第5話 復讐
しかし、次の日から俺の隣の席は空席になってしまった。
彼女が来なくなってから学校が何か物足りなく感じる。
最近は暴力沙汰などせずに平穏な学校生活で楽しい生活を送れていたし、何なら学校へ行くことが楽しかった。
最近は家を出る前には気崩していた制服もちゃんと着るようになったし、見る景色も一段と明るくなったような気がする。
そんな風に感じ、自分の中での彼女の存在が大きかったことに今更ながら気付いたのだった。
このまま来なくなってしまえば退学してしまうのは自分ではなく彼女かもしれない。
そう思った俺は彼女を探し始める。
いつも尾行していた道を放課後歩いて回る。
いつも立ち寄っていたお店、公園。
しかし、どれだけ探しても、
そんな時、再びあの女に呼び出される。しかも、休日に。
俺は嫌な予感がしたが集合場所のショッピングモールに向かう。
集合場所に到着すると、すでに
「遅い、行くよ。」
そう言って、彼女はそそくさとある場所に向かって歩き始めた。
そして到着したのは映画館だった。
「はい?映画見んの?」
「な訳ないでしょ。あれよ。」
そう言って彼女が指を指した方向を見るとそこには
「写真撮りなさい。それを私にくれれば約束のお金あげるわよ。」
「その写真どうするんだよ。」
「どうするって、決まってるでしょ。晒すのよ。学校を休んでいる
「何でお前はあいつに退学してほしんだ?」
「鬱陶しいのよ。何にもできないのに、男にはモテて。私の、、、、。私の邪魔までして。どうしてあいつがいい目を見て、私が悪い目を見なきゃいけないのよ。」
「そうか。」
その言葉を聞き、俺はボタンを押す。
ピッ
という電子音が鳴り響く。
「それじゃあ、その写真私に送りなさい。」
「写真?撮ってないけど。」
そう言う俺の手にはカメラではなく、ボイスレコーダーが握られていた。
「ありがとな。用意してきて正解だったわ。」
「それ、渡しなさい。」
そう言ってボイスレコーダーを奪おうとしてくる。
「無理だ。これは学校に提出する。」
「そんなことさせるわけないでしょ。」
「これを学校が知ったら退学するのはお前かもな~。」
「あんたのことを誰が信じるのよ。」
「さすがに今回は証拠があるからな。」
彼女は少し黙り込むと、
「……学校に提出するのだけは辞めて。もうしないから。
何でもするから。……お願いします。」
彼女は涙目になって俺に頭を下げてお願いしてくる。
「そうか。じゃあ、これを学校には提出しない。その代わりお前の親には見せる。
そんで、
その言葉に彼女は肩を落として、頷いた。
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次回 最終話
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