第26話 口は災いの元とはよく言ったものである。
その後、僕は3日3晩。
僕は確かに
「この色ボケ
しびれを切らしたのは白虎だった。
「……白虎かい? 人聞きが悪いなあ。誰が色ボケだって?」
にこにこと引き攣った笑顔で
「お前……その髪……」
「うん。リンのおかげかな。元に戻ったんだよ」
「白虎? 来てるの?」
「リン?いるのか?」
「いいよ白虎。おいで。リンに会わせてあげるよ」
「リンが四神の居場所を作ったんだ」
「あったかい。それに力がなんだか湧いてくるぜ」
「そうか。良かった。本来の聖廟殿 《せいびょうでん》の機能が回復したな。このまま偵察に出るからしばらくリンを頼むよ。白虎」
「わかった」
「白虎ぉおっ。会いたかったよ~。僕のモフモフ!」
部屋の奥で両手を広げて僕は白虎にしがみつく。
「おう。元気か? ……お前も金髪になっちまったんだな」
僕の頭の上にも角が生えている。だけど
「ん~? これが元の髪の色なんだって。それより獣体になってよ」
「いいけど……」
「
「リン。お前、本当に
「何言ってるのさ。見かけが変わっても僕は僕だよ」
「おう。そうだな。お前らしいよ。おかえり
白虎がちょっと寂しそうな笑顔で僕に話しかけてくる。
言っちゃおうかな?どうしようかな。
「ん?なんだ?言いたいことがあるなら言えよ」
「ありゃ。どうしてわかちゃうのかな?」
「だって、お前はすぐに顔に出るじゃねえか」
「え~。それって前に
「凛か。玄武の
「まあね。僕も青龍かな?と最初は思ったけど、そうじゃなかった。彼は玄武の番だよ」
「言い切れるのか?」
「うん!だって僕には四神の
「……へ?」
白虎が唖然とする。
「あ、えっとさ。ここに来た時はもちろんわからなかったよ!徐々にだよ。
「そ、そうなのか!じゃ、じゃあ俺の番ってのも……」
「うん。わかるよ。聞きたい?」
「……あ~。ん~。ちょっと待ってくれ。心の準備が……」
「くすくす。だよね。じゃあさ、ここだけの話で、他の四神の話をすると。朱雀の番はまだ現れてはいない。彼はいまだに
「それってお前はいいのかよ!」
「良いも悪いもそれを決めるのは
「なんだよ。惚気かよ」
「ははは。惚気ではないんだけどね。
「そういうものなのかよ」
「うん。後は青龍だけど、近いうちにまた時空が歪む気がする」
「また邪神のせいか?」
「いや違うかも?そこまでは僕もまだわからない」
「じゃあ、お前と同じ異世界からくるのか」
「おそらくはそうじゃないかと思う」
「むむ。そうなったらまたややこしいかもな。リンはちゃんとこちらの世界に馴染んだが、それは
「だから僕がいるんじゃないの?」
「お前が?」
「うん。僕の役目って
「ほ、本当なのか!」
「たぶん……。そんな気がするんだよ」
「じゃあ、じゃあ本当に俺の……」
「うん。きっとその子は……」
「わあ!待て待て言うな!頼む。まだ言わないでくれ」
ふぅ、ふぅと白虎が息を整えている。
「ふふふ。どうする?」
「俺の番は居るんだな?」
「うん。居るよ」
「わかった!わかったからそれ以上は今は良い」
「え?聞かなくて良いの?」
「ああ。そういうのは運命だと思うんだ。だから俺自身が俺のチカラで見つけたい」
白虎がカッコ良すぎる。
「そっか!ふふふ。やっぱり僕は白虎が好きだよ」
「おう!
最初はどうしようかと思ったけれど。今はこの世界が愛おしい。僕に過保護すぎる
皆それぞれ自分の領分をわかっている。この世界を護ってくれている。
今度は僕がこの世界を護って行く。僕はこの世界が好きです。
了
異世界で眠りの麒麟と皇子でない僕が結ばれ溺愛されるお話 夜歩芭空(よあるきばく) @yukibosiren
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