第18話 麒麟のつがい*
*は念のためにつけてますが直接的なレィティング表現はありません(R15)
「リン、その……よかったのか? わ、私で……」
「何言ってんの!
「それはそうなんだけどさ。白虎はリンを守るチカラもあるしカッコいいし」
「うん。そうだよ。白虎はいつも僕を守ってくれるしとってもカッコいいよ」
「うっ……」
「だから何?
「リンは白虎が好きだったんじゃないの? その
「まあったく! 何をウダウダ言ってるの! 癒しの霊獣が聞いてあきれるよね!」
「ううう。すみません……」
「怒ってるんじゃない。少しは僕を信用してよ。僕はもう自分が
「だ、だって私はずっと見てるだけで何もできなくて……」
「そうだね、今まではね。でも僕を穢れから助けようとして実体化してきてくれたんでしょ?
「うん。リンの中の
リンが
「ぐずぐず言うくせに僕より身長が高いのが気に食わない。ベットに座って!」
「はい」
言われるままに
「わわわ! り、リン? 何を?」
「何をって僕から誘わなきゃ、何もできないでしょ?」
「そ、そうだけど。いやいや……えっと」
「それとも、永く眠りにつきすぎて愛し方も忘れてしまった?」
「そ……そんなことは。その、本当にいいのか?」
「何遠慮してるの? 白虎に遠慮してるの?」
「それも……少しある」
「
「ぺっとぉ?」
「そうだよ。可愛がって大事にして庇護したい対象」
「ん~。それって
「何言ってんの!
「もちろんそうだけど……」
「きっと白虎の
「そうなの?」
「うん。なんとなくだけど、西方の街に行った時に感じたんだ」
「白虎は知ってるの?」
「多分まだ知らないと思う。あの場面で僕がそれを言っても信じないと思ったから言ってないけど」
「リン。私は長い間、君を待っていた。待ちすぎて切なくて眠りについてしまうほどに」
「ふふ。相変わらず口説き文句だけは上手いよね」
「本気なんだよ!」
「ふふふ。わかってるよ。茶化さないとさ、心臓がもたないんだ」
――――ドキドキしすぎて。
「本当はちゃんと
「
「リン! なんて可愛いんだ! 大事にする。ずっとずっともう離さない」
「
「……リン。いいんだ。こうして戻ってきてくれたんだから。だからもう二度と離れないで」
「ふふふ。やっと、本音を言ってくれたね」
「うん。白虎の
「いいよ。僕が聞きたかった言葉が聞けたから。
「ああ! リン! 愛してる!」
僕はきっとわかってたんだ。一番最初に
でも、できるだけ考えないようにしてた。だって自分が本当に
だけど癒しのチカラを使うたびに身体の奥から記憶が呼び覚まされる。
チカラの使い方。
「リン。口づけてもいい?」
「くすっ。いいよ」
戸惑いがちにちゅっと控えめに
ああ、そうだ。いつだって
「嫌じゃないよ。
「リンっ」
怖くないと行けばウソになる。本当は怖い。だけどこのままじゃいけない。
◇◆◇
僕を膝にのせたまま
最初は
「んぁ……チカラが……」
「このまま感じて」
「活性化されていくみたい……」
「そうだよ。私たちは癒しの神。こうして互いを癒しあってチカラを高めていくんだ」
そっとベットに横たわると
額と額をあわせるとやわらかなチカラが感じられる。うっとりするような心地でキスをねだると、ついばむ様に口づけをし、やがて深いモノへと変わっていく。息が上がり呼吸が苦しくなっていく。
「
「私のチカラを感じて。目を閉じて感覚を研ぎ澄ますんだ」
「くすっ……くすぐったい」
「いやじゃないよね?」
顔を覗き込まれて体温が上がる。特に顔が熱い。
「そんなに見つめるなっ! はずかしいじゃん」
「どうして? 恥ずかしくなんてないよ。リンの身体中、全部、隅々まで見たいよ」
「なっ! 何を言うんだ……ばかっ。すけべ」
「くくく。ごめんよ。照れて可愛いかったから。ついね。リンは色が白いね。綺麗な肌をしてる。触り心地もいいしいつまでも触っていられる」
「こわくないよ。僕を思い出して。息を吐いてごらん」
「僕たちはずっと一緒で愛し合っていたよ。思い出して ……」
そうだ僕らは互いが必要で互いがすべてだった。
だけど、僕は一度転生し違う世界で生きた経験がある。そのせいか記憶をめくられる度にヒリヒリとした痛みがある。
「
「そっ! そうだよね!悪い。ゆっくりとチカラを馴染ませないとね。わかった」
急にギクシャクした動きになった
「私達は互いのチカラを循環しあって精気を高めていたんだよ」
「……うん」
「リン……っ!その顔可愛すぎるよ」
何馬鹿な事言ってるんだ。まったく。ああ、
まだ要領が得ないけど、きっと愛しいって感情を相手に向けるとチカラが循環するのかな?少しだけ僕も
「っ!リン?……チカラが湧いてくる。私にチカラを送ってくれてるの?ああこんなに素晴らしいなんて」
「へ? 何……言って……?」
「ぁあっリン!愛してる。私にはリンだけだ!愛してるんだっ」
「
チカラの循環のスピードが速まっていく。これは
体中に英気が流れる。浄化されていくような…… 僕にもう刺激が強すぎて意識が朦朧としていた。
……循環が早すぎて意識がついて行けない。頭がくらくらする。チカラの重複酔いかな?
「リン?え?リン?大丈夫?リンっ!ごめん。加減が出来なかった。わ~!しっかりしてえ~!」
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