第5話 城塞都市エルダン
ロイドを乗せた馬車にはねられそうになって2時間弱が経ち、ようやく城塞都市エルダンに到着した。
城門に差し掛かると中世ヨーロッパのようで使われてそうな金属防具を付けた衛兵のような奴がやってきた。
「ようこそエルダンへ、ギルドIDはお持ちですか?」
と言いロイドは腰のバックから一枚の金属製のカードを衛兵に渡した。
「はい、確認しました。そちらの方はギルドIDはお持ちですか?」
衛兵は続けて私の方を見て言った。
「申し訳ありません、田舎から出てきたばかりで持っていなくて…」
「そうですか、では仮入場証の発行に銅貨4枚かかりますがよろしいですか?」
(困ったな…この世界の金なんてないぞ…)
するとロイドが腰のバックから財布を取り出し、衛兵に銅貨4枚を渡した。
衛兵は銅貨を確認してバックから仮入場証の金属カードを私に渡して「良い一日を!」をと言い去って行った
「申し訳ありません、ロイドさん…」
「いえいえ、困ったときはお互い様ですよ!それに風狼からを守ってくれましたし、これでも少ないくらいですよ」
城門の中に入ると馬車のターミナルのような場所があり、そこで馬車を降りた。
「改めてロイドさん、先ほどは本当にありがとうございました!」
「いえいえ、先ほども言った通り風狼に襲われた時に助けていただきましたし、このくらいは当然ですよ!」
「そう言ってもらえると助かります」
「ではこれでお別れますね…短い間でしたが楽しかったです」
「こちらこそ親切にいろんなことを教えていただきありがとうございました、
最後に聞きたいのですがギルドIDとは何ですか?」
「ギルドIDは各ギルドが発行してる身分証の事ですよ、私は商人なので商業ギルドのギルドIDですね。ちなみに途中で倒した風狼は冒険者ギルドで換金できますよ」
「なるほど、最後の最後までありがとうございました」
最後に握手をして二人は別れた
城塞都市エルダンはこの国の第二都市と言われるだけあって栄えていた。
都市の真ん中にある大通りでは露天商が大量に出店していた。
オノダは結局日が落ちる直前まで町を散策した。
(さて、今日はもう暗くなりかけていますし、この辺りにして『冒険者ギルド』とやらのところに行きますか)
そう思い、近くの衛兵に声をかけ、冒険者ギルドへの道を聞いて歩き出した。
ロイドが言っていた通り、軍隊がいっぱい常駐してるってこともあって
ちらほらと衛兵がパトロールのようなことしているのが見受けられた。
(これは…ここで人体実験のために人攫いをするのは難しそうですね…
かと言って合法的人を入手すれば記録が残ってすぐに行政に気づかれてしまいそうです…)
大通りを歩きながらそんなことを考えていた。
(幸いスラムがありますし、あそこなら人が消えてもバレなさそうですね…
ついでに拠点もスラムに作ればバレる心配も暫くは大丈夫でしょうし)
オノダはスキップしながら鼻歌を歌い今後の計画を画策していた。
(正直なんでもいいですから人で実験をしたいですねぇ~)
そこにロイドとの会話の時の姿のような『誠実』という言葉の欠片もなかった。
ついに悪魔が本性を表したのである。
「あぁ、考えるだけでも心が躍りますねぇ~」
そんなことを考えいるともう冒険者ギルドの前まで来ていた。
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次回閑話です
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