第21話 麒麟の儀式*
*は念のためにつけてますが直接的なレィティング表現はありません(R15)
「さあさあ、準備は整いましたぞ!
数日たって騒々しく現れたのは大司教とその取り巻き達だった。
彼らは僕たちに
「ねえ、いったい
「えっと寝ている私に刺激を与える儀式……かな?」
「え……? それって?もう起きてるから必要ないんじゃ?」
「ささ、寝床に連れて行ってくだされ。私共もこの日の為に
その言葉に僕は青ざめた。契りって、もしかして。もしかするの?
「はああ?! 何言ってるの? 僕と
「はっ。あの……さわりだけでもいいので。儀式として……」
司教たちがしどろもどろに答えだす。きっと信者にとっては大事な儀式と伝わっていたのだろう。
「大司教よ。悪いがさすがに
大司教や取り巻き達がうっとりと
侍従達が簡易の台の上に供え物をし、信者達が舞いを踊るのを一通り見た後、
「皆、
ひとしきり口上を述べると、僕に向きなおし、ニカっと笑うと頬に一つキスをした。
ほお~~~っという信者の歓声に気をよくしたのか、
ん~。これってちょっとやりすぎだよね? 僕見られてスル性癖はないよ!
僕は信者に見えないほうの
「いてっ……」
「今日は皆様、お集まりいただきありがとうございました。私たちはこのとおり元気で仲睦まじくしておりますので今後ともよろしくお願いいたしますね」
◇◆◇
「なんだよ
僕がぷりぷり怒ってると、にこにこしながら
「ふふ。ごめんよ。でもね、未だに皇子の影響から抜けれない侍従もいてね、実際に
そうか。侍従達は毎日皇子の世話に明け暮れていたのだから仕方ないような気もする。
いきなり
「
「いやだ。ここには他の者をいれたくないんだ。せっかくのリンとの蜜月なんだから」
「み……蜜月?!」
僕が真っ赤になってあわててるとくっくっくと笑い出す。
「か、からかったな! もぉ
「いやいや。可愛いなって。からかってなんかないよ。本気で言ってるんだよ」
一緒に居ると暖かいし、安心するし、目が合うだけでも落ち着くしチカラが湧いてくる気がするから不思議だ。
寝る前に
だからと言って無理やりに僕を襲う事もない。そうすべては僕次第なのだ。
「霊獣にとって
甘く響く低音が耳から犯されていきそうになる。
「うぅ……このイケメンボイスめ……」
言ってることはエロ過ぎるのに拒めそうもない。
「私は目覚めたばかりで。朱雀の地に遠出をしないといけないしチカラが足りなくなるかも」
「う……」
「一番活性化できるのは身体と心を繋げる事なんだけどな。二人だけの
「んもぉ。どうしても僕に言わせたいんだね!」
「ふふふ。うん。言って欲しいんだ」
「……
「リン! リン! 優しくするよ! いっぱいいっぱい!」
「ええ? いっぱい?」
「ここは私とリンだけの寝床だ。ここで私たちが繋がれば
そうだったのか……。それで
「いっぱいチカラを感じて。リンが感じてくれると癒しのチカラが増大するんだ」
ひゃあっ。そんなの恥ずかしい!ってその言い方! 感じるとチカラが増すって……。
「もぉばかっ。エロ
「うん。私はリンの前ではただのバカでしかないよ」
だめだ。何を言っても今の
「リン。愛してるよ。もう離さない」
甘い囁きと共に
苦しい。だけど不快感はなく、暖かいチカラが入ってくる。
――――ああ。
「リンは暖かいね。ぁあリン。恋しかった。寂しかったんだ」
「ふふっ……くすぐったいよ……」
「うん。体温を感じる?もう透けてないよ。もっと私を感じて? 」
「ばっばか。何言ってんの!どっかのエロ監督みたいな台詞じゃん!」
「ふふふ」
まだ緊張して強張る僕を微笑みながら抱きしめる腕の力が強くなる。。
「リンは心も身体も暖かいね。癒されるよ」
静かに抱きしめあうだけでチカラが流れてくる。
重ねた手のひらから腕に背中に這い上がると脳天を通り越してお腹へと下がる。
そしてそのチカラは
「ぁあ、リン。凄いね、チカラが循環して活性化されていく」
うっとりとした様子の
「もう。イケメンオーラ全開すぎる。僕には耐性がないのに」
そうだ。恋愛経験がない僕にはこんなに整った顔を間近で見ることはなかった。
「リン、何言ってるんだい。君もとっても綺麗だよ!」
「ばっばか……な、なにを言って……ん?」
ドキドキが更に加速すると激流に飲まれ押し流される様にチカラが大きく循環する。身体の中に走るたびにチカラが頭の中がスパークするみたいだ。ひとつまたひとつめくられるように記憶が浮かび上がってくる。
そうだ。僕の中には
「リン。愛しい私の
僕の心配がそのまま
「……ってことはこのまま
「正確には
「そうなのか……」
「私はリンが人でも
「
「リン。君の口からそんな風に言ってもらえるなんて嬉しいよ!」
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