6

 久方ぶりの漢気を発揮したせいか、反動で体調が思わしくない。そんなGW後半の憂鬱なベッドの中、淡い期待を抱いてメッセージを送信した。

 確か、「この前はどうも!」みたいな他愛もない内容だったと思う。まあ返事など来ないだろう、女っ気の無いここ数年の童貞化が心を蝕んで、そんな考えしか出てこない。まったく、こんな事では結果が出る前に気が塞がる。腹も減ったし、気を紛らわすべく、馴染みのつけ麺屋に行こうと準備しているとスマホが鳴った。

 「返事が来た!」やっぱり君は優しい。

 その後、日を跨いで何通かメッセージのやり取りをして、通話をするに至った。よき親交の流れを自然と辿っていたのである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る