
「あれオレの後輩!! あれオレの後輩なんだよ!!」
と、整列するエルシア軍の後ろの方でリュクシュが周囲に自慢している。
小学校の運動会で活躍してる子供を応援する親みたいだな……。
それからエルシアは数人の魔族に褒美を与え、次の指示があるまで待機しておくよう命じた。
「では私は魔王様にアヴァンでの戦いを報告しに一度魔王城へ戻ります。人間たちが街を取り戻しに来たら、壁を閉じて時間を稼ぐように」
「はいなのです!!」
「アデロ、行きましょう」
「了解です」
俺を含めた数人の魔族を供として、エルシアは一度魔王城に戻った。
俺への報告と言っていたが、おそらくはマナに顔を見せたいのだろう。
ちなみに捕虜となったミーシャも一緒だ。
魔王城の地下牢に閉じ込めておけば逃げられることもないだろうからな。
「おかえりなさい、ディアブロくん。エルシア」
魔王城に帰ると、マナが朗らかな笑みで俺たちを出迎える。
俺はその日のうちに二人を抱き、めちゃくちゃエッチしまくるのであった。
やっぱり母娘丼は最高ですね。
―――――――――――――――――――――
あとがき
どうでもいい小話
作者「見える、見えるぞ!! ディアブロがリュクシュとズッコンバッコンやらかす未来が!! 死ね!! 貴様は有罪だ!!」
デ「い、いや、そんなことは……」
「エルシア、エッ」「リュクシュかわいい」「作者の嫉妬で草」と思った方は、感想、ブックマーク、★評価、レビューをよろしくお願いします。
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