第23話 恋人とのクリスマス 2
わたしはリディアに体を委ねた。彼女の好きなようにしてもらう。
リディアはわたしの唇をゆっくりと啄んだ。丁寧に、優しく。この世界に実際に存在していることが伝わってくるような温かみがわたしを包み込む。
初めは唇同士を触れ合わせていただけなのだけれど、今度はリディアがわたしの口内に舌を入れてくる。リディアが満足するまで、わたしはキスを続ける。
時々甘い声を出してくれるのが嬉しかった。ゲームではまったく聞くことのできなかった、リディアの矯声。それをわたしだけが聞くことができるなんて、なんと贅沢なのだろう。
キスが終わると、今度はリディアはそっと自分の乳首を指でなぞっていた。長い指先が、綺麗な形の乳輪の縁を走る。
「舐めなさい」
会ったばかりの頃のツンツンしていた頃の命令口調のリディアの声にゾクっとする。そんなの従っちゃうに決まっている。
わたしはリディアの綺麗なピンク色の乳頭に舌を這わせた。乳頭の縁をなぞるようにしてゆっくりと舐めていくと、リディアが「ヒャッ」と小さな声を出した。わたしがリディアを感じさせられてるんだと思うと、嬉しくなる。
リディアにもっと気持ちよくなってほしい。リディアの乳頭を舐めながら、左手の指を膣内に入れた。リディアの体がビクッと震える。
リディアの中は、すでに愛液でほんのり濡れていた。膣内をかき混ぜてみると、指先に触れるリディアの愛液はどんどん増えていった。時々喉の奥から可愛らしい声を出しながら震えるリディアの様子が可愛らしかった。
少しの間リディアが気持ちよさそうにしてから、口を開く。
「誰が勝手にそんなところに触れていいと言ったのかしら?」
また冷たい声。この声を聞くと、ゾクゾクしてしまう。リディアも、きっとわたしが喜んでいるのを分かった上で、耳元で囁いてくれている。その事実も相まって、わたしは体を震えさせた。気高いリディアが、わたしのことを喜ばせようとしてくれている事実が嬉しかった。
「あなたには罰が必要ね」
リディアの罰。一体どんなことをされるのだろうか。
ドキドキしていると、今度はリディアがわたしの膣内に指を入れてきたのだった。わたしもリディアと同じようにヒャッと声を出したら、空いているの方の指で、リディアがわたしの鼻の頭をピンと弾いてきた。
「痛っ」
「声出したら、ダメよ」
リディアが膣内をかき乱しながら伝えてくる。
体の内側からかき混ぜられて、グルグルと脳内が回っている気分になる。ヤバい、こんなにも気持ち良いのにノーリアクションは難しすぎる。でも、これはリディア様の命令だから、拒むわけにはいかない。
わたしはリディアの首元に手を回してギュッと力一杯抱きついて、息を荒げながら、舌を出した。
「リディア、これヤバいよ……」
「声出したらダメって言ったでしょ? あなたはわたしの命令に黙って従いなさい」
「ひゃい……」
はい、と頷きたかったのに、まともに舌が回らなかった。推しがわたしのことを全力で愛でてくれている現実が、さらにわたしの頭の中をグルグルにしている。もう何も考えられなくなってきている。ただ息を荒げて声を出さないように我慢するしかない。
リディア、ヤバイよ。めちゃくちゃ気持ち良いんだけど……。
わたしが何者なのかもわからなくなりそうなくらいにグルグルにされてしまった後、最後にリディアが尋ねてくる。
「明日アルバイトあるのよね?」
「ひゃい」
「なら最後にとっても楽しいことをしておいてあげるわ」
何だろうか、すでにとっても楽しいのだけれど、と思いながらリディアを待っていると、リディアの口がわたしの首筋にくっつけられた。ギュッと刺激的な感覚がやってくる。
リディアがわたしにキスマークを付けているみたいだ。少しして、わたしの首から口を離したリディアがそっとキスマークの場所を撫でてくる。リディアがわたしのことを愛してくれている証拠を残してくれた。
「これで、詩織はわたしのものだわ」
妖艶な笑みを浮かべるリディアが麗しすぎて、わたしは頭から湯気でも出てきてしまいそうだった。
「リディア様しゅきぃ」
「わたしもよ」
リディアがわたしの頭をソッと撫でてきた。
そのままわたしはベッドにうつ伏せで倒れ込んだ。力が抜けた。リディアにいっぱい愛されて、体のスイッチが切れてしまったみたい。
「あれ、詩織、どうしたのよ?」
不思議そうに尋ねてくるリディアの声は、冷たい悪役令嬢から、無邪気な美少女のものに戻っていた。
「リディアのことが好きすぎておかしくなっちゃいそう……」
「わたしも詩織のこと大好きだから、一緒におかしくなったらいいわ」
そのまま毛布に包まれたわたしたち。リディアはわたしのことを抱き枕みたいにして眠っていたのだった。
一晩中リディアの温かさに包まれたわたしは緊張して、ほとんど寝付けなかった。でも、リディアも頻繁にわたしの抱きしめ方を変えていたから、あまり熟睡はできなかったのかも。リディアも緊張してくれていたのなら、嬉しいな、なんて思う。
昨晩は気持ち良さでぐるぐるし続けていて、何も考えられなくなっていたけれど、朝になって目覚めると、わたしはすっかり正気に戻っていた。そして、昨日のできごとを思い出して、冷や汗をかく。
「ちょ、ちょっとリディア! キスマークどうするのよ!!」
慌てて服を着たわたしは、お昼からのアルバイトに間に合わせるように準備を進めていたのだけれど、まだしっかりリディアの付けたキスマークが残ってしまっていた。
「いいじゃないの。わたしからの愛の証なんだから、嬉しいでしょ?」
「嫌じゃないけど、外行く時には困るんだけどぉ!」
「あんまりうるさかったらもう一個つけちゃうわよ?」
「これ以上増やさないで!」
とりあえず行き道はマフラーで隠せるとしても、さすがに飲食店ではマフラーつけっぱなしでは仕事はできないし……。どうしよう……。そうこうしている間に出発しないといけない時間になってしまっている。
「ああ、もう! 行ってくるから、ちゃんと家でお留守番してるんだよ?」
わたしはリディアの付けたキスマークをさすった後に、マフラーを巻いておく。リディアも玄関先まで見送りにきてくれていた。
「はーい。大人しく家にいるから、帰ったら昨日の続きしてもいいわよね?」
「……キスマークつけないんなら」
「それはその時のわたしの気分次第ね」
クスッと笑うリディアの可愛らしい顔を間近で見せられてドキッとしてしまう。リディアが微笑むだけで、わたしの体が熱くなってしまう気がした。
「じゃ、じゃあ行くからね!」
わたしが慌ててリディアに背中を向けようとしたのに、その前にリディアがわたしの体を抱き寄せてキスをした。
「ひゃっ!?」
「行ってらっしゃい」
またリディアが微笑んだ。流れるようにキスをされてしまい、心が弾んでしまう。わたしは逃げるようにして外に出た。
「ほんと、心臓に悪いよぉ……」
たった一晩だけで、どれだけリディアにドキドキさせられてしまっただろうか。
「でも、これからは彼女として、ずっとリディアと一緒にいられるなんて、きっと楽しい日々になるんだろうなぁ」
そんな風にワクワクした気持ちと、ふわふわした足取りでバイト先に向かった。この時のわたしは、これからもずっと、リディアと一緒に楽しい日々を過ごせることに何の疑いもなかった。リディアはこれからもずっと、こっちの世界でわたしと一緒に過ごすんだ、って。
そう思っていた……。
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