第59話 近江屋との取引


 俺達は近江屋を出て一旦町の外に出て来た、余り町の中をうろつくと何かのトラブルに巻き込まれても困るし、近江屋は絶対に手放したくない相手なのでそれだけ気を使って置いても良いと思って居た、町の外に出て来て暫く湖の畔を散歩していたがホウライ国は魔物が少なく平和が長く続いて居ると近江屋の主人に聞いて居た、なので魔石が取れるのはほぼンジョンだけでこの湖も魔物は居ないそうだ、ホウライ国にはダンジョンが2カ所しか無くてその2つ共国が管理して居て魔石の調整をして居ると言う事だった、なので俺が持って来た魔石は直ぐに何処からの仕入れだと言う調査が近江屋に来たそうだが、近江屋は正直に旅人と取引をして居ると報告をして居る様だし

俺はこの近江屋を気に入って居るので取引は継続して行く積りだ、今度俺は帰るとギルドに魔石の収集を依頼する積りでレベル5以上の魔石を集めて置く様にする。


 俺達は2日程異空間でのんびりして居て今日又町に入って来た、真っ直ぐに近江屋に行くと頼んで居た品物は全て揃っていた、それを魔石で支払い収納して行くとご主人が出て来て「この二日間はどちらにお泊りでしたか?」と聞いて来たが、「俺達は湖畔の傍にテントを出して寝た」と言って置いた、ここの湖は広大だ湖の傍は広範囲に有るので探そうとしても一苦労する筈で、そんな無駄はしない方が良いが近江屋さんは意味深な笑いを浮かべたが直ぐに消して、「そうでしたか此方で用意したらよかったですね」と言ったが、「俺は気にしないで下さい。俺達は慣れて居るので全員平気ですから」と返して置いた、それから俺は近江屋さんに聞いた「俺が買った米は水田栽培ですか?、それとも畑米ですか?と聞くとこの辺には水田しかないそうで、もう直ぐ田圃に水が入る時期に成ります」と聞いたので、俺は帰って田圃を作ると決めた家の広い中で端の川に近い方に作れば良いだろうと予定した。


 それから俺は近江屋さんに又3ヵ月後に来ると言って欲しい物をリストにして渡して置いて店を出て来た、町の外に出て湖の傍に来ていてここは風光明媚な場所でここに家が欲しく成って来たが諦めた、あまりにも俺達の居る大陸と生活様式が違い俺は大丈夫だが妻たちにはストレスに成りそうだった、サーチを掛けると周囲には人の気配が無い様で異空間に入って貰い家に転移して来た、其処で早速稲代を作る事にして用意した容器に水を張り其処に狼の毛皮を敷きつめてスポンジの代わりにした、テレビで見た事が有ったがその様にしていた記憶があった、川の方に来ていて端に畔を作り田圃にして行くと300mX100mの田圃が出来上がった、其処に川の水を大量に汲み入れて行ったが魔法で創る水より川の水が良いだろうと言う考えだ、魔法の水は純粋だ栄養分がないし真水過ぎるのが田圃には不向きの筈だと考えた、水を入れて作った田圃を魔法で搔き混ぜて数日放置して置き田の傍にハウスの様な物を作成した、其処に稲代を置き中の温度を確認すると28度と湿度が70%位だった、こんな物かもと思い一旦家に帰り休憩にして温泉に入る為に異空間に来た。


 半月ほどが経ち稲代が15cm程に伸びて来た、そろそろ植えても良いだろうと考えて魔法で植えて行くが遣り終わり毎日は厳しいなと思い出した、其処で考え着いたのが奴隷だった米作りが出来る奴隷が必要だったので、俺は皆に言ってホウライ国の近江屋に来ていてご主人に相談した、俺が大陸で米を作る為に田圃を作りそれを守り管理人が必要になったのでこの国に奴隷が有るか聞くと、「有りますよ。相場は大体金貨10枚から20枚です」と言った、俺は近江屋さんに「斡旋して貰え無いですか」と言うと「それは良いがどの様にして連れて行くのかが問題です。この国の人間を連れ出すのは無理です」と言ったが、俺は近江屋さんに「俺には魔法が有る」と言うと、近江屋さんが「やはりそうですか、ここに来るのに船で来た様子が無いし来るのが早すぎるし、私はその辺は判らないので不思議に思って居ました」と言いながら、「良いでしょう人選は私に任せて貰っても良いですか?」と言いながら「一人で良いですか?」と尋ねて来た、俺は一人か二人と言って置いて「宜しくお願いします」と近江屋さんに任す事にした。


 俺は初めてこの町を探索する事にした、近江屋さんに聞いた所ではこの町は人口が5万人程居るそうで、この湖の周辺の中心地に成るそうで米の生産が中心でホウライ国では越後に次いでの生産地に成るそうだ、道は広く余裕のある作りで所々に街灯が有るがガス灯の様で電気はまだ来て無い様だが、大陸よりも文明が進んで居るし町も綺麗で湖から吹く風が爽やかに感じられた、色々見て回り俺は有る物を発見したそれは豆腐だった、きぬこしは無さそうだが木綿豆腐があり俺は豆腐を買い占めて行く様を見た豆腐屋が不思議な顔をしていた、豆腐が次々と消えて行く様を見ていて何やら怖くなって来た様で俺は早々にその場を離れた、結局30丁の豆腐を手に入れたがその後直ぐに町を出て来た。


 その後に気配を消して先程の豆腐屋の傍に来て見ると、豆腐屋が役人を呼んだらしく数人が豆腐屋に話を聞いていたが笑いながら立ち去って行った、俺はやはりこの国では力を出すのは止めて置いた方が良さそうだと言う結論に達した、再度町の外に出て来て異空間に入るとカルカラとエリナスが居て俺を出迎えて来た、カタリナが産気付いたそうで俺がここに入るのを待って居た、そう言えばドアを固定して居るので何時でも入れるのだと言う事を忘れていた、それを利用すれば俺は世界中に行けるかもと思ったが出るドアが無いと出れない事にも気が付いた、そうは上手く行かないのがこの世の中だと気が付いたが遠くに来た時は俺が家に帰るのは何時でも出来る事は分かった。


 カタリナの所に行くとアリリカが指揮を取り乍ら、お湯を沸かしたり綺麗な布を用意したりと忙しく動いていた所に俺が返って来たので皆が安心した様になった、俺には回復魔法も有るし万が一の時にはユウタが居ると心強いので、いっぺんに皆が落ち着くのが分りてきぱきと準備が進みカタリナが無事に女の子を出産した、俺は早速カタリナに会いご苦労さん女の子だよと言って名前はサクラにしたと伝えた、カタリナは良い名前と言いながら嬉しそうにして居た、その夜に女性陣が5人が集まり相談して居た次に誰がユウタの子を産むかと言う相談だった、ウリリクはその中には入れないが一応傍に居た相談は白熱していたが結局年齢の高い順番に成った、そうアリリカが次の子供を産む権利が与えられた事にウリリクも嬉しくなった、「私の兄弟が生まれたら可愛がるど」と今から力が入って居た、俺はカタリナが無事に女の子を出産したのを確認したのでホウライ国に戻り近江屋に来ていた、其処には近江屋さんが買って来たと言う奴隷が二人いた男と女の二人で、夫婦で奴隷落ちに成って居たそうで切り離すのは可愛そうなので二人共買って来たそうだ、俺はそれを了承して費用を支払い近江屋さんにお礼を言って町を出て来た、二人は名前を与一とお菊と言った共に23歳で幼馴染で結婚して田圃を買い農業をして居たが、借金が旨く返せずに借金が嵩み遂に奴隷落ちに成ったと言う経緯を話して呉れた、おれは君たちはこの国を離れても良いのかと聞くと私たちはこの国に未練は無いし、二人で生活が出来るのであればどこにでも行くと言った、俺はそれを確かめると町を出て来て二人に話した、「今から大陸に渡り其処で米を作る事に成るが大丈夫かい、二人の生活は保障するが此処にはもう帰れない」と言うと、二人共に分かりました「宜しくお願いします」と言ったので異空間を出して中に入れ、ここで暫く居て呉れ1時間程で迎えに来ると言って俺は外に出て帰って来た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る