第一章 イースト
第5話 スライムを倒さんとす
冒険者ギルドをでて空を見るとまだ、日は頂点に差し掛かったところだ。
(まだ、時間もあるしちょっくら腕試しでダンジョンに行ってみるか)
(そうですね。ちょうど剣も頂いたことですし)
この町ファーマシスにはダンジョン イースト(魔物によりダンジョン化したキイトルダ鉱山)がある。
他の3町にはそれぞれノース、サウス、ウエスト。
ノース
サウス
ウエスト
イースト
今、先に紹介した順にダンジョンには出てくる魔物の強さが大きい。
そして、ドクタ大陸の中心、四つの町に全て接するようにある、高さは低いながらも、広く聳え立つセントラル。
ここにダンジョンを占領した魔物たちのボスがいるらしい。
(どの鉱山もまだボスは倒されていないのか?)
(はい。それぞれ討伐は進んでいるのですが、最上階にいるボスの討伐には成功していません)
(それって変じゃない?だって、強さが変わるなら、ノースの上の方を攻略できる冒険者はイーストの最上階とか簡単に討伐できるんじゃないの?)
(そうなんです。私もそう思うんですけど……)
(まぁ、行ってみれば分かるか)
そんな会話をしながら、僕らは始めのダンジョンであるイーストへ足を運んだ。
♦♦♦♦♦
(なんかダンジョンってこんな感じなのか。整備されてない秋芳洞みたいだな。転けそうになるな)
(あきよし?なんですかそれは)
(ケイでもら知らないことってあるんだな)
(私も全知全能という訳ではありませんから)
(そうなんだ)
初めてのダンジョン(正確には2回目)にそんな会話を繰り広げていると目の前に一体のスライムが現れた。
「さぁ、初バトルだ!気合い入れていくか」
(タケル様、気をつけて)
僕はギルドから貰った剣を両手で持ち、ちょうど剣道の構えのような格好を取り、スライムと向き合う。
ピキー
僕は初めての戦いということもあって、スライムの出方を伺ってしばらく見合っていると、スライムが痺れを切らして飛び込んできた。
「遅いっ」
僕は真っ直ぐ飛んできたスライムを構えた剣道の突きをする容量で剣で突き刺した。
串刺しになったスライムはピキーと鳴き声を出して消えて行き、それと同時に薬草がドロップした。
(流石ですミドル様)
「でも、竹刀よりも重たいせいか動きが鈍くなっちゃうな」
(そうですか?)
(うん。これから装備も付けて動くようになるだろうし少しずつ筋トレでもするか)
(ドロップ品を持って帰るのを忘れずに)
僕はそう言われ薬草を拾い上げる。
(それはスライムの通常ドロップ品の薬草です。ポーションを作る際の基本の材料となります)
(へ〜。なんかケイが鑑定っぽいことした)
(ポイじゃなくて鑑定なんです!これでも私、上級鑑定なんですよ!)
(でもこれ、バックもないし入れるものがないや)
(バックも買う必要がありそうですね。装備もそれでは少し心もとないですし)
そんな僕の今の格好は夏の制服に木製の剣という、修学旅行で木刀を買った高校生にしか見えない格好だ。
僕は仕方なく薬草をポケットの中に入れて、先に進むこととした。
またしばらく進むと、今度は3体のスライムとエンカウントした。
先に仕掛けてきたのは再びスライムの方だった。
1体のスライムが飛び込んでくる。
僕も負けじとスライムの方へ向かい走って行く。
剣を左から右へ振り、先ず1体。
そのまま今度は右から左へ振り戻し、もう1体をしとめる。
そして、剣の隙を付いた正面からのスライムの攻撃をジャンプで躱し、その落下の勢いを使い上から剣を突き刺し3体撃破。
残ったのは3つの薬草のみ。
「よし。この剣にもだいぶ慣れてきた」
(やっぱりタケル様は冒険者に向いていますね。動きがキレキレです!)
(そうか?そんなに褒められると照れるんだけど)
(そうですよー。さすがタケル様!)
僕らはそんなやり取りをしながらダンジョンイースト1階をしばらく探検し続けた。
ピギー
ピギー
・
・
・
ピギー
「ふぅ~。だいぶ時間が経ったね。ポケットも薬草で一杯だしそろそろ帰るか」
(そうですね。今日の宿代位は大丈夫でしょう)
(もっと探索出来るようにバック買わないとな)
そうして僕はダンジョンイーストを後にして、冒険者ギルドへと向かった。
「お疲れ様です、タケル様。今日はダンジョンへ?」
「お疲れ様です、メイさん。薬草の買取をして貰いたいんですけど」
「こちらでできますよ」
「そうなんですね。それじゃあ、これ全部お願いしてもいいですか?」
僕はそう言ってポッケの中の薬草を全部メイさんに差し出した。
「沢山狩ってきましたねー。少々お待ちください。…………薬草12コですね。全部で銀貨4枚と銅貨8枚になります」
「ありがとうございます。それじゃあ、あっ。この辺で宿屋とかあったりしますか?」
「ギルドを出て左に真っ直ぐ歩いた突き当たりにありますよ」
「ありがとうございます。また来ますね」
「はい!また、明日も頑張ってください!」
メイさんと別れて、言われた通り宿屋に向かうためギルドを出た。
(なぁ、ケイ。この銀貨、銅貨ってどのくらいの価値なんだ?)
(そうですねー。今から行く宿屋が1泊で銀貨1枚程です。ちなみに銅貨10枚で銀貨1枚、銀貨10枚で金貨1枚、金貨10枚で大金貨1枚ですね)
(なるほどな)
カバンや装備を買いたいし。
ミドルには礼なんか要らんと言われたけどもお礼はしたい。でも、それはもう少し後になりそうだ。
でも、硬貨しかないのか。嵩張るし不便だなぁ。
とりあえず、たまたま胸ポケットに入っていた自分の財布に硬貨は入れて置いた(ちなみに中身は何も無かった)。
そんな事を考えているとあっという間に宿屋に到着した。
手続きを済ませ、シャワーを浴び、部屋のベッドにダイブした。
「づかれだー。明日は、ダンジョンの2階に行ってみるとするか」
(そうですね。ちなみに2階の魔物はゴブリンです)
「ゴブリンかー」
────────────
読んでいだだきありがとうございます!
面白い!続きが気になる!と思った方は是非、いいねやコメント、★★★をよろしくお願いします!!
どうもみっちゃんでした( ¯꒳¯ )乁
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます