今日の君と明日の自分

@EMA0315

優しい君と僕

僕の隣の席の吉田さん。

彼女は俺と小学校の頃から幼なじみ、優しいとクラスの皆からそう思われている。だけど僕だけは分かる彼女はただ優しいだけじゃなくて本当に優しいのだ。

本当の優しさとは何かと定義付けるのは難しい、自己犠牲の精神?誰にでも手を差し伸べる心?あげれば色々あるが僕は一つだけこれと言うものを知っているそれは純粋な優しさ。また曖昧な物を上げたがこれは簡単に言うと見返りや下心なく人に優しくできるということだ案外純粋な優しさというのは難しい誰だって人に優しくしたりする時大抵無意識でも何か下心とまではいかなくとも何か考えていると思う例えば人に優しくすると自分も気分がいいだとか抜かす奴がいるがそれは自己満だし大抵お礼が言われたい恩着せがましい奴に過ぎない

その点彼女は違うのだ。彼女はデフォルトが優しいので優しくしない以外の選択肢がない

のだ、例えどんな酷い仕打ちをされても優しい言葉、優しい行動それしか返せない

用はそれ以外の返し方が分からない存在しない馬鹿とも言える

僕はそんな彼女が嫌い…いや苦手だ

かく言う僕も周りからは優しい戸田として思われている。これは自画自賛などではなくあくまでも客観的に見てだ。小学生の頃人見知りだった僕は友達がほぼゼロに近い状態だった。自分に自信がなくいつもクラスの人気者ばかりと妬んでいたがこのままではいけないと何かを変えようと思ったのだ。そこで誰かを参考にしようとクラスの人気者を真似れば教室を凍りつかせ一番モテるやつを真似れば女子から悲鳴や逆に女子が離れていく秀才を真似れば間違った努力をして体を壊し天才を真似しようとしたが凡人には無理で全てが失敗に終わったのだ。諦めかけたその時だった運動も勉強も顔もコミュ力も才能も何もかもが普通なのにクラスの中心にいた吉田さんの存在に気づいた。気づいた当時は不思議でしょうが無かったあの”優しいだけ”の吉田さんが何故人気なのかと…

そこからだ僕の吉田さんを観察する日々が始まった

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