10-懐かれるのも時に辛し
デミアンとシャイナの店を出るのと同時に、成獣召喚解放のワールドアナウンスが表示されてしまい俺はルフにマオ達を抱えてもらい早々にその場を離れる。
またもやらかしたと分かれば神威に何を言われるのか分からないのでファンビナ商団の拠点に逃げるように駆け込むことになった。
「…ヤバい、まさか成獣召喚復活に関してワールドアナウンスが流れるなんて。神威にバレたらまた叱られる!」
『神威って誰だべ?』
『パパの友達で頼れる人だよー!』
『ポスカよりはえぇ人やと思う』
『姉上、まだルフ殿はポスカに会っていないでござるよ』
『あ、せやったな…。ちゅうてもこれから会うんやな…』
「ライアさーん!おかえりなさい!」
『ほれ来た。アレがポスカや』
『タイミングばっちり過ぎますの…』
拠点の門を潜れば待ってましたと言わんばかりに走ってきたポスカを見てマオ達が呆れたように見つめるも、ルフは訳が分からないと言わんばかりの顔をしている。
両手を上げて走ってきているポスカをどう躱すか考えつつ、時刻を確認するとそろそろ昼時なので腹も減ってきている。
と言うよりも、何か集中出来ることをしていないとリストバンドに届くであろうメッセージの通知音が怖くて仕方がない。
「和や姫達も何時ラビリアに来るかわからないし、取り敢えず昼飯作るか…」
「うちのシェフの作る料理じゃ満足できませんでしたか!?」
「いや、そういう訳じゃないんだがちょっとまた出掛けるにしても来る恐怖を拭う為に現実逃避がしたいというか…って抱き着かせないぞ!」
「くっ!ライアさんのいけず!!筋肉のある男が好きなんですか!?それとも、そこの熊さんの様な人が好きなんですか!?」
「お前…そろそろジェスに俺を見張らせるのはやめたらどうだ?」
「ライアさんを誰かに取られる前に排除するならその方が楽なので」
「過激か!?お前そんな子だったっけ!?」
「しょうがないんです!私は尽くしたいという人を見つける事で力を発揮する鬼の中でも特殊な一族の血を継いでいるんですから!ライアさんを誰にも渡したくないと思ってても堪えているだけ凄いんですよ!」
「いや、どうだ我慢強くて凄いだろみたいに言われても逆に困るんだが!?」
「捕まえましたよー!!」
いきなり自分の事をバラすポスカに動揺した隙を狙い抱き着かれてしまえば、身体に負担が掛からない様に配慮はあるがしっかりとホールドしているので簡単に剥がせそうにない。
力任せに抱き着いてきている訳では無いので痛みは無いが流石にまずいと想っていると、ハンマーを持った小さな影が視界に入る。
何処からここまで飛び上がったのだろうかと辺りを見れば、踏み台にされたのかルフがよろけている。
『パパは僕のなのー!』
『ほげっ!!いきなり踏み台にされたべ!』
「いったぁ!?」
『ナイスや兄さん!』
マオが振りかぶったハンマーが後頭部に直撃し、あまりの痛さに力が抜けたのを確認してマオを回収しながらその腕を抜け出す。
白銀がマオを褒めるも、当たり所が悪ければ昇天してもおかしくないので後ほど一応注意はしようと思う。
しかし、助かった事には変わりないのでポスカを回収する為か走ってきたマンダに後は任せる事にする。
『主って危ないヤツを惹き付ける天才なんだぞ?』
『…トラブル吸引体質ではあるよね?』
『なしてか分からんけんど…苦労しそうな星の元には産まれてそうだべな』
『わぁ…一撃で気絶ですの』
『あのハンマーはガチで気を付けないとダメでござるな…』
「マオ、今回は助かったが普通の人には絶対にやっちゃダメだぞ?」
『うぅぅ!パパを困らせるポスカが悪いんだもん!』
ハンマーを握り締めたまま不貞腐れたように顔を背けるマオの頭を優しく撫でつつ、ファンビナ商団も頼り過ぎたらダメだと思い門を再び出るとミニマップを確認し、商人エリア、居住エリア、迷宮エリアの中心に位置する広場のような場所に目が留まる。
今回のイベントの話によりペットを連れて訪れる人が多くなっているし、複数のペット達を連れて向かっても問題は無いかと思いそこを目指す事にした。
人々の視線は感じるものの、声を掛けてくるような者は居なかったので少しすると広場へと辿り着く事が出来たので辺りを見回し、邪魔にならなそうな位置にあるベンチを利用する事にする。
「…いやまさか、ポスカにあんな面があったなんてな」
『とと様は優しいからああいう人に好かれやすいんだと思いますの!無害そうに見えても蓋を開けると分からないからちゃんと人を見ないとダメですの!』
『ヴィオがなんやかんやいっつも警戒してたでござるからな…』
『食いしん坊に悪いヤツは居らんと思っとったけどポスカみたいなんも居るって覚えとかんと…』
『そこだけ除くと良い人なんだけどね…遊んでくれるし』
『あのぉ…話しとる所悪いんだけんど、周りの人がめっちゃ見てるべよ…』
ルフの言葉に周りへ視線を向ければ、マオ達を見てこそこそと会話をする人々が居るのに気づく。
やはり連れている数が多いということもあり注目を集めてしまったようだ。
どうしたものかと思っていると不意に小さな人影が目の前に立ちはだかる。
「やっと見つけたの、兄様!今度こそフレンドになって!」
目の前にテラベルタで会ったロリータファッションに身を包んだ琴葉が人差し指で俺を指し示しながら立っていたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます