第12話 番いたい相手と番うんだ!
「
「おう。西方は夕日が綺麗な国だぞ。なにせ俺が
「てへへへ」
そうなのだ。僕は今ベットの上で横になっている。皇子に治癒をかけた後、意識を失っちゃったんだ。急激にチカラを使ったせいだって
【リン。調子に乗りすぎだよ。でもそれは
「そんなチカラがあるなら最初から言えよっ!それならもっと早く他の四神に会わせたのに」
「怒らないでよ。僕も気づかなかったんだよ。中庭に行った時に声が聞こえたんだ」
「声が?なんだよそれ」
【声が聞こえたのか?】
二人同時に喋らないでよ……。って
「うん。木が囁く声っていうか。風の声っていうか……」
「マジかよ。リン……お前……。いや、やっぱいいや」
「なんだよ?言いかけたなら全部言いなよ」
「いや、言うとお前を困らせちまうから」
「白虎……?」
◇◆◇
「誰だ!」
突然白虎が扉に向かって声をあげた。
「
「白虎、開けてあげて」
僕が言うと苦虫をつぶしたような顔で白虎が扉を開けた。
そこには
「TVでみた中華歴史シリーズにでてきた宰相みたいだ」
「……これはこれは。なかなか面白い子ですね。思ったことをすぐ口にする」
こわっ。目が笑っていない。
「挨拶が遅れてしまいましたね。お初にお目にかかります。私めは
「はじめまして僕がリンです。白虎は僕を心配して
本能的にこういう相手は気を引き締めて
「ふむ。物怖じしない。根性もありそうです。貴方には人を思いやる気と勇気がおありですね?」
「……玄武は頭がキレるんだ。こいつには
「はっはっは。私の中には蛇がいますのでな。時間をかけて手を回し、ゆっくりとやってきて獲物を手に入れるという事もありますなぁ」
じいさんだって?見た目は青年なのに?なんかわかんないけど怖いだけじゃない。年季があるっていうのか。堂々としてて策略家って感じだ。戦になったらきっとこの人は指揮官かキーパーソンになるんだろうな。怖いな。怒らさないほうが良い相手だよね。
「貴方を敵にまわすと恐ろしいということだけはわかりました」
「ほぉ……さすがですね。なかなか頭の回転も早そうです。面倒になるなら消してしまおうかとも思ってましたが……」
「へ?!……消すって」
「
「……冗談ですよ」
いや、冗談に聞こえないよ。目が笑ってないじゃんっ。
「おや?……」
玄武が急にニヤニヤしだした。どうしたんだ?
「くっくっく。出てきたらどうですか?扉の影にいるんでしょ?
「
「ちっ。嫌な奴が来やがった」
白虎が嫌そうに顔をしかめた。
一瞬日が差したのかと思う程部屋が明るくなった。そこには赤い衣に色鮮やかな宝石が散りばめたような衣装を着た、真っ赤な髪の美女と見間違うばかりの青年がいた。
「ちっお前まで来たのかよ。ならば俺はそろそろここを出ねえと陽が陰ってきちまうじゃねえか」
「そうだ。ここからは夕暮れ時だ、白虎よ席を外せ」
「くそっ。いいか!リンに変なことしたらただでおかねえぞ」
白虎が僕に手を伸ばすのを掴んでやんわりと外す。皆の前でマーキングとやらは恥ずかしいもの。
「二重結界はもういいからね」
「ぐぅっ……」
白虎にぐりぐりされる前に却下した。
「ごめんよ。でもそうしないと四神を信用してないってことになりそうだからさ」
むやみやたらと殺戮をしないのが四神のはずだ。しかもここは
「……わかった。すぐに千里を駆けてくる」
「お前らリンに手を出すなよ!」
白虎は言うが早いか、一瞬でその場から消えた。
「なるほど。白虎を手なずけたようだな」
美青年が上から目線で話しかけてきた。
「手なずけたというか僕が懐いてるだけです。あなたが
なんだ?凄い好戦的な印象がする。僕に敵対心をもってるみたいだ。
「そうだ。私が
「はい。なんでしょうか?」
「お前が本物の
「ありません。それになぜ証拠を示す必要があるのですか?」
「それは……お前が
「見定める?」
「高貴な
なんだいったい?!最初からケンカ腰じゃないか!腹の立つ!
「そんなのわかるはずねえじゃねえか!どうしても
「な、な、なにを私に向かってそんな口を叩くなど」
「くくくっ、あーはっはっはっは!面白い!さすがは
「何を言う玄武。こいつはまだ
「証拠ならありますよ
「そ、それは……」
「あれは癒しのチカラです。仁の持つチカラの一つ。相手を思いやり、癒しを与える。貴方は傍にいたからおわかりでしょう?その子から溢れる気は
そうなのか。ふわふわ浮いてる
【こう見えても
ううっ。しまった。その挑発に乗っちゃった。
【ふふ。怒った君は凛々しかったよ。カッコ良すぎてドキドキしちゃった】
【二人とも僕にチカラをわけてくれてるんだ。だから二人にはとても感謝してる】
「朱雀……と玄武は
「……そんなことお前に言われなくても……わかっている」
「ふふふ。さすがですね。間違いない。
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